はじめまして。松岡智子さんの暮らすシェアハウスにて生活を共にする女(30)です。
アーティストと同居するって、毎日が刺激的。今回はあなたの知らない松岡智子(一部)を、私が勝手に暴きます。それから、大事なことは最初に言っておきます。松岡智子を眺めていると、いいことがきっとありますよ。
妖怪智子爆誕
私が智子とシェアハウスに暮らしてもうすぐ1年。当初は、去り行く智子と入れ替わりで私が入居するというお話でした。
ところが実際に住み始めてみると、智子もなぜか別の部屋にまだいる。
最初は座敷童かなにかなのかな? と思いました。(念のため説明すると、お仕事の関係で別部屋を契約されていました。妖怪ではありませんでした。)
元から智子とは友達でしたが、あるとき突然「絵を描くようになった」と言い出し、あれよという間にライブペイントや個展などをやるようになって。
すごいスピードで活躍の場を広げる彼女を目の当たりにしていたので、その当時はこの人はなんとまあ高エネルギー体なのだろうか、と思っていました。
アートが生まれる家で暮らす
私は入居時、文字通り智子の絵に囲まれて暮らしていました。というのも彼女は自室をアトリエにしていたうえ、壁にも作品を描いていたんです。
その後そのまま私が入居したので、私はしばらく彼女の描いた太陽を眺めながら起床する生活を送っていました。
絵具がついた床も、なにかが描かれたふすまも、入居時こそ驚きましたがすぐに慣れました。来客があると必ず「見たい!」とせがまれるので部屋をきれいに保つモチベーションにもなりましたし、とてもお気に入りでした。
現在そこは再び智子の部屋兼アトリエとなり、また違った様相を呈しているため、もうあの太陽を見ることは叶いません。
ですがいつか自分の家を持つことがあれば、私は智子にひと壁……いえひと部屋まるごと、ペイントしてもらいたいなと思っています。
それくらい、智子の絵と暮らす日々を気に入っておりました。
現在進行形で智子とは同居生活が続いており、我が家は言うなれば「松岡智子」の最新作を日々見ることができる環境です。それは同時に、何か青くキラキラしたものが家じゅうに落ちていたり、洗面所に絵の具のあとが残っていたり、ネコの顔が黒くなっていたりする日々でもあります。おなかが痛くなるくらい笑える、楽しい毎日です。