読書 の付いた活動報告
5月30日をもって、私たち特定非営利活動法人ラオスのこどものクラウドファンディング「ラオスの学校に図書室を!」が終了しましたので、ご報告いたします。今回、目標金額の60万円を大きく上回る、合計804,000円ものご寄付をいただきました。ご寄付をいただいた方の人数は53人にもおよび、日本各地のたくさんの方から応援いただいたこと、心から感謝しております。おかげさまで、計画していた2つの学校に図書室を開設出来ることになり、加えてそれぞれの図書室により多くの図書を寄贈できることとなりました。9月の新学期に向けて図書の準備をすすめ、現地と調整しつつ年内の開設をめざします。進捗は、随時ご報告してまいりますので、引き続き、活動を見守っていただけると幸いです。これまで活動報告でご紹介したように、図書室での本との出会いが、文字に出会ったり、将来の夢を持ったり、学ぶ場を得たりと、子どもたちの未来を少しずつひらいています。時間のかかる活動ですが、子どもの「生きる力を伸ばす」ために、引き続き全力で取り組んでいきたいと思います。この度、ご支援をいただいた皆さまには、重ねてお礼を申しあげます。本当にありがとうございました。特定非営利活動法人ラオスのこども代表 チャンタソン インタヴォン
たくさんの皆さんに、この活動を応援いただき本当に嬉しく思っています。今日は、現地ラオス事務所に併設している図書室の様子を紹介します。事務所併設図書室の日常風景今はコロナウイルスのため、事務所付近はロックダウンとなっていることから、図書室も閉じていますが、通常だと、近所の中学生たちがよく利用しに来ています。ラオスの学校は昼休みが2時間ほどあり(昼ご飯を食べに家に帰ることもあります)、その時間を利用して、図書室にやってくる子も多いのです。常連の中学2年生の女子6人。いつもケラケラと笑い声が絶えず、賑やかにしているのですが、ある日、静かにスタッフのチャンシーの周りに集まっていました。1人が小さな声で尋ねます「チャンシーお姉さん、どうしたら赤ちゃんが出来るの?」チャンシーは優しく問いかけます「あなたはどう思っているの?」女の子「よくわからないけど、男の人の横に寝ていると妊娠するんじゃない?」そこで、チャンシーは、本棚からいくつかの本を取ってきました。そして、女性や男性の身体の仕組を描いている大きな本を開いて、説明をはじめました。女の子たちはいつになく真剣に話を聞いていました。そして、質問が出てくると、チャンシーがひとつひとつ丁寧に答えていました。学校ではこういうことを学ぶ機会はないのか尋ねてみると、「やるけど、ほんの少しだけ。男女一緒の教室で、先生が話し出すと、みんながきゃあきゃあ騒ぎ出すから、先生も直ぐに話をやめちゃうの。親にはやっぱり恥ずかしくて聞きにくい。だからここで聞いたの」詳しい人体図の他にも、ラオス語で描かれた避妊に関する小冊子など、図書室にあるいくつかの本をチャンシーが教えてあげると、早速女の子たちは借りて帰りました。図書室では子どもたちのリクエストで、折紙や工作をする日もあります図書室が子どもたちの「知りたい」を支える場となることを願い、私たちは活動をしています。その為には、図書室に多くの蔵書と運営する人が欠かせません。今回、図書室開設の目標額は達成しましたが、ここからの支援金は図書をより増やすことに繫がります。1冊でも多くの本を届けられるように、ラオスの子どもたちの「知りたい」を一緒に支えていただけると幸いです。
5月21日(木)19時~、この取り組みをもっと良く知っていただくための特別企画として、オンラインイベントを開催し、16人の方にご参加いただきました。ラオス現地から、代表のチャンタソンと駐在員の渡邉が参加し、まずは、図書室をどのように開設するのか、その手順を写真で具体的に説明。さらに図書室ができたことで、子ども達が本を食い入るよう読む姿やその成長を見る喜びなどの話をしました。また、現在コロナ禍でロックダウンとなっているラオスの様子についても紹介しました。その後、参加の皆さまからの質問にお答えしました。一部ご紹介します。「開設時に提供する本はどのような本で、何冊くらいですか?」→平均すると400~450冊ですが、小学校で児童数が少ないところと、中学高校の生徒数の多いところでは、冊数や内容を変えています。小学校はラオス語の本で、人気のある昔話の本が中心となり、日本からご支援いただくラオス語の翻訳を貼り付けた絵本なども入れています。中学高校レベルでは、より学習に役立つ辞書や参考書、図鑑など、副教材や実用書を充実させるようにしています。ラオス語では出版されていないものも多いので、副教材は一部タイ語の本購入することもあります。タイ語の本は全体の1割ぐらいです。「首都にも本屋さんが少ないと説明がありますが、本はどこで調達するのですか?」→図書を出版している出版社や印刷所などを複数まわって、直接購入しています。ラオス語で出版されていない実用書は、最近はインターネットを使ってタイ語の本を探して注文しています。私たちは出版社からまとめて調達しますが、大きな書店がないので、 一般の人たちは市場などで教科書やいくつか本を買うことが出来るだけです。そしてこれは首都ヴィエンチャンのみで、他の地方では自分で本を入手するのは難しい状況です。「子どもは本を読めるほど文字や単語を理解しているのでしょうか?読めない場合は現地スタッフがお手伝いするのでしょうか?」→学校に通い始めた子どもは文字を学習するので、読むことは出来ます。文字が読めない小さな子には年長の子が読んであげる姿を見かけます。また、小学校では、先生たちに読み聞かせをしてもらうようにします。未経験の先生も多いので、まずは、現地スタッフが先生達に読み聞かせのやり方や、どのように子ども達に興味を持ってもらうかなどを伝えるようにしています。「ラオスでもスマートホンが普及しているとききますが、子ども達は本をどのようにとらえているのでしょうか、本の役割の変化などがありますか」→スマートホンはラオスもかなり普及してきており、ヴィエンチャン事務所併設の図書室でも、本を読まずにスマートホンばかりみている中高生たちが増えています。そのような中で、読書推進を実施していく難しさも日々感じています。ただ、学校現場で、書棚に駆けよる子どもたちや、食い入るように本を読んでいる子どもの姿を見ると、本には本の良さがあると実感します。また、図書とスマホが相反するものではなく、情報を得るツールとして、インターネットや図書室を併用してうまく使っていくことができるようにすることが大事ではないかと思っています。今、学校図書室を、本を読んだり借りたりするだけでなく、本を使って様々な情報を得ることできる場とするための取り組みもおこなっています。その意味では、この情報化社会で、可能性が広がったと考えることもできるのではないかと思います。オンラインイベントにご参加いただいた皆さま、ありがとございました。このプロジェクトもあと1週間をきりました。1冊でも多くの本を届けることが出来るように、終了日まで、応援していただけると幸いです。
本日、目標としていた60万円を達成することが出来ました!たくさんの皆様のご協力により、終了日を前に、目標を達成することが出来、大変嬉しい限りです。予想以上に多くの皆様にご支援をいただき、また、あたたかい応援メッセージも届いており、感謝の気持ちでいっぱいです。ご支援・ご協力いただいた皆さま、本当にありがとうございます。これで、予定していたラオスの学校2か所に図書室を設置することが出来ますが、皆さまからの心強い応援を励みに、終了日までの期間、もう一歩先を目指したいと思います。ご支援いただいた費用は、学校図書室の開設基本セットとして、400~450冊の本を提供できるようになっています。ですが、もう少し予算があれば、この本を増やすことができます。あと10万円追加できると、1つの学校図書室に約100冊の本を増やすことができます。本の冊数を増やすことができれば、よりたくさんの子ども達が、本と接する機会が広がります。本の種類を増やすことができれば、より幅広い情報や知識を提供することができます。そこで、2校で200冊の本を増やすために、目標を70万円とし、あともう一歩のご支援をお願いすることに致しました。ラオスの子どもたちに、1冊でも多くの本を届けるために、あと少しご協力をどうかよろしくお願いいたします。これまでにご支援いただいた皆さまには、重ねて御礼申し上げます。そして、たびたびのお願いで大変恐縮ですが、この活動を広く知っていただくために、お知り合いなどに紹介していただけると大変嬉しく思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。特定非営利活動法人ラオスのこども 代表 チャンタソン インタヴォン