寄稿シリーズ「コロナ禍のコミュ壁」では、コロナによって生まれた「コミュニケーションの壁」をそれぞれの視点から寄稿して頂き、どのようにそれを乗り越えていくのかを考えて見る企画です。私たちがいま制作している「体で話し合うボードゲーム MUTERS」もそんな「コロナ禍のコミュ壁」にお役立ちすることを目指しています。
-------------- 今回の寄稿者 --------------
武藤 崇史 株式会社人間/ツナガリMusic Lab.
変な広告と福祉が専門です。 株式会社人間のパワーディレクター|発達障害のある子どもの音楽教室 ツナガリMusic Lab. のブランドマネージャー
https://tsunagari-music.jp
ツナガリMusic Lab.の運営する「発達障害のある子どものための音楽教室」には、70名の生徒と5名のレッスン講師が在籍しています。普段、マンツーマンの個別レッスンをしていることもあり、意識的に交流を図らないかぎり、生徒や親御さん同士の横の繋がりが生まれづらい状況がありました。コロナ以前はイベントや年に一回のコンサートを企画することでケアできていたのですが、2020年の年間イベントは全て自粛で中止に。出会う機会が減って、段々と見えない壁が色濃く浮かび上がってきた、と感じています。
ツナガリが大切にしてきたイベントの場は、生徒さん・ご家族にとっては心の支えや、太い情報網としての機能していました。偶然おなじ学校に通う親御さんと出会ったり、「お子さんの進路」などについて実体験にもとづく生きた情報と出会える場所になっていたのだと思います。もし、このまま自粛を続けて交流の機会を失いつづけていくと、そういった人・情報との出会いが失われてしまいます。
大切なのは生徒さん・ご家庭のために、意識的に「気軽な交流できる場」を作り出すことだと思います。一般の企業においてもリモートワークが推奨されたことで「業務連絡ばかりで、雑談が消えた」というのはよく耳にします。ちょっと聞いてみたい、相談したい。そんな雑談ができるくらいの気軽な場を、用意することが現状を一歩押しすすめてくれると思います。
MUTERSは、マスクをして声を出さずに体を使ったジェスチャーでゲームをプレイすることができます。感染予防に気をつけながら、大人も子供も遊び感覚で深いコミュニケーションが生まれることを目指しています。
▼開発中の様子