白雪牧場プロジェクトの応援ありがとうございます。
プロジェクトオーナーの坂口 創作です。
本日の立山は晴れ。ここのところ毎日、炎天下が続いています。猛暑の中で作業となることも多く、一年の中でも踏ん張りどころの今日このごろであります。
活動報告が前回からすこし経ちましたが、今回の牧場プロジェクトの一つの目玉であるピザ小屋づくりが進んでいます。
今回のピザ小屋づくりの現場を中心になって進めてくれたのは、立山・岩峅寺で親子二代に渡って大工を営む山本建築さん。4年前に薪風呂改修ではじめてお世話になって以来、山本さんは、我が家のかかりつけ大工さんとして、洋間改装、トイレ増築と毎年のようにお世話になっています。また、山本さんの手による空間は民泊に滞在したり我が家を訪ねて来るゲストのみなさんにも喜ばれています。
ところで、4年前に薪風呂の改修から始まった大工さんとの現場ですが、材料調達、解体、現場の片付け、塗装など、自身で出来ることはこれまでもできるだけ現場に入って一緒にやってきました。ただし、大工工事は全く触ることはなかったのですが、今回のピザ石窯の東屋作りでは、はじめて山本さんから「よろしくね」と手元としてご指名。見習いのような形で参加させて頂くことになりました。
工事は何よりも基礎づくりです。最初にピザ小屋となる場所に、建物を立てる場所の土を削り、石をしきました。また、当初の予定には無かったのですが、クラウドファンディングで目標以上のご支援が集まったことや、今後の使い勝手も考えて、しっかりとしたコンクリート基礎としました。山本さんの仕事仲間である土建屋・野村組さんの指揮の下、レッカーも動員した大掛かりな基礎工事を行いました。
コンクリート基礎が出来上がると、山本さんと二人でブロックを積んで土台づくり。モルタルとコンクリートを手で練っては、ブロックの間に詰めて行く作業を行いました。
さらに、ブロック基礎ができると、大工さんの作業所で予め刻んでいた柱も持って来て、組立作業がはじまりました。山本さんの指示にしたがって、材料を運んだり、柱を立てたりの作業を行うこと二日。無事、石窯を置く東屋が完成しました。
完成した東屋ですが、前回の活動報告で紹介した上田工務店さんから提供頂いた木材が使われています。とりわけ柱には、工芸品のような床柱が贅沢に使用されており、小さいながらも立派な存在感を放っています。今後、東屋はコンテナと並ぶ牧場のランドマークとなるでしょう。
ところで、小さい東屋ではありますが、今回は基礎作りからはじまり、柱を立てて屋根をつけるまで、一連の建物づくりを大工さんの傍らで学ばせて頂きました。とりわけ、今回は軸組による伝統的な在来工法による建て方でした。樹種やサイズの異なる木材を、お互いが組合わさるように刻んで、一つの建物にまとめていく過程は、息をのむような見事なものでした。こうした技術を受け継ぐ大工さんが身近にいることは、本当にありがたいことです。
一方、山本さん曰く、最近は大工さん含めて職人さんのなり手がなかなかいない状況だそうです。また、プレカットによる工法が主流になる中、山本建築さんのような在来軸組工法を使いこなす大工さんは少なくなっているとのこと。素晴らしい技術ですが、大工さん自体のなり手が細り、工場加工による建築が進む今の世の流れが続くと、将来、伝統工法の担い手を地域で探すことは難しくなるかもしれません。今回お世話になった山本さんも、弟子となる人材がおらず、探しているとのこと。地域で技術を継ぐ方が現れたらとの思いで、「将来の棟梁はどこに?」と微力ながら私もアンテナをはっている所です。「我こそは」の志願だけでなく、「いい人がいます」との紹介もお待ちしております。
牧場づくりの話題に戻りますが、ピザ小屋に続き、今後は石窯づくり、アウトドアキッチンとなる東屋、トイレと今後も工事が進んで行きます。また、秋の完成後に予定しているイベント準備も並行して進んでいます。その様子もまたの活動報告でご紹介できたらと思います。