おはようございます!
Any%CAFE実行委員会です。
インタビュー企画第4弾は、今給黎 辰郎 さんです。
「NPOの伴走支援者」としてご活躍され、今後NPOのファンドレイジング業界を素晴らしい世界観で引っ張っていくであろう今給黎さんに、お話を伺いました。
これまでの活動の経歴について、簡単にお聞きできればと思います。
経歴としては、2000年に新卒でIBMに入りシステムエンジニアと人事として10年間働き、2010年にNPO法人フローレンスへ転職、5年間働きました。
フローレンスでは、2011年の東日本大震災後、被災地支援事業をしていました。
当時福島では放射能の影響で子どもたちが遊べない状況があり、未就学児の成長に遊びは重要であるために問題となっていました。そこで室内の公園を創ろうとプロジェクトが立ち上がり、マネージャーとして郡山市と南相馬市の2つに屋内公園を創りました。
お二人は育て上げネットの工藤さんからの繋がりですが、今給黎さんはどのように知り合われましたか。
南相馬で働いていた時、育て上げネットさんがマイクロソフトと連携をして、地域の人たちにパソコンのスキルを得てもらってデータの打ち込みなどの仕事をリモートでできるようになったらいいんじゃないかと東北地方を回っていらしたんです。
そこで、パソコンを教えるための場所が必要じゃないですか。当時創っていた屋内公園の2階を貸して欲しいと話があり、そこから育て上げネットの工藤さんとは知り合いました。
現在の活動について
そこからフローレンスを2015年に辞め、日本ファンドレイジング協会に入り2年間働き、個人事業主でファンドレイザー・伴走支援を行っています。
加藤)私も成年後見の分野でNPO理事をやっており、成年後見の分野でファンドレイジングに非常に興味があります。
障害児の保護者支援をしているNPO法人があるのですが、そこの伴走支援をしています。司法書士さんの集まりや成年後見の勉強会もよくされていて、なるほどという感じはします。
加藤)成年後見が一番やりたくて裁判所を出たのですが、誰も聞いてくれなくて頑張ってねという感じでした。一方障害者eスポーツは皆話を聞いてくれ、盛り上がってきました。まずはそっちからと思っています。
それは大事な観点かなと思っています。
先日、元スーパーバイクレーサーの青木琢磨さんのイベントに出ました。青木さんは、1998年に練習中の事故で下半身不随になってしまいましたが、イベントではそこからリハビリを経て、ダカール・ラリーやル・マン24時間レースなどの4輪レーサーとしての活躍など、様々な挑戦の話を聞かせてもらいました。
障害者の方が普通に健常者と暮らすというのが、日本は諸外国に比べガラパゴス化しています。それは今も変わらないのですが、青木さんはプロレーサーという突き抜けた能力でもろともせず活動されています。青木さんだからこそできること、と言う方もいると思うのですが、突き抜けた能力がなくても健常者と共に普通に暮らせる、という考え方は大切だと思っています。
ゲームの世界だと、障害者と名乗らなくても健常者と同様に普通に遊べますよね。
それは、これから大事な接点なのかなと考えていて。
ファンドレイジングのことをよく考えていますが、寄付をする敷居を下げることが大事なんですね。
敷居を下げる中で、エンタメ性は凄く大事です。エンタメ性を持って最初の寄付をしてもらうこと。ただそれって、社会的にいいことをする活動と相反する部分があったりするんですよね。悪ふざけだとか。
ゲームのイメージもまだまだ暗い面がありますよね。ゲームオタク、引きこもりの人がやっているもんでしょ、といったところがあったり。一部のフリースクールだと、子どもたちがゲームをして過ごす時間が長かったりするんですね。それに対していろんな思いを持っている人がいる。解釈が別れてきた中で、eスポーツという枠ができたことで、それはいい世界というか、暗い世界から普通の世界に語られるようになってきて、それは凄くいい流れなんだろうなと思っていたんですよね。
そこで僕自身にできることはないかなと思い、昨年から家族を巻き込んでPUBGをやっています。
加藤)素晴らしい。
素晴らしいって言われることないんですよね。
子供にゲーム?親として馬鹿なの?と言われたりすることも多く。PUBGネタでnoteを上げたことがあるんですけど、全然見られてなくて。
ちゃんとゲームの世界にのめり込んで見てみると、気絶状態を皆で助ける姿などゲームの世界でも繋がりを感じる部分は結構多いんです。
千葉県松戸市に住んでいるのですが、ある地域新聞で松戸の駅前にeスポーツの会場が新設されたことを知りました。こんなものがあるんだ、とeスポーツの世界が近くまで来ているんだと思いました。会場を持つ意味が、そこまで分からなかったんですよね。家でやればいいじゃんと。でも、会場って、ただ集まるだけでもいいんですけど、いろいろな設備が必要であることは感じています。今回のクラウドファンディングのスケジュールを見て、イベント用のゲーム配信が出来る設備が集まっていたりだとか、家ではできない規模感が凄く大事で。人が集まって、話をしたり、大画面で見てやったりできることが良いなと思っています。普通にゲームしたい方と障害者の方が同じ場に集まってやれるのは多様な人が混ざり合ってできる、というのは凄い場だなと思っています。
Any%cafeは車椅子を乗っている人がそこに行こうか、という動機になる。そして、人が集まってくると、一緒に練習しよう!とか一緒に大会にでよう!となるわけじゃないですか。こうした活動のモチベーションって、人を結びつける力になる、結束感が生まれると思います。誰かと結束して何か目的を達成しようと思うのって、現実世界でもあまり無いと思うんですよね。
ゲームって言えども、大会に勝って勝利するのって練習しないといけないし簡単なことではないですよね。アメリカではeスポーツの大学院があったり、世界大会があったり、切磋琢磨している世界です。そこへ食い込んでいくには大変という世界観が出来つつあります。
(後半に続く)