支援者インタビュー #4 後半です。
引きこもりの中、ゲーム実況で世に出てきた方
岡山で、マラさんこと小笠原 修さんという牡蠣を賞金にした大会をやっている方がいらっしゃいます。実家が牡蠣の養殖をしている家で、作業のない閑散期にゲーム実況にはまり、その結果世界に注目されるようになった方です。
ゲーム実況って難しいじゃないですか。普通の人できないんですよ。
それを自分の部屋でゲーム実況へハマりできることに気づいた、って凄いなって思って。そんなことあるんだなと。ゲームを通して自分の良さに気づけて、世の中に出てきたんですよね。
加藤)ゲーム実況は本当に難しいです。ゲームをプレイしながら同時に場面を面白く解説って普通なかなかできないです。
ストリーマーと呼ばれる人たちにあたりますね。私もチャレンジしたんですけど、難しくて。同時にできる人が本当にいるんだと思いました。
YouTubeでゲーム実況で大きく稼いでいる人もいます。障害の有無全然関係がなく、適性があるかどうかです。新しい人が世に出てきていいですよね、面白いです。
モデレーターの人がいたり、環境を整える人がいたり役割は沢山あるので。キャラクターに合った役割をしたらいいだろうし様々な人が活躍できる可能性があると思います。
視線誘導デバイスの登場。工夫次第で誰もが楽しめる世界
加藤)仕掛けとしては、先程の話で言えば障害者の人が集まる仕組みです。
スイッチのテクノツールさんが眼球移動だけで操作できる、中間的なデバイスを開発されています。
しかし、それを常設できる体験のスペースがないんです。体験しないと自分ができるとは分からないです。モンスターハンターできるかどうかターゲットが確認する場が必要で、品川という場所でまず一つ創り、広げていくことを考えています。
モンスターハンターできたらいいですね。
加藤)できるんです。
脳性麻痺の方で、昔はファミコンのマリオすらできず弟がプレイするのを見ることしかできなかった方が、視線誘導だけで操作できるデバイスによりモンハンも楽しんでいると話を聞きました。それを知った時、凄まじいなと。そういった方との交流会もできたらと思っています。
視線誘導縛りでやればその人が多分一番強いんですよね。ルールを工夫することでその人は圧倒的に強い、そんな世界観もできるのではと思います。
ただ、縛らず健常者の世界観でも強い、となればそれはそれでより面白いんじゃないかと。ルールを工夫するだけで楽しみ方が大きく広がると思っています。
フリースクールでも、生徒達が自分で工夫しリモートカードバトルをしている
福島の会津若松にあるフリースクールのお話をお伺いしたことがあるのですが、生徒の方達がZoomで千葉の別のフリースクールの子どもたちとカードゲームしているんです。
カードバトルって難しいんですよね。1カメじゃダメで、3カメくらい必要なんです。その生徒さんたちは設備に詳しく、それを活かして就職したいなとかもお話されていて。工夫次第で輝けることを感じました。
加藤)カードバトルって言ってもオンライン上でやるのではなく、100均で設備を買って工夫して、上からスマホカメラで撮ってやっているんですよね。
その工夫って凄く大事で面白くて。小学生でもカードバトルを遠隔地で楽しむって凄いチャレンジだと思います。それにこういった工夫はいろんなところに応用がききますよね。年齢とかに関わらず工夫だけでできる、凄い世界だなと思っています。
Any%CAFE、ePARA、今後の加藤さんの活躍へ期待していることはありますか?
一般の人、eスポーツにまだ関わりが無かった人は対岸におり、偏見があると思います。
障害者の人や引きこもっている人など、様々な人たちへ、eスポーツは社会の構成員として参加する入り口になり得ることを正しく伝え、世の中の人からああそうだね、と分かってもらえる第一人者として活動してもらえたらと思います。
まだまだとっかかり、フックとなるところだと思います。それこそただの一部企業の広告塔なんじゃないの、と言われることもあると思うんです。
障害者の自律や就業だけでなく、NPOのファンドレイジングにも役立つかもしれない、いろんな業界をつなげる、行政のつながりもできるかもしれません。
行政、NPO、3つのセクターも横断することってなかなか無いと思うのですが、それを繋げられるような一つの取り組みだと思います。
様々なセクターをつなぐ楽しい場づくりに、邁進してほしいと思います。
最後に、一言応援のメッセージをいただけますと幸いです!
活動を広げていってほしいです。
同様の場を日本各地に創っていただけると、インパクトが出ると思っています。
恐らくあると思いますが、eスポーツを各地でやろうとしている人たちの全体感があまり分かっていません。例えば北海道で、福岡で、どんなのがあるの、と。
横のつながり感があると、よりインパクトが出ると思うんです。
ただ話し合うだけではなく、広げていくリアルなアクションをやっていってほしいと思います。
今給黎さん、誠にありがとうございました!
今給黎 辰郎 さん
「NPOの伴走支援者」
https://www.tatsuoimakyurei.net/