『緊急避妊薬と中絶ってどう違うの・・・?』
今回はそんな疑問にお答えしたいと思います。
ー緊急避妊薬を内服するのって中絶すること?
緊急避妊薬を服用することと中絶手術を行うことは全くの別物です。
緊急避妊薬は、避妊方法のひとつであり、妊娠をしないための方法です。
妊娠しないために最後にできること、これが緊急避妊薬の内服です。
これが、緊急避妊薬が避妊の最後の砦と言われるゆえんです。
しかし、妊娠の準備ができていない、望んでいないタイミングで
避妊ができなかった(妊娠をした)場合、中絶をするという選択肢が出てきます。
中絶とは、妊娠したあとに妊娠を中断するための方法です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
まず、緊急避妊薬に関してお話をします。
緊急避妊薬とは、黄体ホルモンなど多くの女性ホルモンを含む薬のことです。
緊急避妊薬には、
『排卵を抑制する働き』と『受精卵が子宮に着床するのを防ぐ働き』があります。
妊娠が成立するためには、射精された精子と排卵された卵子が結合し、受精卵を形成しなければなりません。排卵を抑制することで、妊娠する確率を下げることができます。
そして、万が一排卵後であったとしても、子宮内膜の増殖を防ぐことで、排卵後の卵子が子宮内膜に着床することができず、妊娠する確率をさらに下げます。
この二重の働きによって、
妊娠が心配な性交渉から72時間以内の服用後、85%以上の妊娠を防ぐことができるとされています。
一方、中絶とは『人工妊娠中絶』のことで、
母体保護法が適用される場合において、妊娠を中断しなければならないときに行われる手術のことです。
人工妊娠中絶手術が受けられるのは妊娠22週未満(21週6日)までですが、
日本において妊娠12週未満の妊娠初期に行われるのは掻爬(そうは)法(子宮内を掻き出す方法)または吸引法(器械で吸い出す方法)という手術です。
妊娠12週~22週未満の妊娠中期に行われるのは子宮収縮剤で人工的に流産させる手術を行います。
このように、人工妊娠中絶とは、卵子が子宮内膜に着床し、妊娠がわかった後に妊娠を中断するための手術です。
身体的・経済的な負担は大きく、精神的負担は計り知れません。
最初でもお話ししたように、緊急避妊薬を服用することと、人工妊娠中絶手術を受けることは全くの別物です。
人工妊娠中絶は、とても負担の大きな手術です。
妊娠を望んでいない場合には、
きちんとした避妊を行うことや、妊娠の心配のある性交渉があったときには緊急避妊薬を服用するなど、妊娠前にできることを行うことが大切です。
そのためにソウレッジではこのプロジェクトを通じて、若者が緊急避妊薬を服用できる環境と学校外でも性知識の得られる環境のある社会を作ることを目指しています。