みなさま、ご無沙汰しております。
リヴオンの尾角光美です。
みなさまに応援していただき、これまで本当に多くのご遺族、死の臨床にかかわる人たち(医療者、宗教者、葬儀社など)に冊子を届けてくることができました。12,000部発行した内、1万部は無償で、希望者の方々への配布と、全国の病院やホスピス、保健所などにプッシュ型送付をさせていただきました。
今回はここまでのプロジェクトの経過や成果をまとめた報告書を作成しました。
まずは、その中から、本を手にした方からの届いた声をみなさまに共有したいと思います。
★「介護していた高齢の母を新型コロナで喪くしました。デイサービスで感染してしまいました。介護のために完全に母中心の生活をしていたにもかかわらず、いきなり隔離となり、最期の別れもできず、親類縁者も怖がり葬儀もままならず、もちろん私自身も濃厚接触者のため長い期間誰とも会えませんでした。ずっと突然手の中から大切にしてきた母をもぎ取られた喪失感と虚無感に苛まれています。」(東京都・50代女性・新型コロナで亡くす)
★「コロナ禍で私達のように感染者でなくとも大きな影響を受けた患者家族は多いと思いますがほとんど話題になることはありません。最期にも立ち会えなかった悲しさはコロナ前にはなかった問題です。
もう命が危ない状態でもあくまで病院は面会禁止。一目会うことさえ許されなかったことはずっとつらく忘れることはできません。
緩和ケア病棟でさえ面会制限、看取りもできない。感染対策としてやむを得ないとは思うけれど最期くらい一緒にいたかったです。」
(東京都・60代女性・新型コロナで亡くす)
★「当ホスピス病棟では、コロナ禍もできるだけ完全な面会禁止にせず、人数や時間を制限して継続してきました。それでも、限られた人、限られた時間しか会わせてあげられず、元気なうちにと、温泉旅行や、ペットとの面会を希望されても、コロナ禍においては、我慢をしていただいてきました。見取りの場においても以前のようなたくさんのご家族に囲まれてということができず、ご家族の心も、支援する立場の私たちも言葉にできないつらい悔しい思いをしてきました。そんな中でこの本をみて、たいへん癒される思いで、ぜひ欲しいというスタッフがたくさんおります。」(新潟県・医療関係者)
「この本を読み、自分自身が癒される感じを強く感じました。」(東京都・保健所)
「グリーフケアが大切なことは理解していても、医療者側も立ちすくんでしまうことがあります。そんな私達にとってこの冊子は、手助けになると感じました。」(高知県・医療関係者)
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詳しい報告書の中身はこちらからご覧いただけます。
この2月でパンデミックがはじまってから、4年が経とうとしていますが、まだ医療機関、介護施設で最期の時間を十分にご家族と過ごせない状況は続いているところがあると聞きます。どうか、一人でも多くのコロナ下で死別を経験される方々にこの本が引き続き届けられるように。そして、なくしたことをその人なりに大切にいだけるように、お手伝いができればと願っています。