中井:実行委員の中井裕紀です。渡波(わたのは)で海苔漁師をしています。近所で同じ海苔漁師をしている実行委員会のメンバー相澤 充は同級生。あいづも俺もじいさんからの三代目だね。今シーズンの漁期は、たぶんあとちょっとですかね。例年より終わるのが少し早いかも。
中井:とにかく(相澤)充がきっかけ。
当時彼が所属していた災害支援団体には、うちの納屋のほうの瓦礫撤去も頼んで、何かと助けてもらったしね。で、家族とも親しくしてくれて、だんだん大事な友達になったんですね。
「10年の幸福写真」実行委員会に入らないかと声をかけてきたのも充だね。だから、断れない。断る理由もない。
慶祐くんは俺たちのこと見てきたわけでしょ?ずーっと写真撮って。まあ、なんつうんだい、何かあるときには一緒にいだいっつうか、携わりたいって思って。なので、やっぱり断る理由が、ない!
中井:唯一あれだったのは、やっぱね、漁が忙しい時期だったんで、こう、がっつり手伝えなかったのがちょっと。それだけですね。
でもみんなの思っていた通りになったと思う。だって、写真展に「コタツ」だよ?会場にいたときに慶祐くんにも「感想は」って聞かれたけど、「すげえ いい」としか言ってないのね、俺。「何がいいの」って突っ込まれても、「その『何』が言葉に出せない」と答えてたの、ずっと。そんくらい、いい雰囲気でしたよ。あれはね。
写真の中のちょっと前の自分自身や大切な人と再会できて、会場でもなかなか会えなかった人とまた会って、親になった若い子がコタツで赤ちゃん寝かせてるのとか見て嬉しかった。だからいい雰囲気だったのかな。
中井:写真展でもらった写真は、届けたかった人にはすぐに持っていって、みんなね、すげえ喜んでくれたの。おばあさん亡くなってるところも、「わあ、ばあさんだ!」って。仕事中濡れたままの手であわてて受け取ろうとしてくれたりして。
自分が一番気に入っているのは、子どもたちや奥さんのもいっぱいあるけど、やっぱ両親と弟と俺と一緒に写っているのですね。海苔の乾燥庫の中の。身内だとあんな何気ないところ、敢えて撮らないでしょう?家族みんながこの写真いいねえってなって、ちょっと取り合いになった(笑)
人気なんですか?へえ。
でもね、写真集もだけど、「海苔には自信があります!」
慶祐くんの写真も、モノって言ったら悪いのかもしれないけど、一生懸命作ってきたわけじゃないですか。海苔も頑張って作ってる。どっちもね、モノ作りって、手を抜いたらそれなりのしかできないんですよ。だから、間違いのないものが届きます。
名言でしょ?(笑)でも、ずっとそう思っていたんですよ。
まあ、自分のブロマイド目当てでもたくさん予約が来ると思いますよ。今からパーマネントあてて慶祐くんにかっこよく撮ってもらうから(笑)