過日は、クラウドファンディングにご支援いただき、ありがとうございました。皆様からのご支援のおかげで、昨年は大変実り多き一年とすることができました。
心より感謝申し上げるとともに、クラウドファンディングの収支と活動概要についてご報告させていただきます。
クラウドファンディングとご寄付でいただいた支援金から、経費を引いた758,144円を、不登校の子どもたちの居場所づくり事業「みんなの居場所 ラピュタすずか」、子どもの自然体験活動「“遊べる畑”づくりプロジェクト」「若者応援基金」に上記のように振り分けさせていただきました。
三事業それぞれの収支報告書は以下のようになります。
若者応援基金の残金につきましては、今年度に繰越しさせていただき、支援の必要な若者のために使わせていただきます。
皆様からの支援金を源に、活動を発展させることができ、大変多くの成果を上げることができました。ここに簡単にご紹介させていただきます。
【みんなの居場所 ラピュタすずか】
2021年5月に、不登校生徒の居場所として開設した「ラピュタすずか」は小学生2名、中学生1名、高校生1名の計4名で、週2日(月・木)から始めました。2022年5月現在は、小学生5名、中学生2名、高校生1名の計8名となり、居場所は週3日(月・木・金)、学習支援を週1日(水)、不定期で遠足や各種体験活動を実施しています。
体験活動は昨年度、子ども起業塾、ジェルネイル講座、動画制作、市議会傍聴など12種類を43回実施。ナガシマジャンボプール等4か所へ遠足に行きました。
ラピュタの保護者支援としては、アドラー心理学をベースに子どもの強みを発見し、子どもの自立をサポートすることをめざす「ケアミーティング」を6回実施。それぞれのご家庭の親子関係の改善に寄与しました。
また、ラピュタには月に2件ほど不登校に関する相談がありますが、知らない所に行くのは非常にハードルが高く、相談のあった生徒が実際にラピュタまで体験に出て来られるのは20%程度です。そこで昨年末からは、不登校生徒の家庭に赴いて、ピアサポーターとして一緒にゲームをしたり、保護者の相談にのったりする訪問支援も始めました。
【“遊べる畑”づくりプロジェクト】
500坪の土地を、みんなの手で、遊べて収穫もできる「アートガーデン」へと創り上げていこうというプロジェクト。資材費節約のため、切り出した竹で物入れ小屋を作ったり、防草シートの代わりにダンボールを敷き詰め、その上を木材チップで覆ったりと、いろいろ工夫しながら整備してきました。
小学生以上を主な対象とする“遊べる畑”づくりを月1回、未就学児も可のはたけ倶楽部を隔月に1回、その他、子どもたちの自然体験活動として炭焼き体験、川遊び、ツリーイング体験などを実施しました。
“遊べる畑”づくりプロジェクトは、「鈴鹿市まちづくり応援補助金助成事業」として鈴鹿市からの助成を受け、また「第20回記念トム・ソーヤースクール企画コンテスト」にも選出されました。
多い時には子どもから大人まで30人程が集い、みんなで協力しながら田んぼ用の大きな穴を掘ったり、竹の伐採をしたり、木材チップを取りに行ってカブトムシの幼虫を見つけたり、畝づくりをしたり、鬼ごっこをしたりと、朝から夕方まで毎月賑やかに過ごしました。
今年はアートガーデンで、鈴鹿初の「プレーパーク」の開催にチャレンジします!
今の時代、子どもたちが自由に好きなことをして遊ぶことができる空間というのは限られているので、アートガーデンが子どもたちの自由な遊び場になればと思うと共に、長引くコロナ禍で孤立しがちな子育て中のママさんたちを繋げる機会になれたらと思っております。
【若者応援基金】
クラウドファンディングの本文で紹介させていただいたNさん(未成年)について
居酒屋のアルバイトはコロナ禍のためシフトが入らず、携帯代と父親から請求される家賃代が払えず、3日後に携帯が止められるという時に相談を受け、携帯代を立て替え、食料品や日用品を支援。鈴鹿市には生活保護受給の相談に行きましたが、まずハローワークに行くように言われ、役所としては父親に養育の義務があることを指導することしかできず、児童相談所の一時保護や自立支援センターの利用であれば可能と言われました。
しかし、一時保護では携帯が持てず、また幼い頃から長らくネグレクト下にあったため、人間関係に困難さがあるNさんには他人との共同生活である自立支援センターは本人も望んでいないし、無理に入れたところで出て行ってしまうと考えられることから、専門家とも相談し、私たちはまず衣食住を整えることが先決と判断しました。
夜眠れず朝方に寝つく生活をしていることから、まず心療内科を受診。同時期に住んでいたアパートを父親が解約することになったため、医師の診断書に加えて、カウンセラーにも一筆書いて頂いた所見を付けて、公的支援につなげました。
いろいろと紆余曲折ありましたが、なんとか今は最低限の衣食住が保障され、継続して通っているアルバイトがあり、また“遊べる畑”づくりの活動には母方の妹弟たちの保護者という立ち位置で時々参加してくれています。
Nさんの母親ともつながりができたので、本人と母親、両方へのアプローチを通して細く長くつながっていけたらと思っています。
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また年が明けてから、仕事も住む家もなくした児童養護施設出身の21歳と19歳の2人を支援することになりました。
一人は日雇いで働いていた店がまん延防止等重点措置の影響で閉業したことが原因で、貯えもなく、食べる物にも事欠く状態でした。
もう一人は、母と暮らしていた弟たちから「母親が失踪した」と連絡があり、弟たちの面倒をみてくれる人を探しに奔走していたところ、勤務態度を咎められて解雇。会社から住居も支給されていたため、同時に住む家もなくしました。
皆様から頂いた支援金は、この二人の食料支援にも使わせていただきました。幸い、二人とも自力で就職先を見つけてきて、今は新しい住居で暮らしています。
今年の5月から、子ども食堂の若者版「ぴあカフェ」(中学生以上の10~20代を対象)を月に1度始めました。これはもともと、児童養護施設出身のこの二人が、本当に大変な境遇を生きてきたにも関わらず、今度は人のために役に立ちたいと言うのを聞いて、二人をスタッフに迎えることを想定して企画しました。
二人とも「ぴあカフェ」を通して、細く長く繋がっていけたらと思っています。
苦しみの中にいる子どもが一人でも減るよう、これからも、さまざまな繋がりの輪を広げていけたらと思っておりますので、引き続きご支援いただけますと幸いです。よろしくお願い致します。
末筆ながら皆様のお幸せを心よりお祈り申し上げます。
感謝を込めて。
NPO法人shining
子どもの居場所づくり事業部長 山浦久美子