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福島の10年の歩みを意義ある「教材」としてまとめ、沢山の人が学べるものにしたい!

東日本大震災から間もなく10年。当たり前だった生活が突然奪われてしまったあの日から、普通の生活、幸せを取り戻すべく活動してきました。その中で見つけた学びを冊子やWEBに教材としてまとめ、世代や住んでいる場所問わず多くの人に届けたい

現在の支援総額

1,566,140

104%

目標金額は1,500,000円

支援者数

239

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2021/05/01に募集を開始し、 239人の支援により 1,566,140円の資金を集め、 2021/05/31に募集を終了しました

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現在の支援総額

1,566,140

104%達成

終了

目標金額1,500,000

支援者数239

このプロジェクトは、2021/05/01に募集を開始し、 239人の支援により 1,566,140円の資金を集め、 2021/05/31に募集を終了しました

東日本大震災から間もなく10年。当たり前だった生活が突然奪われてしまったあの日から、普通の生活、幸せを取り戻すべく活動してきました。その中で見つけた学びを冊子やWEBに教材としてまとめ、世代や住んでいる場所問わず多くの人に届けたい

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自己紹介

 こんにちは。一般社団法人AFW代表の吉川と申します。茨城県常総市に生まれ、高校卒業後、東京電力に入社。福島第一原発で働くことをきっかけに福島県に暮らし始め、かれこれ23年目になりました。東日本大震災・原子力災害を契機に東京電力を退職し、現在は人生観が変わったその場所の出来事だけでなく、それからの日々で出会った人たちから学んだことを、多くの方に共有することを仕事としています。

AFWについて

 一般社団法人AFWでは、福島第一原発と周辺地域を題材に、一般社会にとって汎用性のある学びを次世代へ繋いでいく取組をしています。具体的な取組は、中高大学生向けへの講義、原子力災害被災地域のフィールドワークのアテンド及びコーディネート、企業向け研修、講演活動などです。この取組を通じて、これまで8,000人以上の方と交流してきました

どうしてこのプロジェクトをやるのか

2011年から10年が経過する今年。福島にとっては、大きな節目の年です。福島県に暮らす人たちにとって、この10年はどういう10年だったのかについて、私なりの考えをまず説明させてください。

いきなり生活していた場所を追われ、自分たちの存在意義の根底を揺らがされたあの日

私は、原子力災害が招いた被害には、物理的な避難を強いられたこともそうですが、それ以上に「個々人のアイデンティティ・存在意義が揺るがされたこと」が、地域住民にとっての大きな痛みだと考えています。

社会から「フクシマ」というラベルを付けられ、存在自体を疎まれてしまう。自分自身ですら、育ってきた地域を否定し、人によっては生まれ育った場所がどこなのかも言えなくなるという状況さえ生まれてしまいました。

また、自分が一生懸命良い街にしようとしてきた努力がゼロになったような絶望を感じたり、地縁でつながってきた仲間とも離れ離れになり、孤立感を感じて苦しい思いをしてきた人たちもいます。

そこから立ち上がり、豊かな暮らしを築いてきた10年間でもある

一方で、この10年間は、福島に関わるたくさんの人たちがその状況を変えようと行動してきた10年間でもあります。

震災後、被災地域では立ち上がった地域住民や、そこに移住してきた人たちが様々な活動を立ち上げています。私は、その活動を横から見ていて「豊かに暮らす」ための考え方やヒントがものすごく含まれているように感じています。

ふるさとを守ろうとする人たち、彼ら彼女らを応援する人たち、原子力災害から何かを学びとろうとする人たち、多くの人に出会いました。

その出会いの日々は、自分の小さな世界感では知ることが出来なかった視点やものの考え方をもらい、少しずつですが、確かに自分の人生を変えていきました。

「正しい情報を把握し、リスクと共存すること」

「対立した価値観の中で合意形成をはかること」

「自分が何によって形づくられているのかを知ること」

「多様な人と関わり、交わることで新しい価値観を知ること」

「可能性のある未来を描き、自分が過程の中にいること」

こうしたことの一つ一つの積み重ねが、豊かな暮らし、幸せな毎日を形作ってきています。そういう気づきを与えてくれた人たちとその営みが、福島には確かに生まれていると知りました。

外部によって自身が揺らぐ社会

昨年以降、コロナ禍の状況で似たような経験を感じてきた方も多いのではないでしょうか?

社会の常識が変わる中で、自分がやってきたことがまったく通用しなくなって苦しい思いをしている方、友人知人、同僚との距離が遠くなり、孤独を感じている方もいるはずです。感染者や身近な人に感染者が出てしまった方の中には、言葉や暴力によって傷つけられた人もいるはずです。

コロナ災禍は「新型コロナウイルス」という存在によって呼び起こされたものですが、存在や努力を否定され、そこから立ち直れずにいるというような状況はあってはいけないと思っていますし、これは原子力災害からの福島で起きたことと類似性があるものです。

あの時の福島が経験した痛みは、いまや全世界が味わっているとも言えます。そしてあの時からの教訓は未だ、活かせていないことへの申し訳なさと悔しさがこみ上げてきます。

未来は予測は出来ませんが、同様に沢山の方が個々人の努力や生き方に関係なく、災害によって傷つけられたり、奪われたりすることは必ず起きるという思いもあります。

だからこそ、この10年間で得た学びをきちんと整理して伝えていくことが重要なのではないか、と考えるようになりました。

そのために何をしてきたのか

AFWの活動の目的

このようなことを考え、私たちAFWは、現在3つの目的意識をもって活動してきました。

1.事実とイメージとのギャップを埋める

まだまだ理解が進んでいない福島第一原発の現状とその周辺地域の現状を伝え、誤解から存在をむやみに否定されるような状況をなくしたい。

2.人生を豊かにするための教訓として、学びの集約と共有

福島の10年間の歩みをまとめ学びとして整理し、誰にとっても未来を豊かにすることに福島が扱われることで、福島=原発事故ではなく、福島=人生を豊かにする場所、という概念を社会で共有すると共に、被災住民と新たに被災地で暮らす人たちの存在意義に新たな価値を社会が見いだせるようにしたい。

3. 上記の2つを「教材」として整備することで、誰でも福島を知り、そこから学ぶということをできるようにしたい。

前回のクラウドファンディングでは、冊子を作成

一昨年、「福島第一原発を誰もが語り合えるものにしたい」という、クラウドファウンディングに挑戦をし、沢山の方にご支援を頂き、中高生の方からも気軽に触れられる冊子「福島第一原発と地域の未来の先に···~私たちが育てていく未来~」を創り上げることが出来ました。

この冊子では、福島第一原発と周辺地域の歴史を扱っています。原発事故前の歴史も含めて未来を考えていくために、東日本大震災と原子力災害が扱われることを、中高生からでもニュートラルに感じられるよう目指しました。

結果、原子力発電所が事故以前に地域にとってどのような存在であったのかということを伝えることができ、特に地元の方からはその部分を描いたことを評価していただきました。事故を知らない世代も知ってもらいたいという声をいただき、特定の市内すべての小中学校・高校への配布にもつながりました。地域の学校に求められたことは大きな前進だと感じています。県外にも、数百部単位で購入していただいた学校もありました。

また、原発事故や地域の歴史について家族で話す際、冊子の存在によって自分の言葉で語ることができたという感想をいただけたことも嬉しかったです。事故によって起きてしまったことについて、話しにくいテーマであると感じているご家庭もあります。

子ども(事故以前を知らない世代)にも分かりやすく、かつ原発の存在が是非論の価値観以外を伝えられ本があまりなく悩んでいたという方にとって良き教材となれたのではと感じています。事実を知ってもらい、原発そのものや事故にあった地域を過度に否定されることがなく、未来を考えていく役割をこの1冊は担ってきました。イメージと事実とのギャップを埋めるための知識や情報を、地元の人にも、遠くに暮らす人にも、震災を知らない世代にも伝えるきっかけになったと思います。

これから何をするのか

 今回のプロジェクトでは、震災からの10年の間、福島第一原発とその周辺地域で生活してきた人たちの学びをまとめ、誰もが福島を知れ、学びを得られる教材を作りたいと考えております。

これからの活動でやりたいこと

3つのことを軸に、これから動いていきたいと考えています。

① 現在ある冊子の英訳版の発行

② 10年の歩みを、体系化し、「学習目標を備えた教材」をつくる

③ 継続的に情報を発信・改善していくためのウェブサイトを制作


①現在ある冊子の英訳版の発行

まず第一に、冊子の英訳版をつくります。福島という場所への偏ったイメージは国内に留まりません。私は仕事上、多くの海外メディアとも仕事をしますが、未だに海外からは、心無い言葉を投げかけられることも多い地域でもあると感じています。また海外から見れば、日本という場所は小さな地方扱いでもあり、福島だけで語られず、東北は~日本は~と同様に語られることも多いです。

私たちが考える「誰もが」には海外の方も含まれます。なるべく正確な情報や福島の方々の思いを知っていただきたいと考えています。冊子を英訳し、ウェブサイト上からダウンロード出来るようにしようと考えています。

②10年の歩みを、受け手視点で学びとしてまとめた「教材」をつくる

上述の冊子も含めて、これまではどちらかというと「何を感じ取るか」「ここから何を考えるか」ということを投げかける形式をとってきました。

これは受け手の感受性に委ねてしまってきたとも言えます。それを踏まえて実践的に何を始められたらよいのかという具体的なアクションやノウハウを共有し、見える化したものへまでは進化出来ていないと感じています。

福島での出来事がなぜ風化してしまうのか。その一つの解に、活かされていない状況も言えると思います。あくまで過去の出来事で止まってしまっている。福島での出来事が活かされて今の課題が解決されているんだという実感に欠けるとでもいいましょうか。

それを物語っているのは、昨今のコロナ禍による情勢とも私は思います。

コロナ過でも活かさせなかった事実は、原子力災害を経験し、それからの課題を乗り越える地域の姿を見てきた私にとっても、「10年間何をしていたんだろう?」という気持ちが押し寄せてきました。

そして、反省を踏まえ、原子力災害を直接経験していない人達、遠くこの地域の現状を知ることが難しい人達にとって、それぞれの生活に活かせるような学びを得られ、行動に移せるようなものを残さなければならないと思っています。

実感値として「学べることがいっぱいあるのに」と感じていますが、これらの情報をもっと体系化していく必要があると考えています。「福島」というケーススタディと学びの具体的な学習目標、ワークがセットになった教材を、これからまとめていきたいと思います


③ 継続的に情報を発信・改善していくためのウェブサイトを制作

より多くの方が、私たちが情報を整理して蓄積したものを、いつでもどこからでもアクセスできるよう、ウェブサイトの作成を考えています。

福島で生まれた学びを見た方が活かせることに主眼を置きます。

「原子力災害を経験した地域の日常の暮らし」とそれを作っている「人」にフィーチャーし、その人が、アクションを起こすのに至ったバックグラウンド、アクションを起こすのに壁になったことを越えたノウハウなども分析し、見える化します。


クラウドファンディングで得た資金の使いみち

今回のクラウドファンディングで得た資金については、英訳版にかかる翻訳費用や、それをウェブサイト上に掲載するための当てさせてもらいたいと考えています。

翻訳費用:  50万円

ウェブサイト制作費: 80万円

リターン品: 20万円

クラウドファンディング手数料: 20万円

残りの費用については、②の教材づくりのために、たくさんの方へのヒアリングや、議論の時間が必要なため、その活動資金に当てさせていただければと思っています。

スケジュール

2021年5月 クラウドファンディング終了
2021年7月 冊子「福島第一原発と地域の未来の先に・・・」翻訳の終了とリリース
2021年9月 10年の歩みを体系化した教材のリリース(webで)

あとがき

私が縁あって過ごしてきた福島県での人生は、原発事故を持って大きく変化しました。事故が起きる前は、地域も、そこで暮らしていた人も、世界中に知られていない存在でした。

誰に存在を否定されることもなく、友人たちとバカみたいに遊んだ思い出や、地域の人たちの何気ない暮らしが今やとても懐かしく、大切な記憶として残っています。

震災後・原発事故後は、ごく普通に暮らしていただけの自分、そして周りの人たちが、人生に希望を見出せない姿や、それでも「ふるさとを守りたい」という思いから、個人では越えられない壁だと知りながら奮闘する姿を見てきました。

私自身も、なくしてしまいそうになった物事の大切さや尊さを知ったことで、自分の人生とそれを置いた地域について、深く考えるようになりました。

これまでの10年を振り返ると、存在意義との戦いだったように思います。私は発端となった場所に関わった人間として、自分の存在意義を問い直しましたし、また、福島という大きな主語の中に含まれる多様な人たちは、原子力事故に関わるニュースが報道される度に、そこでの暮らしや生き方そのもを否定されるような感覚を味わっています。そして悲しいことにそれは、現在も続いてもいます。(昨今の福島第一原発で生まれた処理水の海洋放出処分方法決定により、様々議論される様は、まさに典型的な出来事です)

「幸せに生きている」の定義は、人それぞれと思いますが、少なくとも生きていること自体の存在意義が揺らぐことは、幸せの定義にはなりえませんし、そうしたことが起きることはあってはならないと私は強く思います。

今、これまでの人生を振り返りつつも、ここで経験したことが多くの方を救うことや、新しい時代が豊かに暮らせることに使われて欲しいと願っています。昨今のコロナ過の情勢を見ると、本当にこの10年はなんだったのか?と自分に問いが生まれました。

この状況だからこそ福島の歩みを知ってもらうことで、社会や周りに人生を任せるのではなく、自分の人生のために自分自身ができることを模索する一歩を踏み出せはしないでしょうか。そのためにも、福島の10年の歩みを学びとしてまとめ、応用できる教材を作る意義があると考えました。

今、私が住んでいる福島県南相馬市小高区には、意志をもってこの土地を選び、いろんな思いを抱えながら手足を動かし続け、挑戦をしている人たちがたくさんいます。そんな人たちを見ていると感じる豊かさがあります。一人ひとりが考えながら行動し続けた結果、醸し出される豊かさ。誰かに任せ、つくられた環境で受け身で生活するのではなく、自分たちが求めるものを生み出し、常によりよく生きようとする姿は輝かしいです。

生活している人たちの歩み=福島の歩みの中には、これからの社会で活かすことができるヒントが含まれているのではと感じています。



最新の活動報告

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  • 冊子の英訳版の作業を進めています その4

    2021/08/08 20:43

    こちらの活動報告は支援者限定の公開です。

  • クラウドファンディングでご支援を受けて制作している冊子「福島第一原発と地域の未来の先に・・・」の英訳版おおよそ8割ぐらいの出来上がりになりました表紙がさらにカッコよくなりました!日本語から英語に変わるだけで、デザインは大幅に変更になりました日本語版をお持ちの方は、おぉう!随分印象が違うなぁと思って頂けると思います改めて、とても意義のあることをさせて頂けていると感じました日本国内のみならず、海外の皆さんの福島県へのイメージは誤ったものも多いはず、大げさでなく国益をも損なうことにもなっているそういった意味では事実の歴史の積み上げがあって、そして誰にとっても豊かさな未来を考えていくことを問いかける本冊子は、そんな大げさな事にも一役かえるのではと思いますとある出版社の方に、この冊子の出版を相談したことがありますその際、こうした内容は普通政府とかが創るものだよね。。。と言われたのですが、今になるとそうしたレベルに届くかも知れない内容を皆さんと作らせて頂けているだなぁと思うと、何だかとても嬉しいですここからは「拘り」期間になっていきますチェックと微細な修正ですお届けは7月になると思いますが、ここから慎重に慎重を重ねて作りあげていきます以下、参考までに作成済みのページの抜粋になります。ワクワクしながらお待ち頂けたらと思います。 もっと見る

  • 今年も、福島県観光物産交流協会が福島県と共に推進している「ホープツーリズム」の教育旅行において、引き続きヒューマンとして活動をさせて頂きますここでいうヒューマンとは、福島県からの学びを伝える地元の人間ですホープツーリズムの教育旅行がどの様なものか、写真のパンフレットをクリックしてくださると、ダウンロード先に飛びます。ご覧くださいませ。こちらパンフレットから、一部転載しますが↓のような形で取組をしております。皆さまから頂きましたご支援をこうした機会を通じてでも、福島県内外の方へと届けてまいります。 もっと見る

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