こんにちは!クラファン担当クルーです。
昨日、本クラファンを開始してから20日が経過し、いよいよ折り返し地点になりました!
引き続きよろしくお願い致します。
今回は、小川副館長が本プロジェクトのために書き下ろした絵画とその生きものたちについてご紹介いたします。
①ピラニア・ナッテリー
ピラニアの仲間は南アメリカ大陸にのみ分布しており、30種類ほどが知られています。ピラニアという名前は、アマゾン原住民によって話されていた言語のひとつトゥピー語から由来しています。
ピラは魚、アニャが切るという意味のようで、現地ではピラーニャと発音します。
なかでも代表的な種類として多くの方が思い浮かべるのはピラニア・ナッテリーではないでしょうか。ピラニア=凶暴 というイメージもあると思いますが、意外にもピラニア・ナッテリーは臆病な性格です。
そして、ピラニア・ナッテリーといえばこの鱗のきらめき。まるで宝石のようなきらめきは見入ってしまうほど美しい自然の産物です。
絵画でも、そのきらめきを表現すべく金箔を用いて1つ1つ丁寧に描写しています。
②ミナミメダカ
ミナミメダカは「めだかの学校」にも歌われているように、日本人にとって身近な場所で数多く姿を見ることができる淡水魚でした。
2匹のミナミメダカは、上からメス、オスをそれぞれ描いています。
オスとメスは尻びれと背びれに違いがあります。オスはメスに比べて尻びれが長く、背びれに切れ込みが入っています。小学校でオスとメスの違いを観察したことがある方は多いのではないでしょうか。
絵画ではその特徴的な体形はもちろん、鱗の繊細な模様や色使いなど細部までこだわりが詰まっています。鱗が光って見える、メダカ本来の美しさを表現しています。
かつて当たり前のようにいた野生のミナミメダカが今では絶滅危惧種に指定されています。都市開発により水田やため池のような生息地が失われたことや、農業自体の変化、外来種の侵入などが原因と考えられます。
また、近年、遺伝子レベルでの研究が進められるにつれ、ミナミメダカの中に異なる遺伝情報をもった複数の地域個体群がいることがわかっています。ちがう地域由来のミナミメダカを人為的に他の地域に放流してしまうことで、本来そこにいた個体群に遺伝的な攪乱が生じてしまっているのです。
多摩川流域のメダカの生息状況を調べたところ、多くのミナミメダカが生息していることが確認されましたが、実際には他の地域の遺伝的特性をもっていることがわかっています。
動物園・水族館の役割の中には「種の保存」や「教育・環境教育」「調査・研究」が挙げられます。
カワスイではこうしたミナミメダカをはじめとした生きものの現状についての情報発信や、神奈川県と共同で生息域内保全に取り組むなど、できることから始めています。
〈小川副館長よりメッセージ〉
生物は進化の過程で様々な姿・形になりました。そのひとつひとつを観察し、なぜこうなったのだろう?と考えること、そこから生きものについて知ることがとても大切なことです。そんな視点で生きものたちを見つめながら、この作品を書き下ろしました。
この絵をご覧いただいた際や、カワスイにいらした際には「生命そのものの姿を見て、感じてほしい」と思っています。都会にいながらも自然を感じることの出来るカワスイで、自らのセンス・オブ・ワンダーを信じて、生きものの美しさや素晴らしさを感じてみてください。