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動物たちに「より豊かで幸せな日々」を届けるため、屠体給餌をサポートしてください!

動物たちの生活の質の向上と千葉県が抱える害獣問題への理解促進を目指すため【屠体給餌(とたいきゅうじ)】という新たな取り組みを始めます。この取り組みを通じて、①動物福祉 ②野生本来の生態 ③地域の害獣問題について学び、考える機会を提供し、野生動物を含む自然環境、地球全体を守れる活動につなげていきます!

現在の支援総額

4,123,950

412%

目標金額は1,000,000円

支援者数

585

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2021/07/01に募集を開始し、 585人の支援により 4,123,950円の資金を集め、 2021/08/15に募集を終了しました

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現在の支援総額

4,123,950

412%達成

終了

目標金額1,000,000

支援者数585

このプロジェクトは、2021/07/01に募集を開始し、 585人の支援により 4,123,950円の資金を集め、 2021/08/15に募集を終了しました

動物たちの生活の質の向上と千葉県が抱える害獣問題への理解促進を目指すため【屠体給餌(とたいきゅうじ)】という新たな取り組みを始めます。この取り組みを通じて、①動物福祉 ②野生本来の生態 ③地域の害獣問題について学び、考える機会を提供し、野生動物を含む自然環境、地球全体を守れる活動につなげていきます!

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千葉市動物公園のプロジェクトをご覧くださり、ありがとうございます。

園長の鏑木です。いよいよ本日より、プロジェクトを開始いたしました!

最初の活動報告としまして、私から、「屠体給餌」(とたいきゅうじ)というプロジェクトについて、ご紹介をさせてください。

屠体給餌という取り組みについて

◆「屠体給餌」の目的

動物園の4つの使命として「種の保存」「調査研究」「教育」「レクリエーション」が挙げられますが、これらの支柱となるのが、‶科学的基盤”と‶動物福祉”(動物の幸福な暮らし・心理的幸福の実現)の観点です。

この‶動物福祉”という理念のもと、動物の心理的幸福と種の特異的な行動の促進、行動の選択肢の増加を目的に、飼育環境を豊かにする具体的な方策を「環境エンリッチメント」と言い、「屠体給餌」の目的の一つは、この「環境エンリッチメント」の具体化です。

当園では、これまでも動物毎に工夫した給餌器の設置や、狩猟行動を刺激する「チーターラン」や「ミートキャッチャー」など様々な「環境エンリッチメント」の取り組みを行っており、その一部は「amazonほしい物リスト」によるご寄付により具体化できたものです。

野生動物は本来、それぞれが持つ生態の特徴を生かし、自ら狩りを行い、獲物を捕らえ、牙や舌、顎などを使って、ひきちぎる、かみ砕く、しゃぶる、剥ぐ、などして採食を行います。しかし動物園で飼育下にある肉食動物の食べる肉(馬肉など)は処理・加工、カットされた正肉状態で、野生本来の採食行動が発現されないばかりか、採食に費やす時間も短く、結果的に動物たちには退屈な時間が増えることになります。つまり、生きるために必要な栄養は満たせるのですが、彼らが豊かにイキイキと暮らすために欠かせない、もう1つとても重要な、‶野生本来の行動“ が足りていないのです。

「屠体給餌」は衛生的かつナチュラルな生に近い、毛や骨が付いたままの肉を与えることで、本来の生態を発現し、幸福状態を引き出すことが狙いです。欧米の動物園・水族館でその実践効果が認められ、国内でも既に他園において多数の先行事例があり、成果が認められています。

「屠体給餌」、それは「動物たちに、より豊かで幸せな日々を過ごして欲しい!」との思いを実現する具体的な取り組みなのです。

◆社会問題化している「獣害」についても考えてみる

昨年、当園の動物科学館に「動物園で考古学」コーナーを設置しました。人類は、環境から影響を受け、また環境に働きかけて生活を営み、文化や社会を育んできました。また当園が『餅ヶ崎遺跡』と呼ばれる遺跡の跡地に建てられていることから、現代の我々の文化や生活の礎である古代人の生活の営みを学ぶとともに、石器時代から縄文時代のヒトと動物との関係の歴史を紐解くことで、「現代に生きるヒトと動物がともに住みやすい環境づくり」について考えることをテーマとしています。遺跡からはさまざまな生き物を模った作品が出土しており、なかでも比較的数多く作られたのがイノシシやヘビ、鳥で、「動物園で考古学」コーナーでは、イノシシやシカを模った見事な造形美の出土品を展示しています。

現在の千葉市土気地域から日光・足尾山麓へ、また房総丘陵へとつながる自然道がシカの集団移動のルートであり、千葉の平地部である「下総台地」が歴史的に野生動物の宝庫であったことが知られています。古代の昔から、私たちの祖先は、日々の営みにおいて、命あるものを捕獲・採取する一方、それへの親近感や感謝の気持ちを生活の規範としてきたと言えます。そのなかでも関わりの大きかった1つがイノシシです。わが国最初の勅撰(ちょくせん)史書『日本書紀』では、渡来人がイノシシを飼ってその肉を食べていたという記述があり、現存する最古の歴史書『古事記』や最古の歌集『万葉集』にも「猪飼(いかい)」と言う猪を飼う職業が頻繁に出てくるようですし、江戸時代にはイノシシの肉を食す「山くじら」「薬食い」が流行ったそうです。

一方、今日、動物との関係は一部社会問題化しています。「獣害」と言われるものです。たとえばイノシシは県内でも年間の農作被害2億円、捕獲数2万頭超ですが、そのほとんどが埋設または、一般廃棄物として処理されており、加害獣被害の拡大と処理費用の増大などが課題となっているのです。

◆「動物福祉」と「獣害」対策とを繫ぐ「屠体給餌」  ~実施に必要な対策とパートナーシップ

有害鳥獣として駆除された動物(屠体)を肉食動物に給餌させることで、「環境エンリッチメント」と「獣害」対策とを両立させるスキーム、それが「屠体給餌」なのです。

野生動物は、徹底的に管理された家畜と違い、寄生虫や細菌・ウイルスなどを保持していることも多い為、それらを給餌させるには、鉛中毒、寄生虫、細菌類・ウイルス類を排除する適切な処理を行なければなりません。 

国内において「屠体給餌」を推進してこられた「Wild meǽt Zoo(ワイルド ミート ズー)」様や、数少ない動物園専門のライター 森 由民 様をはじめ、様々な方々から、「屠体給餌」の意義や効果、捕獲の仕方や冷凍処理、低温加熱処理などの潜在的なリスクの排除策他、貴重なアドバイスやご指導を頂きました。

そして、「Wild meǽt Zoo(ワイルド ミート ズー)」様が策定されたマニュアルに沿って屠体肉を適正処理し、当園へ提供頂くのが、千葉市に本社を置くALSOK千葉株式会社様です。有害鳥獣捕獲・ジビエ加工業を業務展開されておられたALSOK千葉株式会社様との度重なる協議と準備を重ねた結果、当園は「屠体給餌」の取り組みに辿り着くことができたのです。

ALSOK千葉株式会社様は、これまでにも当園の様々なイベントへの資金協賛も頂いており、「屠体給餌」における連携も「地元への貢献」が1つのテーマとお聞きしています。いわば、地元の問題を地元のパートナーシップで解決を図る取り組みであり、‶ 地産地消 ” を実現する新たなカタチと言えます。

◆試験給餌で職員が驚いたライオンの食べる姿

昨年11月と12月に、ALSOK千葉株式会社様によって適正処理された屠体を、当園のライオン2頭に試験的に給餌してみました。

現在の通常飼料である馬肉の正肉や鶏頭では、ライオンはそれらをほぼ丸呑み状態で、採食時間も5分から10分程度です。しかし、皮や毛、骨が付いた生の状態に近い屠体肉では、のどをゴロゴロと鳴らし、肉塊に顔を擦り付けたり、舌で肉を削ぎ取るなど、これまでは決してみられなかった採食行動を観察することができ、採食時間は25分から40分と大幅に長くなったのです。これには職員一同大変な驚きでした。我々自身が「屠体給餌」の効果を目の当たりにした瞬間でした。

◆「屠体給餌」を「調査・研究」と「教育」的視点でとらえる

様々な学校・学術団体との連携を模索し、当園として改めて、「屠体給餌」の効果についての学術的調査・研究、検証も進めたいと考えています。

また「屠体給餌」を教育的視点でとらえ、以下のように整理しています。

①動物園における動物福祉について、学び、考える

②野生動物の本来の生態について、学び、考える

③地域の獣害問題について、学び、考える

事業化にあたってクラウドファンディングを活用するのは、これらの課題やテーマ、そして関連する様々な問題への ‶ 気づきや認知、知的欲求と好奇心の発動の機会 ” となることを期待し、広くこの取り組みへのご賛同とご支援を呼びかけさせて頂くためです。

◆「SDGs」にも繋がる具体的なアクションとして

日々かけがえのない命の輝きと尊厳に向き合う動物園。 ここは ‶ 生きた動物の展示を通して、「共生」や野生動物を含む自然環境、ひいては地球全体を守る事へと人々の関心を向かわせる機会を供する場 “ です。

2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す、地球上の誰もが取り組むべき 普遍的な行動・国際目標として、2015年の国連サミットで採択され、その推進加速が非常に重要となっている「SDGs(Sustainable Development Goals)=持続可能な開発目標」。そこには、「目標13:気候変動に具体的な対策を」、「目標14:海の豊かさを守ろう」、「目標15:陸の豊かさも守ろう」といった、環境分野や生物多様性の保全を理念としているものがあります。

「保全」や「共存」の理念に繋がるこのプロジェクトへ、多くの皆様からのご賛同、そしてご支援をこころからお願い申し上げます。

千葉市動物公園 園長 鏑木一誠 

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