土日、パクチー銀行を開けてみました。
いつからやろうかと思いましたが、準備をちゃんとこなしてから万全の体制でスタートするタイプでもないので、前日「よし!」と決めてプレプレオープンを始めました。
釣銭もゴミ箱もないままのスタート。
当日、朝9時に開けて、10分後に開店を告知。それを見て、何人かの鋸南の友人が駆けつけてくれました。最初は、一杯のコーヒーを淹れるだけでドキドキしました。飲食業を10年以上やったし、その後もいろいろなところで料理をつくっているけれど、コーヒーを有料で提供するのは初めてだったので。
コーヒー嫌いがコーヒーが不味くなる理由を少し理解したのが今年の4月。その後、それなりに研究を重ねたけど、手元が狂ったら味も変わることも知ったので、それなりの緊張がありました。
コーヒーには収穫・製造・運搬・焙煎・抽出などの過程に、たくさんの「不味くなる要素」があります。世界のコーヒーの99%以上は、それで残念な結果となってカップに入ります。生産から焙煎までがはっきり分かっていて極めてよい状態で目の前にあっても、最後に余計なことをして残念なものを提供する可能性がないわけではないので・・・。
パクチー銀行のすべての豆は鋸山を縦走して運搬されていますし、スパイシーさを出すためにパクチーコーヒーという出し方もしています。僕の生き方として余計なことをするのが大好きで、「余計なことしてんじゃねぇよ」と生真面目な人には言われそうな行為を積み重ねてもいるし。
その結果できるものが僕の作品なのですが、それを世に出す前はいつも緊張感で満ち溢れています。
場を作ったことで、人と出会い・再会できることが嬉しかったです。また、たまたま居合わせたことで、その人の人生が動く瞬間を見ることも楽しいです。
2日目は、初日に「開店の告知」を見て都内からわざわざ来てくれた友人がまた朝イチで飲んでくれて、その後昼まで誰も来ませんでした。自分の店に誰も来ないと、世の中に人の流れがないような錯覚を起こしたり(懐かしい感覚)。
その後、お墓まいりで帰省したという人が2組、その後、鋸山帰りで立ち寄る人が何組も。
コーヒーを連続で淹れることに、動揺しなくなってきました。
「パクチー銀行」という文字を見て、不思議な感覚で吸い込まれてくるのが面白い。まだ工事の道具も置いてあるので、「やってない」と思い込んで入らない人もいれば、とりあえず話を聞かなければと飛び込んでくる人もいます。
特殊な体験をして世界が広がる、そんなコミュニティが確実にできるという予感が実感に変わった2日間でした。