5年前の2016年と比較してみます。これが5年前の様子。べカンベウシ川は全面的に凍結しており、上を歩けました。そしてこれが今回の様子。川は全く凍っておらず、とうとうと流れています。これが5年前の私が測定した気温です。最低気温は-25度に達しています。そしてこれが今回の気温です。最低気温は-8度ほどです。本来データとして気温の変化を捉えるには毎日毎年連続して測定する必要がありますが、また、最も氷が厚く張っているだろうと言われている2月中旬を挟んで5年前と今回とでは前後に一週間ほどずれていますが、今回はあえてそれらを無視して、今回はこうであったという報告としたいと思います。サイエンスとしては温暖化との関わりを語れるものではありませんが、一個人としては、世界的に温暖化が進んでいるのは事実であり、北極点に行きたくても氷が張らないために行けなくなるのと同様に、湿原を徒歩で縦断したくてももう出来なくなるのかと思うと、とても寂しい思いがします。非常事態宣言が解けたら、ハローハッピーで報告会をしたいと思います。
一杯やりたくなるような話です。暖か過ぎる。五年前の最低気温は氷点下25度であったのに、昨夜は……氷点下7度。そして僕がここに入る前の一昨日には、満ち潮と重なって数棟が床上浸水するほどの、大雨が降っていた。それらの影響だろう、別寒辺牛(べカンベウシ)川はまったく凍っておらず、トウトウと水が流れている。川岸の湿地帯には水と雪が溜まり、深いシャーベット状で、川面に近づくことすらできない(だから写真も取れない)。川が全く凍結していないという事は、どれだけ回り道をしてみたところで別寒辺牛川本流に流れ込んでいる支流を歩いて横断することはできず、湿原縦断は完全に断念せざるを得ない……という結論です。しかしこれもまた、地球の温暖化の観察というあらかじめ設定した目的を達成しているので、進めずとも意義はあり。でもまあ残念だね。地熱発電あるでしょ、と思うよ。客観的に。日本はその技術を輸出するぐらい持っているし、その熱資源も世界有数。ちょっと気合い入れりゃ、全電力に近い量は安定供給できるのでは。政治的問題だけだよ、ねえ、と思うがね。丹頂鶴が、コウッッコウッッ、と一日中鳴いている。氷のバキンバキンとう鋭い音がいたる所から絶え間なく届き、お前は湿原という空間の中に寝泊まりしているのだと語りかけてくる。
丹頂鶴が鳴いている。林野庁に連絡を入れ、さあ湿原へ。
釧路に入りました。
雪中でテントを張る時、普通のペグって雪に刺さらないんですよね。雪と接する広い面積が必要。なのでシャモジを買ってきてペグにしてみようと。アルミニウムの市販品もあるし、竹製のシャモジで自作する人もいるけれど、水を吸わないプラスチック性もありなのでは、と。工夫しながら自作するのが好きなタチなんだけど、たまに思うように機能しない時もあり。でも楽しいし、新たな発見があるので良し、なんですけどね。