ダイアログを応援くださっているみなさまへ
2020年の夏、私たちは、東京2020オリンピックパラリンピックの開催に合わせて「対話の森」をオープンしました。この場がパラリンピックのレガシーの一助となり、多様な人と出会い、共に遊び、リアルに対話をすることで、頭だけの理解とは異なることに気づいていただけると思っていたのです。
それは同時にマイノリティの活躍の場を増やすきっかけにもなります。夢と希望を持ち準備をしていましたが、しかし実際はコロナ蔓延により、オリンピックパラリンピックは開催されず順延され、同時にダイアログの存続も危ぶまれました。
せめて多くの子どもたちにダイアログの体験を残してクローズしようと腹をくくったのは昨年の春のことです。しかし会場がなくなれば、子どもたちに体験させることもできません。私たちはダイアログミュージアム「対話の森」の存続をかけ、皆様からクラウドファンディングをお願いし、大きなご支援を頂戴しました。「応援求む!ダイアログミュージアム「対話の森」存続へ、今こそ #対話をあきらめない」という目的を掲げクラウドファンディングで子どもたち5,000名をダイアログに無料招待するプロジェクトを始めたのです。
みなさまのおかげで、目標金額は達成でき、現在すでに約730名の子どもたちが体験し、この夏休みも多くのお子さんが来場予定です。すこしコロナ規制が落ち着いてきましたので、子ども無料体験ご希望の方は以下をご参照頂ければと思います。 https://kodomo5000.dialogue.or.jp/
とはいえ、経済的には厳しい状況であることは変わりません。しかし本当に多くの方々が私たちのことを見守り応援くださることは何よりの励みとなり、オープン当初の目的を取り戻すために、今年4月からはダイバーシティを体験できるミュージアムとして名称をダイアログ・ダイバーシティミュージアム「対話の森」にし活動を拡げています。
また「対話の森」を自分たちだけで使用するのではなく、志を同じくする団体やプロジェクトと協働で展開することもはじめました。
例えば、ダイバーシティを目指す映画の試写会。見えない、聴こえない、見えて聞こえる、子どもたちが一緒になって音楽を奏でるホワイトハンドコーラスNIPPONとの体験型写真展「第九のきせき」も開催し、素晴らしいコラボ企画が行われました。今後社会的なプロジェクト、アートプロジェクトなどとコラボレーションをし、違いを遠ざけるのではなく、関わる世の中へと加速をつけていきます。
このような状況の中、新たなものに挑戦するのではなく、小さく事業をまとめ足元を見つめることをすべきとお𠮟りを受けるかもしれません。しかしながら、今、この時期に蒔くべき種があるのでしたら、その発芽時期を見越して進んでいくことは大切なことと思います。2020パラリンピックは昨年終わったばかりです。今この時にレガシーを残さなければいつ残すことができるのでしょう。ダイアログが世の中に存続している間に、多様性を受け入れることのできる様々な機会を創出し、その種を蒔き続けることを諦めずにやりたいのです。
世の中にはまだまだ素晴らしい能力の持ち主がたくさんいます。その知られざる人たちの力が活かされたら社会は更に豊かになるのです。それを私たちだけ知っているのは社会的損失です。
そこでこの夏、オリパラ2020のレガシーとして、よりダイバーシティを楽しみながら体験できるリアル対話ゲーム【地図を持たないワタシ】に挑戦します。
すでに様々なマイノリティのキャスト(聞こえない人、見えない人、低身長の人、LGBTQ、車いすを使う人、義手の人、その他のマイノリティの人)が、対話の森に集い、エンタメの猛特訓がはじまっています。先日そのキャストのみなさんを撮影させて頂き、その魅力に吸い込まれました。
是非、皆さんにもこの感覚を味わっていただきたく、一緒に伴走してくださる心ある方々をクラウドファンディングを通じて募っています。どうかこの挑戦に一緒に走っていただければ幸いです。
きっとご自身の新たな未来と可能性が見えるはずです。
https://readyfor.jp/projects/dialogue2022
ダイアローグ・ジャパン・ソサエティ
志村季世恵
志村真介