日韓ユース・カンファレンスの実施に向けて、ご協力くださった皆さまに、心よりお礼申し上げます。リターンの送付の前に、日韓ユース・カンファレンスが無事に終了しましたことを、以下の報告記事をもってお知らせいたします。
2017年度の日韓ユース・カンファレンスは、「私たちの生きづらさを考える ~社会的承認と貧困~」をテーマに、2018年2月23日(金)~26日(月)まで大阪で開催しました。3泊4日間の同プログラムには、日本から19名、韓国から21名が参加し、両国のユースにとって身近な課題である「生きづらさ」について、基調講演やフィールドワーク、ディスカッションなどを通して、見聞き、歩き、感じ、語り合い、理解と想いを深めました。
初日は、金香百合さん(HEALホリスティック教育実践研究所所長)からの「若者の生きづらさ」についての講演を通して、現代社会とそこに生きる若者の現状を包括的に学びました。その後夕食を挟みながら、日韓各国における「生きづらさ」の現状を、「子ども」「女性」「在日コリアン」「青年に関する法律」の視点から報告し合いました。
2日目は、国内最大のコリアンタウンである鶴橋のフィールドワークからスタート。商店街や神社、小学校を巡りつつ、在日コリアンの人々がつくりあげ、共に歩んできた地域の歴史と、ヘイトスピーチや政治的権利、教育に関する権利保障の欠落など、現在も続く暴力や課題について学びました。日韓YWCAのユースにとって、日本が在日外国人にとって「生きづらい」社会であること、また在日コリアンの人々に対する差別や暴力を、「私たちの問題」として感じられるようなフィールドワークとなりました。
午後は3つのグループに分かれて、フィールドワークを実施しました。「社会的養護の支援・被支援者のお話を聞くコース」、「日本最大の日雇い労働者街釜ヶ崎を歩き、子どもたちと出会うコース」、「京都へ少女たちの自立援助ホームを訪ねるコース」それぞれにおいて、参加者は、社会的弱者とされた人たちを包摂する「セーフ・スペース」の重要性に気づかされました。
3日目は、前日の振り返りの後、1年後までに日韓のユースが一緒に実施するアクションプランの作成を目指して、終日ディスカッションを行いました。その結果、5つの具体的な行動計画が提案され、承認されました。 アクションプランとして採択されたのは、以下の通りです。
1. 私たちの活動を各自の国で各自の方法で実践し、共有する。
2. 「私の人権の話」を本・オンラインでまとめ、公開する。
3. メディアで共同声明文を発表する。
4. “KRC”(Know/ Respect/ Communication ・ Continue ・ Contact)
5. 支援者になって、心地よくて、あたたかい場所をつくる。
最終日に、4日間の振り返りをもって、プログラムは幕を閉じました。
*本プログラムは、公益財団法人日韓文化交流基金の助成を受けています。