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みんなの想い出が詰まった煉瓦造風カフェ「英国館」を守りたい

室蘭で長く愛されてきた煉瓦造風の喫茶店「英国館」。建物の傷みに新型コロナウイルスの影響が追い打ちをかけて閉店の危機にさらされています。ドラマのロケ地として、著名人も訪れたカフェとして市内外に多くファンがいるこの店の存続のためにご支援をお願いいたします。

現在の支援総額

1,030,500

85%

目標金額は1,200,000円

支援者数

124

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2021/04/23に募集を開始し、 124人の支援により 1,030,500円の資金を集め、 2021/06/27に募集を終了しました

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現在の支援総額

1,030,500

85%達成

終了

目標金額1,200,000

支援者数124

このプロジェクトは、2021/04/23に募集を開始し、 124人の支援により 1,030,500円の資金を集め、 2021/06/27に募集を終了しました

室蘭で長く愛されてきた煉瓦造風の喫茶店「英国館」。建物の傷みに新型コロナウイルスの影響が追い打ちをかけて閉店の危機にさらされています。ドラマのロケ地として、著名人も訪れたカフェとして市内外に多くファンがいるこの店の存続のためにご支援をお願いいたします。

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6/25追記

皆様、ご支援ありがとうございます!
支援者コメントのお言葉に、ママさんも「涙が出る…」と感激の様子でした!

道新さんからお借りした、マスターが写っている写真は著作権料の関係で掲示を終了しましたが、代わりにマスターの思い出をママさんに伺いました。

「マスターはいつもニコニコして、静かにコーヒーを落としていました」

「長く東京で働いていたから、最初のころ向こうのやり方でやろうとしてたのよね。店の人は注文されたものを運ぶだけ。お客さんは本を読んだり、商談したり、それぞれで楽しんでいる。
 だから、私がお客さんと話したりしていると、『しゃべるな』って怒って。邪魔してるとでも思ったのかな。でも、話したりするのが楽しみで来てくれる人もいるでしょう?そういうやり方にマスターが慣れるまで、2年くらいかかりました(笑)」

「本当に、真面目な人だからね」

今年は、マスターの3回忌だそうです。きっと、見守っていてくれていると思います。

============

●港町のジャズが似合う喫茶店、英国館

 「カフェ英国館」は昭和51年に建てられた、煉瓦の壁が印象的な建物です。当時はデパートや商業施設が立ち並んでいた、街の中心地に隣接。港も近く、船員のお客さんもたくさんいらっしゃったとか。

 何回も店主が変わりましたが、シックな煉瓦の壁、2階の暖炉、つややかな木造階段、柔らかく灯るシャンデリアなど、建物や内装は建築当時からほとんど変わりません。

1階カウンターと、2階に上がる階段

 近隣の清水ヶ丘高校に通っていた生徒がコーヒーを飲みに来たり、ある時はデートに使ったり、という思い出の場所でもあります。常連のSさんは「40数年前、高校在学中に初めて訪れ、なんと趣のある店かと思いました。10年前に地元に戻り、まだ店があることに感動しました」と語ります。

店の外観

●この建物に呼ばれた…

 ママさんこと渡辺由起子さんが、マスターこと夫の勝利さんとこの店を始めて13年目。もともと室蘭出身のママさんは東京で働いていましたが、勝利さんが「退職後は喫茶店を」と希望し、実家のことも気になっていたため、室蘭に戻ってきました。一時期、知人がこの店の営業をしていたこともあり、店舗探しに難儀していた時に店が空いていることを知って「中も見ないで契約した」と言います。

 ところがママさんたちが入る前、この店は「飲み屋」として営業していたらしく、壁にはベタベタと演歌歌手のポスターやつまみのメニューが貼られ、床のタイルは割れ、テレビが2台も置かれ…

「本当にひどい状況。泣きながら片付け、掃除をした」と、ママさんは振り返ります。

東京で使っていたという重厚感のあるテーブルや、ホテルから譲り受けた椅子など調度品にも気を配り、マスターと二人で、今の落ち着いた店舗を作り上げました。
2階の席からはシャンデリアも間近に見られます

 室蘭は昔ながらの純喫茶が多く、札幌圏からも喫茶店巡りを楽しむ方がいらっしゃる一方で、常連さんが多く、一見さんが踏み入れるには敷居の高い店もあります。そんな中でも英国館は、北海道内の地域情報誌や地元新聞などでも度々紹介されていることもあり、さまざまなお客様が来店し、リピーターとなる市外の方も多くいらっしゃいます。

 ママさんは言いました。

「今思うと、建物が助けを求めて私を呼んだんじゃないかって気がするの」


●ロケにも使われた、愛される店

 英国館は、2010年放送のドラマ「Mother」のロケに使われました。ドラマ中で、子役だった芦田愛菜さんがクリームソーダを飲むシーンが印象的です。当時英国館のメニューにクリームソーダはなかったのですが、ドラマ放送後にロケ地巡りのお客さんが必ず頼むため、定番メニュー入り。登場人物が座った同じ場所に座って、クリームソーダを頼む方が今でも後を絶ちません。

「Mother」は海外でリメイクされ、観光客が自由に行き来していた2019年ごろは韓国からのお客さんもいらっしゃったとか。

 サンフレッチェ広島で活躍した佐藤寿人選手が来店したこともあり、彼のサインやユニフォームも残されています。室蘭で試合や合宿をしたときに訪れたときは、ファンも一緒に訪れ店が満員になるほど。ファンの方が彼の使ったストローまで持ち帰ったとか…。
佐藤寿人選手のサイン入りユニフォーム

●映画「モルエラニの霧の中」も、ここから…

室蘭の美しい風景を舞台に、静かに心揺らす物語を紡いだ、映画「モルエラニの霧の中」(全国各地で上映中)の監督・坪川拓史さんも英国館の常連。監督から英国館への思いを寄せていただきました。

=====「英国館のこと」=====

◆ この文章も、「英国館」のいつもの2階の奥の席で書いている。

かつて遊郭が立ち並んでいた“幕西の坂”の入り口に、この「英国館」は在る。
今では、往時のにぎわいを偲ばせる建物は残っていないけど、坂道を歩きながら道端に目をこらすと、その土地に染み付いた記憶の香りだけは微かに感じられる。

長年暮らした東京から、生まれ故郷の室蘭に移住して早10年。
僕は、何度この「英国館」にお世話になったことだろうか。
新聞などのインタビューを受ける時も、仕事の打ち合わせをする時にも、僕は必ずその場所に「英国館」を指定してきた。

もちろん、原稿や脚本を書く時も、何にも予定がない時にも、僕は「英国館」の2階にいる。
外観と同じく、長い歳月を積み重ねてきたレンガの壁に包まれた店内には、いつも静かにジャズが流れている。

伝説のテレビドラマ「MOTHER(日テレ / 2010)」のロケ場所に使われたのも頷ける、一朝一夕には作り得ない空気感。
雰囲気のある灯りに照らされた窓枠や階段の手すりを眺めているだけで、時が経つのを忘れてしまい、その居心地の良さに何時間も居座ってしまう。

「英国館」は、コーヒーはもちろん、日替わりランチがまた絶品なのです。
3段のお重に、ママさん特製の美味しいオカズが何種類も詰め込まれている。
そこに、「これ試しに作ったのよ」とか言いながら、更に一品追加されることもしばしば。その一品は、“カジカの卵の醤油漬け”だったり、“ミツバのおひたし”だったり、“蕗の煮付け”だったりと旬のものが多く、美味しい上にコストパフォーマンスが良すぎるのです。

◆僕は、2014年から2018年にかけて、室蘭を舞台にした「モルエラニの霧の中」という映画の撮影をしてきた。

季節ごとに行われた撮影は、4年半のべ9回に及んだが、そのロケの期間中だけではなく、ロケ前の準備段階から、「英国館」には大変お世話になった。
スタッフ会議の場所としてはもちろん、ある時には、俳優さんを交えてのリハーサル場所としても使わせて頂いた。
ロケ中のキャストとスタッフは、英国館の並びにある「室蘭プリンスホテル」が定宿だった。

ロケ現場へ向かう前の朝のひとときも、ロケを終えてホテルの部屋へ戻る前にも、スタッフと俳優さんたちの足は、当然のように「英国館」に向かい、美味しいコーヒーで一息ついた。
ママさんの「いってらっしゃ〜い」と「お疲れ様〜」を聞きたくて。

◆ この「モルエラニの霧の中」出演者のお一人、大杉漣さんと「英国館」とのエピソードを紹介します。

2015年5月のある朝、ロケ現場へ向かう前に一人ふらりと「英国館」を訪れた漣さん。
ファンだったママさんがサインをお願いした。
あいにく、店には色紙の用意が無くて画用紙しかなかったが、漣さんは嫌な顔ひとつせずサインをしてくれた。

翌朝、ロケ現場へ向かう直前の漣さんが、再び「英国館」にやって来た。
「新しく書き直してきたよ!」と言いながら、その手には色紙が。
ご自身で購入した色紙に、新たにサインをして落款も押して届けてくれたのである。
「じゃあまた来るね!」と手を振って去って行った漣さん。
大杉漣さんは2018年2月に、遠いところへ出かけてしまったけれども、この時の色紙は、今日も「英国館」の店内を見守っている。
大杉漣さんの色紙====================


●家庭的でおいしいフードメニューやドリンクと、和やかな雰囲気

ランチ、今日はスペアリブ! 佐藤寿人さんや坪川監督も魅了した、ブレンドにこだわったコーヒー。そして家庭的な手料理のランチは、毎日通ってもあきない優しい味。必ず野菜も入ってヘルシーです。
 近くにお勤めでランチに通う女性は「このあたりのお店はほとんど回ってみた上でここに通っています。食事が美味しいことに加えて、紅茶をリーフで入れてくれることが決め手でした」と話します。ランチの飲み物でも選べる紅茶は、6種類のリーフをブレンドし、華やかで甘みを感じる美味しさです。

「夫が亡くなって、家にひとり。もう10年くらいになるかしら。でも、ここに来ると、他の常連さんが気にかけてくれて。美味しいご飯も食べられて、いいですよ」
と話す高齢の女性も、常連さんです。

 カウンターでは常連さんが和やかに会話し、2階では主婦や会社員、若者のグループがランチを味わい、のんびり雰囲気を楽しんでいます。
2階は暖炉もあり、とても落ち着きます

 この居心地のいい空間は、貴重なコミュニティの場でもあるのです。


●存続の危機…建物の老朽化

 そんな穏やかなこの店を、存続の危機が次々と襲います。

 まずは2年前、マスターが亡くなったこと。マスターがドリンクを、ママさんが料理やスイーツを担当して支えあってきたのですが…。マスターは、若いころからのコーヒー好きが高じて喫茶店を始めただけあって「コーヒーを入れるのがとても上手だった」とママさんは振り返ります。お話を伺った時に居合わせた常連さんも「カウンターに立つマスターは、雰囲気があったね」と懐かしんでいました。

2015年に北海道新聞室蘭版に掲載された写真に、コーヒーを入れるマスターの在りし日の姿があります。(写真を掲載していましたが、著作権料の関係で削除しました。お店に写真がありますので、ぜひマスターとの思い出がある方は、ご来店ください)

 それでも、ママさんは一人で店に立ち、常連さんやドラマロケ地巡りの観光客、昔ながらの喫茶店の雰囲気を求めるお客さんを迎え続けました。
ママさんと常連さんたち

 一人になってからは、常連さんがママさんを気遣い、食器を下げたり片付けたり、買い物に行く間に店番をしたり…何とかやっていける、と思ったのもつかの間。

 新型コロナウイルス感染症が広まり、特に仕事や観光で室蘭に訪れる方がほとんどいなくなりました。売上は一時、半分くらいにまで落ち込みました。

 さらに、建物の老朽化が進み、港町特有の強い海風や、雨漏り、すが漏りで傷みが激しくなっています。朝、店に入ると、床が一面水浸しだったことも。よく見ると、壁の間から外が見える個所も。 特に、今使っていない室外機が置かれている入り口の天井はゆがみ、見積もりを出してくれた工務店の方に「これだけは、本当にすぐ撤去しないと」と言われています。

 また、一人でも店を続けるために、老朽化した流し台などの厨房設備を更新し使いやすく再配置することも必要になりました。しかし、新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う出控えで、来店客は減少、売上は低迷し、直す資金がありません。店を開けるほど赤字、という日が続きました。

 ママさんはお店をたたむことも考えました。

●みんなの「想い出の場所」を守りたい

 しかし、常連さんを中心に、お客さんから
「たくさんの人の想い出が詰まっている店、できる限り続けてほしい」
「この店がなくなったらショックを受ける人が市内外にたくさんいるはず。助けを求めてみては」
「今はクラウドファンディングという仕組みで資金を集めることができるらしい」
と声が上がり、ママさんが、時々来店していたクラウドファンディング経験者に相談。一縷の望みをかけ、英国館ファンクラブを結成し、このプロジェクトを立ち上げました。

 高齢の常連さんたちにはネット環境がありませんが、写真を撮ったり、改修の見積もりを取ったり、この店の魅力や思い出をたくさん語っていただきました。プロジェクト中は周りの知人への声掛けも頑張り、これからもママさんを支えて店を守るためにできる限りのことをやっていくつもりです。

 申し遅れましたが、その常連さんたちとともに英国館ファンクラブを結成し、クラウドファンディングをすすめているのは、「室蘭を歴史と文化薫るまちに」と活動する(一社)むろらん100年建造物保存活用会のメンバーです。この社団法人は室蘭市海岸町の築100年を超える「旧三菱合資会社室蘭出張所」建屋を解体から守るために購入して保存。建屋は2019年5月に室蘭・空知・小樽の3地区をつなぐ日本遺産「炭鉄港」の構成文化財となりました。また、2019年10月、旧絵鞆小円形校舎を2棟とも保存するため活動においてた団体と連携して資金を募り、目標額1000万円を達成して結果的に校舎保存につなげています。

 英国館の存在は以前から、歴史と文化を愛する市民にとっても大きなよりどころです。多くの人に、この居心地のいい、初めてでも懐かしく感じる空間を知って体験してもらい、この店のファンが増えれば、そして室蘭に訪れてくれる方、いつか訪れたいと思ってくれる方が少しでも増えればうれしく思います。

 今回このプロジェクトは、英国館ファンクラブが行いますが、いただいたご支援はすべて英国館の収入とし、プロジェクトの経費と、緊急の修繕費に充てます。緊急修繕費としては、2社に見積もりを依頼し、合計575,300円が必要と言われています。

内訳
・エアコン室外機撤去工事 75,000円(入り口天井歪みの原因である室外機の撤去)
・店舗入り口改修工事 42,000円(入り口天井の改修)
・煙突取り換え工事 157,800円(雨漏り対応)
・窓回りコーキング工事 34,000円(雨漏り対応)
・流し台取り換え工事 194,000円(導線改善、設備更新)
・諸経費 21,000円
・値引き -800円
・消費税 52,300円

それ以外に、返礼品の経費45万円、クラウドファンディング手数料15万円が最低限必要と考え、目標を120万円といたしました。

もし目標以上に集まったときには、さらなる修繕や英国館の運営費とさせていただきます。

また、目標額に届かない場合でも、集まった資金の額に応じて緊急度の高い修繕を行い、できる限り店の存続につなげていきたいと思います。

リターンのご紹介

金額に応じて、お礼のメッセージや英国館のオリジナル商品などをご提供いたします。

・ご支援お礼&事業報告
・英国館ポストカード
・英国館オリジナルブレンドコーヒー豆(粉)
・英国館オリジナルドレッシング
・コーヒーチケット(11枚つづり)引換券

詳しくはリターンそれぞれに記載していますので、そちらをご覧ください。

最後に

 新型コロナウイルスの影響で、すべての飲食店や関連業界、たくさんの方が困っていることも承知の上で、お願いいたします。

 この店に関心をお寄せいただいた皆様、レトロな喫茶店を愛する全国の皆様、この店にご来店いただいたことのある皆様、室蘭を愛する皆様、ぜひたくさんの想い出が詰まったこの店の継続のために、ご支援をいただければ幸いです。

カフェ英国館は、みなさまのお越しをお待ちしています。
室蘭にいらっしゃったときには、ぜひお立ち寄りください。

【カフェ英国館】
営業時間 8:30~20:00
定休日 日曜日

<All-in方式の場合>

本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

最新の活動報告

もっと見る
  • 英国館入口工事完了のお知らせ

    2021/10/02 10:51

    こちらの活動報告は支援者限定の公開です。

  • 近況報告

    2021/08/05 15:58

    こちらの活動報告は支援者限定の公開です。

  • お礼が遅くなって申し訳ありません。北海道室蘭市のレトロ喫茶店・カフェ英国館のクラウドファンディングは、目標額には少し及びませんでしたが、124名もの方から100万円以上のご支援をいただくことができました。ご支援にも感動いたしましたが、多くの応援コメントにも感動しています。皆様、本当にありがとうございます!プロジェクト終了後、担当は本業がバタバタしていてまだ英国館に行けていないのですが、明日にでも行けたらいいな…と思っています。ママさんから電話をもらって、お店に直接支援をお寄せいただいた分を含めると目標額は超えた、とのことでした。今後の返礼品発送についてなども含め、支援者の方には後日詳しくお知らせいたします!本当にありがとうございました。英国館は、月曜から土曜、8時半から20時ごろまで営業しています。ぜひお立ち寄りくださいませ。皆様のお越しをお待ちしています。 もっと見る

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