こんばんは。国際交流シェアハウスやどかり代表の中野です。
今回の奨学金応募者の中にはミャンマー人留学生がいます。一時期はテレビで毎日のようにニュースとして取り上げられていましたが、ここ最近は見なくなりました。
しかしミャンマーは今も不安定な状況にあり、留学生の中には御両親と連絡がつかないという声を聞いたりします。
「外国にルーツを持つ方の支援をしている団体です。」と言いながら、日々ミャンマーのニュースを見ては何ができるのか答えが出ませんでした。
そんな時にミャンマー人の方から「留学生を助けてほしい」と連絡を頂きました。「私たちに何かできますか」と聞くと「日本にいるミャンマー人も生活が大変だから」と教えてくれました。
その時に軍の制圧により銀行の機能が止まってしまい送金ができないことを知りました。学費や生活費の援助がまったく止まってしまっていると知り、すぐに食料品提供の準備をしました。
そんな想いをしながら生活しているミャンマー人留学生の1人が今回のテッテーモーさんです。ぜひ彼女の書いた小論文を読んでみてください。
国によって文化はさまざまで、日本とミャンマーにも多くの違いがあります。例えば、日本は無宗教の国ですが、ミャンマーでは90%が仏教徒です。また、日本にはいろいろな規則があり、日本人はその規則をきちゃんと守ります。ミャンマーには規則があまりなくて、規則があっても守らない人が多いので、日本に来てとてもびっくりしました。さらに、日本にはあいさつを大切にする文化で、職場や学校以外の色々な場所でもあいさつをしています。ミャンマーは社長やえらい人と話すときだけあいさつをするので、これも驚きました。
このように日本とミャンマーの違いは色々ありますが、最も大きな違いは教育だと思います。60年前、アウンサンスーチー氏の父であるアウンサン将軍がミャンマーを統治していたとき、ミャンマーの教育は非常によくて、当時、大学生は自分で英語の詩を作ることもできました。ミャンマーのヤンゴン大学は東南アジアで一番の大学でした。しかし1947年にアウンサン将軍が殺されてしまい、その後軍隊が不当なクーデターを起こした結果、教育制度まで変更されてしまいました。子供たちが使う教科書は文字が多くて白黒印刷ばかりだったので、見るだけでもいやになりました。また、完全に悪いというわけではありませんが、ミャンマーの教育は暗記型です。それに対して日本の教育は覚えるだけでなく、[なぜそうなるのか]という理由を考えたり、覚えたことを使って行動したりします。習ったことは実際の生活にも役立って、それで日本人の意識も高くなっているだと思います。私は日本の教育を知り、とてもすごいと思いました。
これらのほかにも、まだ私が知らない日本の文化もあると思うので、私は日本にいるうちに、もっと日本の文化を知りたいです。そのためにも、これからも一生けんめい日本語の勉強をがんばります。
いかがでしたでしょうか。「日本で学びたい」理由は単に日本が好きだからという理由ではなく教育の違いを私たちスタッフや選考委員に教えてくれました。
留学生にとって「学びのある選考を」と言い続けてきた私たちスタッフですが、スタッフ、選考委員、そしてインターン大学生。留学生に関わる私たちもまた多くのことを知り学んでいます。
この活動報告をご覧になった皆様にも多くの「気づき」が届きますように。