はじめに
家族の一員として大切に生きる犬達がいる一方で、捨てられる犬達もあとを断ちません。放り出された犬達はお腹を空かせて餓死するか、保健所に引き取られ、大半は殺処分の対象になります。そんな犬達を救おうと懸命に努力している人々や団体は全国にあります。ですが、そうした人達と団体の数よりも、日々、捨てられる犬達の数が多い地域も多くあるのが現状です。一方で、グループの作り方も団体に属することも苦手でわからない、でも犬を救いたいと一人で動く個人の方も存在しています。
私たちが出逢った葛城久雄さんは、長崎県佐世保市で、たった一人で多くの捨て犬を保護して来た人です。葛城さんの夢は、犬達の殺処分をゼロにすることです。
過去20年間、葛城さんは虐待されている犬を引き取り、自宅と所有している小さな山で捨てられた犬を保護して来ました。お金の許す限り、餌を与え、避妊手術代や狂犬病ワクチン代、病気の犬をすべて自費で治療して来ました。行きつけの獣医さんを除いては誰にも相談せず、一人で解決しようと戦い続けてきました。家のすべての壁を壊し、自宅を犬に捧げてきました。
何もなければ裕福な老後を迎えられていた葛城さんですが、一人では抱えきれない数の犬を保護しているうちに、その潤沢だった貯金はみるみる減っていきました。捨て犬は後を立たず、避妊できていない犬は子犬を生みました。病院費用はかさみ、動物病院に借金しました。それでも葛城さんは犬の保護をやめませんでした。やがてお金が底をつくと、家財を質屋に持って行き、お金に変えました。ほどなく唯一の収入である年金の全てもまた、犬に捧げ始めました。一人でもがく毎日でした。ですが捨てられる犬の数には追いつきませんでした。現在、自宅と山に葛城さんは合計61匹の犬を養っています。
葛城さんの状況は側から見ても不安なものでした。ですが葛城さんは誇り高く、人に救いを求めるタイプではなく、人の施しを喜ばないと知っていたので、友人である私たちも見守りました。なんとか状況を打破できないものかと色々提案してみました。ここ数年はクラウドファンディングのことを提案したことも何度かありましたが、葛城さんは全く乗り気ではありませんでした。そんな葛城さんの気持ちを大きく変える出来事が起こりました。山で保護していた犬が、餌が足りずに共食いをして死んでいたのです。葛城さんは無力感を噛みしめ、悲しみに打ちひしがれました。そしてはじめて一人で抱えることをやめて、他人と社会に助けを求めようという気持ちになったのです。
私たちTeam Katsuragiは、葛城さんの捨て犬保護活動を支持し、クラウドファンディングを立ち上げます。いまいる犬たちの保護活動を維持しつつ、未来の殺処分を減らさなくてはいけません。それにはまず資金不足が原因で全員に行き渡っていない、去勢・避妊手術とワクチンを61匹に提供して、これ以上犬の数を増やさないことが必須だと考えます。
第二目標は、現在69歳の葛城氏が万が一亡くなったとしても、残された犬達が保健所の殺処分に合わないような仕組みを作ることです。こちらについては、他の団体さんとの提携や、アイデアをいただいて、具体案を考えます。
まずは第一目標を達成するために皆様のご支援をいただきたいと考えております。
どうぞよろしくお願いいたします。
葛城さんのこれまでの保護活動と年表
これまでの活動を葛城さん自身が書いた手記(ワープロ原稿)と共にご紹介します。
1.捨て犬との出会いと活動の始まり
2001年 所有している山で畑仕事をしているところに子犬が2匹現れた。2週間後、子犬が再び現れたが1匹が餓死寸前で弱っていたことをきっかけに、山の捨て犬たちとの交流が始まる。
↑葛城さんの手記より
2002年 甲斐犬ニック達と獣医加藤先生との出会い
虐待され、交通事故だった瀕死状態の甲斐犬を引き取る。ニックとヨークと名付けた。同時期、親身になってくれる仲間となる獣医加藤さんと出会う。
獣医加藤先生について:
このプロジェクトで実現したいこと
ー具体的な活動の内容
第一目標としては、現在の61匹の避妊手術とワクチンを徹底します。現在61匹の捨て犬の世話費と今後の保護活動を支援します。
ープロジェクトを通して実現したい変化
葛城さんがたとえ亡くなったとしても、残された61匹の犬達が殺処分に合わないような仕組みを模索し、実践します。
応援メッセージ
葛城さんの長年の友人、北川文隆さん⇩
北川さんからの応援メッセージ:
ペットの病院カトウ元院長、加藤さん:
かとう元獣医師からの応援メッセージ:
資金の使い道
61匹分のドッグフード、缶詰、パン(一ヶ月155675 x 1年):186万8100円
避妊・去勢手術代(避妊できていない雌の数 38匹 x2万8000円、雄 10匹x 1万8000円 )
合計:1244000円
ワクチン代 (ワクチンを摂取できていない犬の数 60匹xワクチン代 8000円):48万円
狂犬病ワクチン代: 60匹x2800円: 16万8000円
雑費、光熱費:井戸水のタンク、ポンプの点検費、草刈りのための機械の刃、燃料費
フィラリア予防のための蚊取り線香、フィラリア検査代、予防薬
小計: 376万100円
CAMPFIRE 手数料(17%): 63万9,217円
合計:約440万円
実施スケジュール
ープロジェクト自体の実施スケジュール
10月8日 資金援助受付最終日
<All-in方式で実施します。>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
リターン
葛城さんが最初に保護活動を行うきっかけになった甲斐犬ニック(飼い主に虐待を受けたのちに山に捨てられた)の写真デザインを施したグッズになります。
全員:お礼のメール
支援額 10,000円以上:犬の写真プリントはがき
支援額 50,000円以上: 犬の写真プリントはがき、オリジナルエコバッグ
支援額 100,000円以上:犬の写真プリントはがき、オリジナルエコバッグ、オリジナルTシャツ
以下はイメージ画像です。デザインは同じ、ニックの写真を施したものになります↓
最後に
飼い主の勝手で山に捨てられた犬と虐待を受けていた犬たちは、現在、葛城さんとのびのびと笑顔で暮らしています。このまま犬たちが笑顔で生を全うできるように、皆様のご支援を何卒よろしくお願いいたします!
チーム/団体/自己紹介・活動実績など
プロジェクト発起人を紹介いたします。
Team Katsuragiの構成メンバーは、坂上麻由子と鈴木あゆです。クラウドファンディングには全くの初心者ですが、二人とも葛城久雄さんの犬への純粋な愛情と献身には以前から感銘を受けていました。ところが近年、葛城さんの活動の維持が困難を極めてきていることを知り、なにかできることはないかと考えて、このプロジェクトを立ち上げることにしました。
ご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
最新の活動報告
もっと見る活動終了のお知らせ
2021/12/10 12:11ご支援者の皆様、今日はお知らせがあります。12月10日をもって、teamkatsuragiは活動を無期限終了することになりました。犬達の飼い主である、葛城さんのご意向です。私達チーム(鈴木あゆ+坂上麻由子)が窓口でいる限り、犬は譲渡に出したくない。今後自分と自分の犬達に関わって欲しくない。これが葛城さんの揺るぎない結論です。犬達の未来の障壁になるのなら私たちがいる意味はありません。クラファン紹介文にも書きましたが、クラファンを立ち上げたきっかけは、私達と葛城さんが友達だったから、それだけです。犬については知識も経験も少ない、保護活動に関してはど素人の親友二人組で「チーム」と名乗りましたが、犬の保護団体さんになるぞと名乗りをあげたつもりも、今後そうなるつもりもありませんでした。ただ、過去5年間、チームメンバーの一人にお金を借りないと生活ができなかった葛城さんと犬達の現状を見て見ぬふりができなくなったので何かできないかと二人であれこれ考え、クラファンを思いつき、立ち上げただけです。これからお話しする内容は、知らなくてもよかったと思われる方もいらっしゃると思います。そこまで詳しく事情を知らなくても良いと思われる方や、長い話は聞きたくないと思われる方もいらっしゃると思います。ですので、全体を4つに分けました。各番号に書かれている内容の要約をお伝えしますので、お知りになりたいと思われる項目だけをお読みくだされば幸いです。1. 葛城さんと私達が話せなくなった理由さて、8月にクラファンが始まって10月に終了するまでの2ヶ月に様々な予測不可能なドラマがありました。人には誰しも触れられたくないことがあります。葛城さんにとってそれはどうやら犬達の健康や飼育状態について疑問を抱かれたり、口を出されることだったようです。きっかけはとある支援者様から、愛犬がフィラリアで苦しみ、大手術を経て命を救うことができた、という話を聞いたチームメンバーがフィラリアにかかっている犬が数多くいる現状に不安を抱いて、「クラファン資金でフィラリアの薬を買いましょう。」と提案したあたりだったと思います。「里親先でやればいい。」という返事にメンバーは疑問を抱きました。生まれてから一度も首輪をつけたことも、他の人間に対しての免疫もない犬達です。簡単に里親に出せない犬達なのにいとも簡単に「里親がやればいい」というのは無責任なのでは?と言ったメンバーに対して、怒号が返ってきました。「俺の決めることを黙ってハイってきいとけばいいんだよ!返事はハイ!それだけ!」8月末のことでした。長い親交期間で初めての怒鳴り声も衝撃でしたが、これまでフラットで対等だったはずの友人関係がいきなり「俺がボスだから従え」とでも言わんばかりの主従関係を主張されたことも衝撃でした。結果、チームメンバーは深い心の傷を負うことになりました。とりわけ、過去5年間、葛城さんが同チームメンバーにお金を借りに来ていたという事実や、クラファンをチームで準備したり、クラファンを宣伝するためにプライベートの時間をすべて注ぎ込んでいたという当時の現状もありました。この後も何度か怒鳴られたことが原因で、メンバーは葛城さんと直接話すこと、電話することができなくなりました。例えば、ご支援者様から餌が届いたことを知らせる電話をかけなければと思うと、また怒鳴られてしまうかもと手が震えたり、不安で眠れなくなったりと世間で言うPTSDのような症状が起きてきたのです。9月中旬のことでした。ただ、まだこの当時のチームは、第三者が来るのであれば、会話をせずに葛城さん宅に行く事はまだできていました。ですが、それすらもできなくなる出来事が起きました。2. 交友関係の終わり10月中旬、譲渡のために佐世保を訪れていた甲斐っとランドさんに挨拶をするためにアポなしで葛城家に行ったメンバーが聞いたのは、耳を疑うようなチームに対する批判でした。「チームは盗人。」また、葛城さん宅を訪れた別の方からも葛城さんがチームについてこう言っていたと聞きました。「お金は人を変える。」その言葉は、最後のやる気すらを打ち砕くのに十分な打撃でしたし、看過できない批判でした。チームメンバーと葛城さんの親交は30年来のものでした。お互いの信頼があったからこそ成立している関係だったはずです。長年の犬の保護活動のことを葛城さんから聞いていた私たちは、葛城さんのことを信じ、尊敬していました。葛城さんにとっては、メンバーは継続的にお金を無心してもいいと思うほど親しい相手であったはずです。「葛城さん、またお金かしてってきたよ。私しかいないんだって」過去5年間、週1から月1のペースでお金を無心にきていた葛城さんと、それがストレスだとこぼしていた親友。「犬を助ける活動のための借金だから。素晴らしい人だから」と信じて、そこから現状を解決するためにと2人でクラファンを立ち上げようと思い、実行するまでと、クラファンを広めるために費やした日々のことが、走馬灯のように脳裏に駆け抜けて行きました。30年の信頼が、たった2ヶ月で壊れるんだ。人の心と人間関係の脆弱さに、やるせなく、虚しい気持ちになりました。ちなみにご支援者様への収支報告でも明らかにしたように、私達には1円も入ってこないクラファンです。友情で始めた葛城さんへの支援を、友情の根底が崩れ、なにより心の健康を壊してもなお続けることはできません。さらに、私達が手出しすることを望まないのは飼い主である葛城さんのご意向ですので、これ以上なにもできることはありません。この時点で、teamkatsuragiの活動終了は私達の中で決定事項でした。11月上旬のことになります。支援者様からいただいたお金をきちんと公約通りに使った後に辞めよう。二人でそう決めました。3. 譲渡の消滅そうは言っても、犬たちの今後は気がかりでした。できれば犬たちにはもっと清潔な環境で暮らして、散歩に行ったり、広々とした世界を見たりしてほしかったです。ですので、甲斐っとランドさんが3頭引き取ってくださり、うたちゃんが小森ちゃんに引き取られた時は、本当に感動しました。甲斐っとランドさんに引き取られた3頭の写真を見ると、つくづく譲渡ができてよかった、と実感することができます。本来ならさらに6頭も引き取っていただく予定でした。現在の三頭ですが、ここでうたちゃんの失踪事件が起きました。彼女の失踪をきっかけに、葛城さんに関わる様々な人たちの心の奥にあったものが表に引き出されてきました。ここで強調したいのは、発端はうたちゃんの失踪であったとしても、それが原因ではないと言うことです。うたちゃんの失踪があってもなくても、遅かれ早かれ同じことが起きていたと思います。心に渦巻いていた疑心暗鬼が外に出るきっかけになったというだけです。(私達は、うたちゃんが早く発見されて、小森ちゃんの元に帰れますことを切に願っています。)戻っておいで、うたちゃん。写真提供: eigoro0316ざっくり説明すると、葛城さん宅から犬を引き出したい人々(チーム含む)Aグループと、葛城さんが犬を飼い続けるのがいいと主張する人々Bグループがいたということです。そして、葛城さんは、自分が犬を飼い続けるのがいいと言ってくれるBグループ以外を排除することを決めたのです。まず葛城さんは甲斐っとランドさんに犬を出さないことを決めました。次に葛城さんは、私達チームを排除することを決めました。電話も着信拒否になりました。この時点では既に、葛城さんとチームの間に直接のやりとりは成立していませんでしたが、ここに両グループからの信頼も厚く、常に中立の立場の方がいらっしゃいました。去勢避妊手術を無料で行ってくださったとある獣医さんです。また、獣医さんのおかげで、クラファンの公約に掲げていた、犬達への医療目標を完遂させることができました。さて、前回の収支報告にも書きましたが、クラファン開始当初から私たちは、関西のとある保護団体さんと連絡をとり、人慣れしそうな2~3頭(ラインなど)の譲渡を12月に譲渡するお約束をいただくことができていました。テレビに取り上げられたこともあるような名実ともにある大きな団体さんです。葛城さんも当初からこちらの団体さんに出すことには一貫して乗り気でした。チームとしては、葛城さんの犬たちにできる最後の仕事だと思っていましたので、数ヶ月、担当の方とお話をして、ようやく確約をいただいた時には、かなりの達成感がありました。ですが、獣医さんにこの由を葛城さんに伝言してもらったところ、葛城さんから次のような返事が返ってきたそうです。「まゆ達が窓口になっている限り、犬は出さない。(グループBの人たち)が窓口になるなら犬を出す。」3ヶ月のやり取りの後で、ようやく身を結ぼうとしていた譲渡の話が身を結ぼうとした段階でいきなりチェンジを通告されたことには唖然としました。ですが、目標としていたのは犬の譲渡であり、それが達成できるならとこの条件をのみ、団体さんに「窓口が代わります」とお話ししました。ですが、団体さんもまた、3ヶ月やりとりをしてきた相手から別の相手へと急に窓口が変わったことへの不信感をあらわにされ、結局、譲渡の話自体が消滅する運びになりました。最後にこれだけは成し遂げてから離れようと思っていた譲渡の話がことごとく無くなってしまったことで、心の中ですでにか細くなっていたやる気の糸は完全にぷつんと切れてしまいました。4. クラファンで達成できたこと。引き継ぎの件。さて、私達の活動はこれで終了になりますが、これからの葛城さんと犬達には、まだグループBの方々がいらっしゃいます。葛城さん曰く、里親ボランティアの経験も豊富な方達です。ですので、私達も犬達の今後をその方達にお任せすることにいたしました。それでは最後に、クラファンを通して実現することができた項目を振り返っていきたいと思います。以下に達成できたことは全て皆様のご支援のおかげです。1. 全頭の去勢避妊手術2. 全頭の10種混合ワクチン3. 全頭の狂犬病ワクチン(葛城さんの希望により、全頭の飼い主登録も)4. ノミ・ダニ薬(今年度分と来年度分の両方)5. フィラリア薬(今年度分と来年度分の両方)6. 動物病院への借金返済(皮膚病と甲状腺機能障害の犬達の治療費滞納分)7. 譲渡費用(甲斐っとランドさん宅に行った3頭の空輸代、医療費)8. 1000kg以上の餌 (ご支援者さまからの餌のご支援分と800kgの購入分)9. クラファンご支援者様による継続支援のお申出10. 扇風機3台、冬用毛布など物資のご支援による住環境の改善とても短い活動期間でしたが、この達成項目を見ただけでも、今回のクラファンをやったかいはあったと誇りを持って言うことができます。お忙しい中、熱い思いのこもったご支援をいただき、犬達に代わって深く感謝いたします。一人ひとりの優しい心が集まってこんなにも大きなことが達成できました。心優しい皆様にそのお心に見合った素晴らしい毎日が訪れますように!!2021年12月10日鈴木あゆ+坂上麻由子 もっと見る
収支報告 その2
2021/12/07 12:50こちらの活動報告は支援者限定の公開です。
収支報告
2021/11/09 09:29こちらの活動報告は支援者限定の公開です。
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