▲ちょっと一息で屋根に座る茅葺職人の金子さん(91歳)。約250年残る佐藤家の屋根を先人から引き継ぎ、今日まで守り続けてきました。
プロジェクトスタートから一週間が経過しました。残り48日。まだ目標達成まで先は長いですが、今年の茅葺工事は終わりが見えてきました。支援金は今年の工事、翌年以降の工事に使わせて頂きます。
今回は葺替工事に来てくださった茅葺職人の大崎さんより頂いたメッセージをご紹介します。
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「おはようございます」
「今日はどんげらね」
まず佐藤家の囲炉裏で燻されてお茶を飲み、作戦会議をして1日がスタートします。
屋根にあがれば大先輩の金子さんの指導のもと茅との格闘です。
野積の最後の茅葺き職人の技術をとにかく我が物にしたい!鼻息荒い若手の我々の思いに金子さんは親切丁寧に答えてくださいます。
茅を並べる、茅を叩く、縄を結ぶ。
一つ一つの動作に無駄が無く何より所作が美しい。惚れ惚れもしてられず必死で自分の手を動かしていればあっという間に1日が終わります。
気がつけば梅も桜も屋根葺きの合間に過ぎて行きました。
佐藤家の茅葺き屋根は金子さんの描いた線で出来ています。
名のある画家や彫刻家の作品のそれのように茅葺き屋根の稜線や軒の曲線はすべて職人のメケンです。設計図や図面などありません。
「よし!いいな!」
屋根を叩き揃える私に頰かむりした金子さんがニッコリし片手で丸を作ります。
金子さんと自分の感覚がシンクロ出来ているのか。この作業を何度も繰り返して初めて佐藤家の屋根、金子さんの技術を継承出来るのだと思います。
初めて顔を合わせる世代の違う職人達が一つの屋根を一生懸命に作っています。完成まであと少し、出来上がった屋根を見上げる日が待ち遠しいです。
大﨑悠
茅葺いけがみ代表 茅葺き歴16年 見附市在住
https://kaya-ikegami.com/
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佐藤家の屋根を守り続けてきたベテラン職人の金子さんと、その技を学ぶ若手職人との出会いは、見守っている私たちも心が温まります。ぜひ金子さんの技を未来に受け継いでいってほしいと思っています。
引き続き、応援のほどよろしくお願いいたします。