あっという間に2023年も1ヶ月が過ぎようとしている中ですが、
皆さんいかがお過ごしでしょうか?
新たな1年が益々実り多き年となることを願っております!
そんな「光陰矢の如し」と言う言葉がピッタリ。
と思わざる得ない今日この頃ですが、昨年お伝えしました通り、
私たちGuéneuが支援しているセネガルのNPO団体La Palabreは、
WAAF(Women's Action Against FGM, Japan)から「反FGM基金」から
約3,000米ドルの支援を受けて「FGMに関する意識向上プロジェクト」を
進めるとともに避難所開設に向けての準備・建設を着実に進めてきました。
※詳しくは4月6日の活動報告をご覧ください。
今日は2022年に本基金を活用して「La Palabreがどんな活動をしてきたか」
お伝えできればと思います。
文章が少し長くなってしまいますが、日本から1,300,000km以上離れた
セネガルのティエスで何をしどんなことが起こっていたのか、
皆さんに少しでも知っていただける機会になれば幸いです。
- 活動1:クールシンバラジャワラ村での啓発活動
- 活動2:ムバンバラ村での啓発活動
- 活動3:ティエス州のマリクシ高校での啓発活動
- 活動4:パーセル・アセニ校での青少年への啓発活動
- 活動5:Sud FMでのラジオ放送
- プロジェクト成果
- 最後に
活動1:クールシンバラジャワラ村での啓発活動
▶︎活動概要
セネガルのクールシンバラジャワラ村で、村内に住むバンバラ族のFGMの歴史に関する話を
村長等から聞くことで、村の女性や若者に対してFGMに対する啓発活動を行いました。
また、講演の中では実際に歴史以外にもFGMの被害を受けた女性からの体験談も話されました。
「20年以上前のその日、勉強しようと思っていた私を両親が学校に迎えに来て、施術師に引き渡そうとしました。その日、学校の先生は私を親に引き渡すことを拒否し、『あなた方両親を糾弾する』と脅しました。私はその危機から逃げられてとても嬉しかったです。しかし夕方、家に帰るとそこには施術師の女性がいて、姉やおばさんたちが私の女性器切除できるように取り押さえました。施術を受けた私はあざだらけになり、もはや何の希望も持てなくなりました。もう恥ずかしくて学校にさえも戻りたくなかったです。」FGM被害を受けた女性の経験談
実際に被害を受けた女性たちは、FGMの被害を受けることによる社会的・政治的・経済的な
影響を自覚するようになり、自発的に若い世代に対して経験を語るようになってきたのだと
言います。
このような活動以外にも、彼女たちは安全な環境で出産ができるように村にヘルスセンターや
分娩台の設置を強く求めています。
活動2:ムバンバラ村での啓発活動
▶︎活動概要
村内にある「AND GUEM SA BOPP(=貯蓄信用村協会)」の会長Mah Coulibaly氏の自宅で
FGMの医学的観点からの考察に関する講演を行いました。
講演では、実際にLa Palabreで避難してくる女性を受け入れる担当者や助産師の資格を持つ
メンバーがスピーカーとして参加しました。
・FGMに関する誤った認識:女性の性的な役割(女性の繁殖能力を高め、純潔を保つ)、慣習(イスラム教や先祖から課せられたものである)や医療行為の一つ(民族によっては、クリトスが病気の根源と考えている者もいる)などとして誤った認識している人がいる。
・FGMの医学的な影響:1.痛み / 2.出血 / 3.排尿時の痛み / 4.B型肝炎やHIV・AIDSなどの血液感染症のリスク(=集団的切除の際に使用する器具の影響)/ 5.継続的に起こる尿路感染症 / 6.不妊症 7.フェスチュラ
→このような悪影響について実例を用いて説明し、FGMの影響に関して強く訴えかけた。
実際の講演内容の抜粋
→この講演を通じて、女性特有の病気に関する先端医療を行う病院とコネクションがもて、
後日実際に医療現場を訪問できることになりました。
活動3:ティエス州のマリクシ高校での啓発活動
▶︎活動概要
実際に避難所がある州と同じティエスの高校にLa Palabreのメンバーが訪問し、
WAAFやLa Palabreについての説明ののち、女性器切除に関する説明をワークショップ形式で
行いました。
生徒さんたちもこのワークショップに非常に前のめりで参加をしてくれ、
なんと一部の方々を2022年〜2023年の1年間「FGM廃絶に向けたアンバサダー」として
任命するのはどうかという提案までしてくれました。
活動4:パーセル・アセニ校での青少年への啓発活動
▶︎活動概要
La Palabreの若手メンバーが中心となり企画実施されたこちらの活動は、活動3と同様に
WAAFやLa Palabreの活動紹介を含むワークショップ型の啓発活動を行いました。
この中で、ギニアのプルという集落で教師をしていた男性のAmeth Séne氏を
ゲストとして招き、教師としての過去の体験談を語ってもらいました。
※下記センシティブな内容を含みます
「実際に教師をしていた時に、自身の担当の生徒を一人FGMによって失いました。彼女は女性器切除を受けてから2日目に学校に戻ってきました。しかし授業中に突然出血し始め、数日後に大量出血後に息を引き取ってしまいました。」Ameth Séne氏の体験談より
参加した生徒たちも熱心に体験談やLa Palabreのメンバーからの話に耳を傾けました。
活動5:Sud FMでのラジオ放送
▶︎活動概要
ジャーナリスト、La Plabreのプロジェクト責任者のFatimata Aw氏、
またFGMの専門家であるMalick Niang氏をゲストとして招いて、
リスナーに対してFGMの啓蒙及び、本プロジェクトの実施団体あるLa Palabre及び
プロジェクトドナーであるWAAFの紹介を行いました。
「セネガルにおいては、FGMをはじめとした感染症などの多くの健康にまつわる社会的問題が起こっています。実際にFGMの被害を受けた人たちを救済するための法律等も存在はするものの、まだまだ十分な状況とは言い難いのが実情です。
このような悲しい現状を改善していくためにも、私たちLa PalabreのようにFGMなどの性暴力被害を受けた女性を受け入れるハード面としての活動、また今回のプロジェクトで行ってきたようなFGMの啓蒙活動などのソフト面の活動を継続して行うことが非常に大切だと考えています。」La Palabreプロジェクト責任者のFatimata Aw氏コメントより
プロジェクト成果
今回の中長期的なプロジェクトを通じて、啓蒙活動を行った各地やラジオでの紹介を通じて実際になんと1,000人以上の方達にFGMに関して、WAAFとLa Palabreについて知ってもらうことが
できました!
中には、La Palabreをボランティアとして手伝いたいと言ってくれた方も多く、La Palabreのメンバーからも「大変なことも多かったが、多くの人に知ってもらい良い結果が残せてとても嬉しい。WAAFの皆さんの援助なしではここまで辿り着けなかったと思う」との感謝の声も上がっています。
最後に
長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございます。
FGM廃絶に向けた啓蒙・啓発の活動と一言に言っても切り口は様々です、今回のプロジェクトを通じてLa Palabreが行った活動を通じて、皆さんに少しでも新たな発見や気づきがあれば、とてもうれしく思います!
引き続き応援のほど宜しくお願いいたします。
NPO担当 たまき
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