鎌倉教場の「今」をお伝えします。
今回は行事の準備についてです。
大日本弓馬会は、これまで神社の例祭や地域のお祭りなど、年間10~13回程の行事(流鏑馬、笠懸)を行ってまいりました。
もっとも、令和2年4月以降は、コロナ禍により中止が相次いでおり、年間4~5回程に減っております。
しかし、このような中でも行事を行えること自体、大変ありがたいことであり、関係者の皆様には心より感謝申し上げます。
さて、この流鏑馬ですが、実際に御覧になったことがある皆様ならば、騎射の迫力ある華々しい場面を想起することができるのではないかと思います。
しかし、華々しい場面の裏には、地味な準備がつきものです。
流鏑馬も例に漏れず、この人目に付くことのない「行事の準備」が非常に重要です。
行事を行うには、馬場の設営、的の設置、櫓の設置、陣幕の設置といった会場設営が何よりも大切です。
これは大工仕事や工事が伴いますので、さすがに大日本弓馬会が直接行うことはできないので、長年協力いただいている業者さんにお願いすることが多いです。
また、流鏑馬を奉納する神社様が直接馬場を設営してくださることもあり、大変ありがたく思っております。
このような設営関係の準備のほかに、諸道具の準備があります。
この作業こそ、大日本弓馬会が直接行っているものです。
大日本弓馬会が管理・所有している諸道具を点検し、必要ならば修繕を行い、行事に必要な数を揃え、適切に梱包し、確実に行事が行われる会場に届けるという一連の作業です。
行事の準備の際に取り扱う道具の例を挙げますと、陣幕、的受幕、式の的、板的、小的、鞍、鐙、轡、厚総、三懸、鞍下、手綱、床几、旗、幣、扇、太鼓、撥、直垂、白衣、雪駄、太刀など多岐に渡っています。
大日本弓馬会では、このような行事の準備を全て自前で行っていることから、道具の取扱いも学ばなければなりませんし、行事そのものに手作り感覚を持つことができるので、行事への愛着も湧くというものです。
とはいえ、このような多くの道具類の準備ですから、人手と時間と場所が必要になります。
そのため、行事の直前の日曜日の午後、門人たちが大日本弓馬会の事務局に集合して、一気に準備作業を行っています。
行事準備の様子①。手持ちの物品リストは門外不出とされています。
行事準備の様子②。この日は土砂降りの雨だったため、テントの中での作業です。
諸道具を詰め込んだコンテナたち。かなりの物量になります。
私たちは、流鏑馬を奉納するに当たり、神様とともに観覧される皆様に最高の騎射をお見せできるよう日々稽古に精進しております。
そして、そのために、同程度の力を込めて行事の準備にも取り組んでいます。
時間的にも体力的にも負担は軽くありません。
せめて、水を引き、更衣室を設け、日除け・雨除けを設置し、もう少しだけ稽古環境を改善することによって、様々な活動をして流鏑馬の維持保存に努めている門人たちの負担を減らしてあげられれば、と願ってやみません。
皆様、何卒お力添えをよろしくお願いいたします。