こんにちは!デザイン担当の小林未央です。
今回、編集の山縣さんからお声がけいただき、ご縁があって制作チームに参加することになりました。長瀬さん、momoさん、マイさんが最初に作られた「子どもの権利と新型コロナ」の本が持つあたたかさや、大切な想いの部分を大切に踏襲しながら、今度は「きかせて あなたのきもち」の本として、子どもたちがわかりやすく、親しみやすいデザインにするにはどうしたらいいか、みなさんとたくさん相談しながら作業をしています。
作業を進めながらつくづく思うのは、小学生の頃の私にこの本を読ませてあげたかったということです。
子どもの頃の私は、引っ越しと転校が多く、新しい環境や学校に馴染むのにも時間がかかり、いつも不安の中に居た記憶があります。でも、不安や不満は我慢するのが当たり前だと思っていたのと、教室や友達に馴染めないことについて親に心配をかけたくなかったので、誰にも相談もできず、学校ではよく一人で図書室で過ごしていました。(なぜかというと、どこの学校も図書室は雰囲気が同じで、唯一気分が落ち着く教室だったからです。)
あの時の私が、もし、図書室でこの本に出会っていたら、momoさんのあたたかくて人なつこい絵と、長瀬さんのやさしい言葉に触れていたらどうだったかな。少なくとも大人になった今、当時を思い出して、胸が痛むようなことはなかったんじゃないかな。なんて、思ったりしながら、デザインをしています。
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そんな私も、今では11歳の息子がいる親になりました。幸い息子は、落ち着いた環境でお友達にも恵まれた小学校生活を送っていますが、それでもやはり、コロナ禍での閉塞感や不自由を強いられた生活はかわいそうだなあと思います。もしかすると、息子も私のように「がまんが当たり前」と思い、気持ちを押し込めていたり、親や先生などには距離が近すぎて相談できないことを、抱え込んでいるかもしれません。
そんな時には、どこかでこの「きかせて あなたのきもち」の本に出会ってくれたらいいなあと思います。ページを開くたびに、自分と向き合うことができ、気持ちがほぐれたり安心できたり、自分から答えをみつけたり、何か次の一歩を踏み出せるきっかけがある。この本はそんな本だからです。
大人の私ができることとして、本を通じてより多くの子どもたちの気持ちに寄り添うことができたら、「子どもの権利」について知るきっかけを作って少しでも何かの手助けができたらと、切に願っています。この本が一人でも多くの子どもたちに届くように、その機会や場所を増やすためにも、大人のみなさまのご理解、ご支援とご協力をよろしくお願いいたします!