計画予定地には、草刈りや作業などでちょこちょこ通っています。
予定地のすぐ斜面下にお住まいのご夫妻とは、このことをきっかけに、今はとても仲良くさせてもらっています。今回のトマトとハックリベリーのリターンも快く協力してくれました。
「ハックルベリーの苗があるから、植えたらいいよ」と苗をもらったり「綺麗に草刈りするね」といつも声をかけてくれます。そして、「計画を止めてくれて本当にありがとう」と、何度も言ってくれます。雨が降ったら、この家は水害に遭っていたことは間違いないからです。老後を安心して暮らしたいのは、誰もが願うことだと思います。
畑の近所のおじいさんも「収穫が楽しみだね」とか「若い人が来て畑(隣の遊休農地のこと)やってくれてよかったね」と言ってくれます。
草刈りは、地権者さんがたまに手伝ってくれます。「やるからいいですよ」と言っても、手伝ってくれます。
もちろん、集落の中ではこの活動を快く思っていない声も聞こえてきます。なぜかは、聞いていないのでわかりませんが、どんなことでもすべての人から受け入れられるということはありません。
わたしは、このご夫妻に顔を見ながら「本当にありがとう」と言われただけで、これまでの苦労が一気に報われました。みんなのがんばりが、誰かのお役に立てたことがうれしくて涙が出て来ました。
計画されていた発電施設は、投資物件として誰かに売られる予定のものでした。
社会的にも立場の弱い人が、平林の暮らしを知らない誰かの利益のために、泣き寝入りしないで済んで本当によかったと思います。
太陽光発電施設の投資物件を買う人たちに言いたいことがあります。
その投資は、だれかの犠牲の上に成り立っていないですか?
どんな立地に建っているものなのか、現地に行って確かめてから投資しましたか?
わたしたち、ひとりひとりの購買行動が社会を作っています。
お金を使うということや、なにかものを選ぶということが、次世代に対して何を残すかということでもあるということを少しでも頭の片隅に入れておいてください。
今日のあなたのその選択が、だれかのお役に立つものであることを願います。
みんながそうなったとき、お金を使うほど幸せが循環する社会が実現できると思います。
追記:現在、太陽光発電の投資物件は、外国の企業や投資家に売られることがほとんどだそうです。そうすると、事前の話し合いによる災害時の補償や事前の約束事は全て反故にされる可能性が高くなります。再生可能エネルギーの裏には、そういう実態があるということを知っておいてください。