2021年10月1日、5か月間新型コロナとの戦いに明け暮れたロックダウンの日々を終え、ホーチミン市はパンデミックとともに生きる「新しい生活様式」を受け入れる覚悟を決めました。
これまでベトナムでは18,584人が亡くなり、コロナ死亡率の2.5%を占めています。これは、世界のコロナ死亡率(2.1%)よりも高く、さらにアジアで最も高い死亡率(4.95%)になっております。
しかし、全国の状況は積極的な変化を遂げてきています。9月27日の時点でベトナムは756,689件中527,926件のコロナ患者を治癒しました。 (ネット新聞:suckhoevadoisong.vn)
ホーチミン市のコロナ感染状況の概要(laodong.vnより)
2021年9月25日の午後6時の時点で、保健省によると、市内の陽性確認者数は367,081人です。 現在、39,208人の患者は治療されており、そのうち16歳未満の子供:3,751人、人工呼吸器を使用している重病患者:1,918人、ECMOを受けている患者:23人です。
人工呼吸器を使用している重病患者及び死亡者の数は減少傾向にあるものの、9月25日時点で人工呼吸器を使用している重病患者は1,918人、死亡者数は1日あたり131人とと高い水準で推移しています。
新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応策の変化
ワクチン接種状況
6月21日からホーチミン市はワクチン接種を促進し始めました。 9月23日の時点で、ホーチミン市は6,780,069人(94.1%)に1回目の接種を、2,202,207人(30.5%)に2回目の接種を行いました。 9月25日に、国内のワクチン接種ポータルサイトによると、ホーチミン市が9,094,833回分のワクチンを注射したことが記録されました。
これが「エピデミックを抑制し、生活を正常に戻す」という目標に向かってはじめの一歩と言えます。
無症状または症状が軽い患者は、自宅治療制度を適用
コロナとの戦いのはじめ、ホーチミン市は「重症度別の医療提供体制」 を適用しました。具体的には、軽症者・無症状者を治療するための30,000病床;症状のあるF0の患者のための2,500病床;症状および基礎疾患を伴うF0の患者のための3,000病床; 重症患者を蘇生するための1,200病床、というモデルです。
しかし、9月までに記録された患者数は想定された店員の10倍近くに達し、保健省はホーチミン市に新たに3つの集中治療センターを設立することを決定しました。 同時に、ホーチミン市は約17,000人の医師の派遣、そして多数の医療機器と防護服等の援助を受けました。
結局、感染者数が増え続けていた状況ではこのモデルが耐えられませんでした。そのため、ホーチミン市は集中隔離の形態から自宅でF0、F1隔離の形態に変更するこのにしました。 これは、入院、重症化率、死亡率を減らすことを目的として、すべての医療資源を活用する主要な政策変更です。
「ニューノーマル」を始めたホーチミン市
2021年10月1日00時からの景気回復という目標に向けて、ホーチミン市は社会的距離を縮めるための措置を講じます。
交通活動に関しては、市は引き続き市の出入りを管理するチェックポイントを維持しています。ホーチミン市と他の市との間の商品の流通は、予防と管理の安全の下で行われます。そのため、車両や交通参加者は必ずQRコードでチェックされ、さらに「COVIDグリーンカード」は必須条件になります。
バス・タクシーなどの公共交通機関、バー、マッサージ、店内の飲食店などの事業活動は、認可された場合を除いて、引き続き営業を停止します。
個人事業や会社組織の場合、すべての従業員はCOVIDグリーンカードを持たなければなりません。また、感染拡大防止に関する規制を遵守する必要があります。
特に教育については、インターネットを用いた遠隔授業が継続されます。しかし同時に、学校の開校の準備をする必要もあります。学校の開設は、幼児、小・中・高等教育機関、非公立の教育機関を優先します。
4. 皆で協力の力
これまでの難局を乗り越えたのは、政府、地方公共団体及び所管指定公共機関が連携・協力して対策を進められた他、全ての国民の御協力、根気よく辛抱してくださったおかげです。
ホーチミン市の統計によると、これまで政府や病院は、現金で9,500億ドン、医療物資のための2,230億ドン、食品のための3,500億ドン、ワクチンのための3,100億ドンを国内外の個人、グループ、企業から支援を受け取っていました。みんな誰もが、どこにいても、どんな役割でも、近い将来にホーチミン市の生活が正常に戻れるよう願って協力しています。
今こそ医療物資援助が必要?
このように感染状況が比較的落ち着いてきていますが、新型コロナウイルス変異株の変動状況が予測できないところが多くあるため、今こそこれまでの課題を整理し「次なる波に備えた安全・安心」へ考える必要があります。そして、以下の理由により、人工呼吸器整備は相変わらず非常に重要な課題だと私たちが考えます。
病院が収容できるよりも多くの患者を受け入れており、依然として医療用品が不足している。
人工呼吸器などの医療機器を数多く購入する必要や、医師・看護師・患者様を感染から守るための生命線であるPPE(高機能マスクと医療用防護服)や、消毒資材の消費量が日々増加しています。
医療物資の不足状況は継続しており、強いて言うなら医療従事者の皆さんの臨機応変な対応によって現在の医療水準が保たれています。
9月29日時点までNGUYEN TRI PHUONG病院が必要としている医療物資は以下の通りです。
国内資源が枯渇し、地元のボランティア団体が次々と撤退している
この160日間のロックダウン期間では、多くのボランティア団体がタイムリーに行動を起こしてくださったおかげで、今一段落して、状況回復の兆しが見えるようになってきました。
しかし、多くのボランティア団体が10月から「活動停止」を発表しています。メディアも徐々にコロナ状況に対する話題を取り上げなくなっており、各病院から救援依頼を発信することが難しくなっています。
CHO RAY病院への医療物資救援をサポートして頂いたAITAA団体も10月から活動中止
そのため、日本に住んでいる私たちは今こそ、国内のボランティア団体の力になるべきのではないでしょうか?
コロナ後の人工呼吸器の役割
様々な医療物資がある中、人工呼吸器を中心に支援を行う理由は、人工呼吸器はコロナ対応時のみならず、コロナ後も全ての病院で必要となる医療設備であるからです。
現在感染状況が比較的落ち着いてきている状況ではありますが、専門家会議では「今こそ、次なる波を見据えるべき」という予告もあり、医療提供体制の整備の中に、人工呼吸器の最低限の数を提供するのは最も重要な課題です。現在、NGUYEN TRI PHUONG病院でも人工呼吸器が20台足りていないと報告を受けており、コロナ後でも心肺停止、換気不全や酸素化不全を呈する各呼吸不全、重症うっ血性心不全、脳圧亢進の中枢神経疾患、多発性肋骨骨折、重篤な外傷や疾患を持つ患者さんのために使用し続ける予定だそうです。
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プロジェクト終了まで残り9日間ですが、たとえ一食分の支援であっても、皆さまのご賛同はパンデミックと戦うための大きなエネルギーになります。いつかコロナが明けたときに、笑顔でみんなが抱き合える日の為に、是非皆さんのお力をお貸しくださいませ。