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【地酒を醸す水尾】酒米と農家を守り 次世代を担う新しい日本酒を醸したい!

「水尾」の契約農家の皆さんが手がける最高品質の酒米「ひとごこち」。しかし、水害やコロナ禍により、今年、その酒米は行き場を失うことに…。酒蔵にも、農家にとっても辛く耐え難いことです。そこで、その酒米を使い次世代を見据えた新しい日本酒を研究し、完成までを皆さんと体験し成長させる企画を立ち上げました。

現在の支援総額

10,888,610

362%

目標金額は3,000,000円

支援者数

1,155

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2021/10/13に募集を開始し、 1,155人の支援により 10,888,610円の資金を集め、 2021/11/25に募集を終了しました

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【地酒を醸す水尾】酒米と農家を守り 次世代を担う新しい日本酒を醸したい!

現在の支援総額

10,888,610

362%達成

終了

目標金額3,000,000

支援者数1,155

このプロジェクトは、2021/10/13に募集を開始し、 1,155人の支援により 10,888,610円の資金を集め、 2021/11/25に募集を終了しました

「水尾」の契約農家の皆さんが手がける最高品質の酒米「ひとごこち」。しかし、水害やコロナ禍により、今年、その酒米は行き場を失うことに…。酒蔵にも、農家にとっても辛く耐え難いことです。そこで、その酒米を使い次世代を見据えた新しい日本酒を研究し、完成までを皆さんと体験し成長させる企画を立ち上げました。

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リターン追加!
なんと!
「パティスリー・ヒラノ」とコラボ!

飯山のスイーツの名店「パティスリー・ヒラノ」さんとのコラボリターンを追加いたしました!
今回の「水尾 守・破・離」を材料に使ったチョコレートを制作していただけることになりました!

「水尾 守・破・離」の火入れ各1本とチョコレート4個入のセットです!

「パティスリー・ヒラノ」さんは、弊社の隣の隣にあるスイーツの名店。連日、購入待ち・カフェ待ちのお客様の行列ができます。今回は「水尾 守・破・離」のお酒を使ったチョコレートを特別に制作。限定コラボ・リターンとさせていただきました。お酒もスイーツも大好きな方やバレンタインの贈り物におすすめです!(2022/2月上旬発送)



【地酒を醸す水尾】酒米と農家を守り次世代を担う新しい日本酒を醸したい!

はじめましての方も、あらためましての方も
みなさまこんにちは。

田中屋酒造店「水尾」の
クラウドファンディングを訪れてくださって
本当にありがとうございます!

田中屋酒造店 当主の田中隆太です。

豪雪地で6代、土地の水、土地の米、土地の人で
「地酒」を醸し続けています。

田中屋酒造店は長野県の最北、豪雪地の飯山市にあります。
冬は積雪が2mを越え、酒造りは雪に覆われた蔵で行われます。

造り水はさらに15kmほど北へ向かった水尾山の湧水。
酒米は市内で契約栽培する「ひとごこち」と
隣町の木島平村で同じく契約栽培する「金紋錦」。
酒を造るのは、雪国・飯山の趣向を良く知る地元の蔵人たち。

「水尾」とは、奥信濃の自然の恵みを用いて
奥信濃の人の手によって造り出される、まさに「地酒」なのです。

2012年には第83回関東信越国税局酒類鑑評会・最優秀賞という
非常に励みとなる賞をいただくこともできました。

「良い水、良い米、良い人で、当たり前に良い酒を造る」

そのポリシーのもとに続いてきた日常が一変したのが
2019年10月の台風19号による水害でした。

酒蔵を襲った濁流
絶望の闇と希望の光を見た2ヶ月間

飯山市を流れる穏やかな一級河川の千曲川は
一夜にしてその姿を変えました。

濁流でいっぱいになった千曲川に
蔵のほど近くを流れる支流の皿川の水は流れ込めず
ついには逆流し、堤防が決壊。
そして、酒造りの要である麹室をはじめ
酒蔵の設備の8割が浸水したのです。

2019年の飯山市街地の浸水の様子(飯山市公式サイトより)
水がひいた後も大量の泥が酒蔵を覆い気持ちは深く、深く、沈みました。

それでも前を向けたのは、お客様や取引先、
そして、同業のみなさま300人以上もの人が蔵にかけつけ
復興の手助けをしてくださったからです。

おかげさまで、2ヶ月遅れではありますが
年内に2019年の仕込みをはじめることができました。
そのときの感謝の気持ちは、一生忘れることのできないものです。

酒造りの命とも言える麹製造室は新築したばかりでしたが、これも腰まで水没し、改めて建設し直さざるを得ませんでした

ここからひと踏ん張り。
そう思って立ち直りかけた矢先に襲ったのが
新型コロナウイルス感染症でした。

農家と酒蔵は二人三脚。
酒を造ることは、農家を、農地を、風景を、
地域を守ること。

ここからはみなさまご存知の通りです。
飲酒の機会が激減し、多くの蔵が
多大な販売不振に直面しています。

わたしたちも、水害の被害が癒えないなかでの
コロナの打撃は計り知れないものがあり
回復の兆しは見えず、苦境はまだ続いています。
酒蔵としては製造計画の縮小を考えないわけにはいきません。

2021BYの造りに向けて洗米の計画を立てる蔵人

2021BYの造りを直前に控えた蔵では清掃作業など準備が着々と進んでいます
(2021年9月29日撮影)

一方で、使用する酒米は全量、地元契約栽培米。
1年以上前から商品計画や醸造計画をもとに
打ち合わせを重ね
より良い酒のために、より良い米を!と
水尾のためだけに育てていただいているものです。

地元の酒米農家と酒蔵が語り合う「金紋錦サミット」の様子

わたしたちの仕事は「酒を造ること」ではありますが
その先には、綿々と続いてきた
地域の産業を守る使命があり
地域の風景を守る使命があります。

 山や里に積もる豪雪
 豊かに湧き出る雪解け水
 重く垂れた穂が揺れる豊穣の水田
 酒造りに勤しむ職人の熱いまなざし
 飲み交わす人の心からの笑顔

それらを守っているのが、わたしたち酒蔵であるというと
大上段に構えているように見られるかもしれません。

けれど、自然の恵みや人の努力を使わせていただくからには
わたしたちは支えてくれるすべてのものを守りたい、
わたしたちだから果たせる使命に心を砕きたいと思うのです。

一方、現実には、今の出荷状況では到底使いきれない
丹精込められた素晴らしい酒米が目の前に余っています。

何ができるか。
いつまでも、下を向いていても
なにも始まらない。

わたしたちにできることは
酒を造ることのみだと
改めて思い至りました。


目指すのは次世代に求められる
新しい日本酒の形


とはいえ、普通に造って販売しても
コロナ禍で出荷できる酒量は限られます。

そこでわたしたちが考えたのが、
高品質にも関わらず今年行き場を失ってしまった
水尾の契約栽培米「ひとごこち」を用いて
次世代を見据えた新しい日本酒を研究し、完成させ
その過程を皆様とともに体験し、成長させることです。

日本酒は、国酒として多くの皆様に愛されてきました。
しかし、時代の変化とともに、
消費量が減っていることは否めません。
これから先も日本酒を愛飲していただくためには
現代の、そして未来の食生活や嗜好を踏まえた
新しい日本酒が求められます。

新しい日本酒が受け入れられることで
また来年も、再来年も、何十年先も、農地と農家が守られ
わたしたちが酒造りを続けられ
飯山に広がるこの美しい風景はこのままに残ると信じて。

新しい日本酒とは?

新しい日本酒とは何か。
その軸となるのが、次の5点です。

①低アルコール酒
②無濾過原酒
③生酒とびん燗火入れ
④7号酵母で食中酒
⑤高品質

**************************

①低アルコール酒

日本酒は、日本酒酵母と醸造法の特性上、
通常、アルコール度数18%前後に仕上がります。
ビールは5%程度、ワインは10〜15%と考えると高い数値です。

あまりに高い度数は飲みにくさにつながり
日本酒離れの一因のひとつともなっています。

その点、低アルコールの日本酒は飲みやすく
〝日本酒の入り口〟のような存在になってくれるはず。

しかし、低アルコールの日本酒は発酵が難しく
オフフレーバーが生まれがちです。

オフフレーバーとは
予期しない化学変化や劣化によって生まれる
日本酒のおいしさを損なうような香りのこと。

そうした醸造の難しさをこれまでの研究などを踏まえ
解決しながら、まずは低アルコールの日本酒を造ります。


②無濾過原酒

現在、市販される低アルコールの日本酒の多くは
高いアルコール度数の日本酒を水で割って造られます。

しかし、この割水によって
できあがったばかりの日本酒だけが持つ
驚くほど華やかで、ふくよかな香味は
残念ながら薄れてしまうのです。

生まれたままの無濾過、原酒の日本酒は
お米が原料とは信じがたいほどのフルーティーな味わいと香り。

これを飲んでいただければ、誰もが日本酒を好きになる…!
と思うほどに、とにかくたぐい稀なおいしさなのです。
このおいしさは絶対に伝えたい!

ではどうするか。

こたえは、無濾過原酒です。

本来アルコール度数18%前後に仕上がる日本酒を
技術を駆使することで、醸造後に割水することなく
ワインと同程度の13〜15%の日本酒とするのです。
その技術は容易なものではありません。

それでも、生まれたままの味わいと
水尾本来の「旨みの濃さ」を出す醸造方法を見極め
甘さ控えめでバランスの良い酒質を目指します。

仕上がりには軽いガス感もわずかに残ししぼりたてのさわやかさをお楽しみいただきます。

しかし、お酒は日に日に変化していきます。

そこで…目指すのは「お届けは瓶詰めして1週間以内!!」

このスピードで酒蔵の店頭に並ぶことがあっても
お客様のお手元にお届けできることは、ほぼありえません!!

1日でも、1時間でも早く、しぼりたてをみなさまにお届けします。


③生酒とびん燗火入れ

瓶詰めした無濾過原酒は
「生酒」と「火入れ」のセットでお届けします。

生酒の方がフレッシュさを楽しめるから
今回の趣旨には合うのではないかー。
そう思う人もいるかもしれません。

火入れについては
長年来、試行錯誤してきた技術です。
詳しくはこちらもご覧ください
水尾のこだわり 第11話 「火入れの技術」
水尾のこだわり 第7話 「できたての風味を生かす」

もともと生酒のままでは
いずれオフフレーバーが発生してしまいます。
それを防ぎ、搾りたての香味バランスを保つ最善の方法が
びん燗火入れなのです。

生酒の状態で瓶詰めし、瓶の状態で加熱すること3分ほど。
その後、冷水で急速に冷やすこと5分。
このわずかな時間で火入れを行うことが、味わいの秘訣。

よりはっきりとした
輪郭が浮かび上がる酒に仕上がります。

生酒は季節限定のお酒として魅力があり
びん燗火入れは通年安定した品質を届けられる魅力があります。

蔵にとってはどちらも同等に必要な魅力です。
そこで、今回の取り組みでは
生酒と、びん燗火入れの両方を味わい、評価していただき
いずれのタイプでも最良の酒質を目指します。


④7号酵母で食中酒

無濾過原酒のお酒は
近年の日本酒界の主流を占めるようになってきました。

多くの日本酒が吟醸酵母を用いて
現代もてはやされる「吟醸香と甘さのバランス」を尊重した
無濾過原酒や無濾過生原酒を多く発売しています。

しかし、水尾はこのムーブメントにも
一石を投じたいという思いがあります。

というのも、水尾が目指すのは
「脇役の酒」だからです。
それは、料理の旨みを引き出しながら何杯でもすいすいと飲める
上等な白身魚のようなお酒です。

詳しくはこちらもご覧ください
水尾のこだわり 第4話 「脇役の酒 水尾」

そのために、これまでも当社の主軸として用いてきて
「7号酵母」(泡有)を使い、ナチュラルでふくよか、
そして旨みのある「食中酒」を目指します。

7号酵母は
長野県「真澄」発祥の、いうなれば長野県のテロワール酵母であり
日本酒が一番消費されていた時代に
日本でつくられる日本酒の
8割近くが7号酵母を用いていたほどの
実力のある酵母です。

現在の主流は泡無の7号酵母ですが
水尾では、オリジナルの泡有の7号酵母を用います。

今回も、7号酵母(泡有)で
キレのある、いつまでも飲んでいたい
食中酒を目指します。


⑤高品質

今回使用する酒米は
飯山市内の「柳原営農組合」と「外様営農組合」が栽培する
最高品質の「ひとごこち」です。

今回は、その「ひとごこち」を49%まで精米し
純米大吟醸という、最高品質の規格で醸造します。
もっとも心と技とを研ぎ澄ませて望む純米大吟醸。

そこには、これからの水尾の酒造りにおいて
目指すべき試金石としたいという思いがあります。


**************************

お届けするのは3本の醪(もろみ)
「守破離」
生酒とびん燗火入れ、全6品です

 5つの軸のもと
今回、醸す日本酒は、次の3タンク6種類の日本酒です。

①「水尾 守」 生/火入
②「水尾 破」 生/火入
③「水尾 離」 生/火入

「守破離」シリーズと名付け
3段階に分けて水尾の新しい日本酒の形を目指します。左から「守」「破」「離」
いずれも、①生か火入 ②720㎖か1.8ℓ をお選びいただけます

①「水尾 守」 生/火入
[11月下旬 瓶詰め/火入れ]

〝守〟とは、ひとつの流派の伝統的な教えや
型、技を忠実に守り、身につける段階です。
昔からの醸造技術に基づいて醸造します。

②「水尾 破」 生/火入
[12月下旬 瓶詰め/火入れ]

〝破〟とは、別の流派の教えについても考え
良いものを取り入れ、発展させる段階です。
〝守〟とは一転、新しい技術を取り入れて醸造します。

③「水尾 離」 生/火入
[2022年1月中旬 瓶詰め/火入れ]

〝離〟とは、流派から離れ
独自の新しいものを生み出し確立させる段階です。

前2本の試験醸造を参考にしながら
最も良いと思われる醸造技術を選び
最適で最良な低アルコール酒の完成品を目指します。

完成形を目指す〝離〟と違い
〝守〟〝破〟は模索段階であり、未熟な面もあるかもしれません。

それすらもさらけ出し、SNSを通じて意見を募り
蔵元や蔵人自らもすべての意見に目を通し、言葉をかわし
議論を尽くし、その過程をみなさまとともに楽しみながら
次の1本に進んでいきたいと考えています。


リターンにご用意するのは4セットです

①守破離 生 720㎖・3本セット

②守破離 火入 720㎖・3本セット

③守破離 生 1.8ℓ・3本セット

④守破離 火入 1.8ℓ・3本セット

*生or火入は、商品選択の際にお選びいただけます
*生はクラウドファンディング限定商品です


酒販店とともに

苦境にあるのは、ともに歩んできてくださった酒販店の皆様も同じです。
今回のプロジェクトではお酒の販売を酒蔵が担うので
酒販店の皆様には「広告宣伝」をお願いしました。
申込み時に、オプションで「ご紹介酒販店」をご記入いただけます。
ご紹介数に応じた広告費を酒販店様にお支払いいたします。

ぜひ、「ご紹介酒販店」様をご記入ください!
お近くの水尾お取扱店はこちらをご参照ください。

水尾お取扱店

※水尾特約店に限ります。酒販店名が判別できない場合につきましては、
大変申し訳ございませんがカウントはいたしません。


最後に

みなさまから事前に支援をいただく
クラウドファンディングという形は
これまでの商売とはまったく異なるもので
挑戦することに迷いがなかったわけではありません。

ですが、目の前には余ってしまう
廃棄しなければならない可能性のある
すばらしい酒米がある。

まずは前を向いて、とにかくチャレンジするのみ。
そう思って、初めてのクラウドファンディングに
蔵人一丸となって、挑戦することにしました。

これまで、酒の会や試飲会などに参加してきましたが
醸造のリアルタイムに近い形で飲み手の声を受け取り
まるで日本酒を一緒につくっているような時間を過ごすことは、
これまでに体感したことのない経験になるだろうと思います。

それは、蔵元にとっても、蔵人にとっても
かけがえのない時間になるに違いなく
今からとても楽しみです。


逆境すらも楽しみに変えて
今を乗り切っていきたいと思います。

みなさまのご支援をぜひよろしくお願いいたします。

そして、一緒に楽しんでいただければ幸いです。
そうして、明るい光が農家に、酒蔵に、
何より、みなさんの日常にも差し込むことを願って!


**************************

<プロジェクトオーナーについて(特商法上の表記)>
※プロジェクトオーナーとして資金を集めるにあたり、特商法に基づき次の表記をお願いしております(法人、個人を問いません)。以下の雛形をご利用ください。

■特定商取引法に関する記載
 ●販売事業者名:株式会社田中屋酒造店
 ●協力企業:パティスリーヒラノ
 ●代表者または通信販売に関する業務の責任者の氏名:・・・代表取締役 田中隆太  
 ●事業者の住所/所在地:〒389-2253 長野県飯山市大字飯山2227  
 ●事業者の電話番号:Tel: 0269-62-2057
 ●送料:送料込み
 ●対価以外に必要な費用:プロジェクトページ、リターンに記載のとおり。
 ●ソフトウェアに係る取引である場合のソフトウェアの動作環境:該当なし

 ●今回ご入力いただいたメールアドレスは、今後弊社からのお知らせや ダイレクトメールなどをお届けするためにのみ使用させていただきます。
 ●その他記載事項:プロジェクトページ、リターン記載欄、共通記載欄(https://camp-fire.jp/legal)をご確認ください。

<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

最新の活動報告

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  • 発送時に同封いたしました、杜氏・社長コメントのまとめとなります。離の発送時に同封できなかった離の杜氏コメントも掲載いたします。杜氏コメント【水尾 守】「水尾 守・破・離」シリーズの第1回目となる「水尾 守」についてですが、コンセプト通り等当蔵での伝統的な醸造方法に基づき、水尾らしい透明感のあるお酒を目指して造りました。水尾の定番品である「特別純米酒」を模範し、中吟造りによる香りと味わいを重視し、低アルコールでもしっかり日本酒として楽しんでいただけるお酒に仕上がったと思います。 通常品の様に搾ってからの加水と違い、搾る前の醪の段階での加水(水四段)には、味が薄くなってしまうことのへの不安がありました。そのため、醪中でも旨味の濃いお酒に醸せるよう、糖度や酸度といった旨味成分と糖化と発酵のバランスに気を配りながら造った故の味であると考えます。【水尾 破について】 「水尾 守・破・離」シリーズの第二回目となる「水尾 破」に関してですが、当初のコンセプト通り新しい醸造技術を積極的に取り入れ、第一回目の「水尾 守」とは違う酒質を目指しながらも、水尾らしい透明感のあるお酒に仕上がるように造りました。 「水尾 守」同様に醪への水四段(醪の段階で水を加える事)という形は変わりませんが、「水尾 破」についてはアルコール分を14%から13%に引き下げました。より主流の低アルコール酒に近づけつつも、水四段量が増えることによる味薄対策と最新技術の取り入れとして、使用する麹の量を増やすとともに、麹の一部により力の強い麹菌を使用し、水四段も醪へのストレスを極力減らす為、複数回に分けて行いました。 その成果として醪中でも吟醸酒並みの糖度を残しつつ、糖化と発酵のバランスも保ちながら搾りまで至れました。搾り上がった「水尾 破」は、13%の低アルコール酒らしくスッキリと柔らかい中にも、程よい甘みと酸味が共存したお酒に仕上がりました。【水尾 離について】 「水尾 守・破・離」シリーズの第三回目であり、最後を飾る「水尾 離」についてですが、コンセプトにある通り前2本の「水尾 守」と「水尾 破」の醸造を参考にし、これまでの中から水尾の低アルコール酒の完成形を目指し、醸造技術の選定を行いながらも水尾の特徴である透明感を感じれるお酒になるように造りました。 「水尾 破」同様に醪への複数回に分けての水四段、アルコール13%、力の強い麹菌を使用という点は変わりませんが、「水尾 離」ではより透明感と旨味のある酒質を狙い、水四段と力の強い麹菌の使用量を増やしました。これにより「水尾 離」はメロン様の香りがあり、爽やかな中にも程良い甘みと酸味が共存し、旨味のある酒に仕上がり、「水尾 守・破・離」シリーズの集大成に相応しい出来に至れたなと感じています。株式会社 田中屋酒造店杜氏 久保田 剛光社長コメント【水尾 守について】 「水尾クラウドファンディング」におきましては、皆様の温かいご支援を誠にありがとうございました。おかげさまで達成金額は1千万円を超え、「水尾 守・破・離」シリーズの予定生産数量の約半分のご注文をいただくことが出来ました。これで来年度の酒米についても農家の皆様へプラスして申し込むことができ、以前の契約数量に近づくことができます。おいしいお酒を造り、おいしく飲んでいただくためには、酒米の契約から始まり様々な要素における毎年のリズムがとても大事だと考えています。皆様の温かいご支援に重ねて心より感謝いたします。 「水尾 守」は「味わいや香りが濃い、低アルコール無沪過原酒」、「甘味でなく旨味を基調とする酒」という描いたイメージに近い、とても良い仕上がりとなったかと思っております。試験醸造の後も、貯蔵条件・酒質の変化・飲酒温度・生酒と火入の違い・ガス感の印象と変化など貯蔵・テイスティング面での試験をしていく必要があります。 試験醸造としてもたいへんな成果がありました。少なくとも新しい醸造方法として安定した結果が出せる可能性が高いということが、「水尾 守」で確認できました。この後の「水尾 破」、「水尾 離」では麹歩合を変え種麹を変えるなど、さらに思い切った取り組みで12%~13%無沪過原酒を試せることとなりました。【水尾 破について】 新しい時代の日本酒とは何か。すべての酒類において「酒」に求められるものは何なのか。日本酒がその中でどんな立ち位置でどんな役に立つことが出来るのか。そんなことを考えながら今回の「水尾 守・破・離」シリーズに取り組んでおります。「水尾 破」は批判されることも念頭に思い切った試みを取り入れています。今までの日本酒のうまさの概念からかなりはずれていると思われる方もいるかもしれません。 しかしながら、さわやかで豊かな香り、軽やかな甘みと酸味、しっかりしたビター感ある旨味、体にやさしい低アルコール、すべてのバランスからくるキレの良さ等々、狙うべき試験要素はしっかりと試すことが出来たと思っています。おそらく様々な料理と合わせ飲む食中酒として、かなりのポテンシャルを持った酒に仕上がったと思っております。 こういったお酒の造り方における技術研究面でも、「水尾 破」でその基礎部分は確立されるレベルまで理解できるようになりました。我が蔵にとって大きな成果です。【水尾 離について】 今年は昨年までの杜氏の鈴木が大杜氏となり完全に指導にまわり、新・杜氏の久保田、副杜氏の竹島の元で造る我が蔵において最初のシーズンとなっています。はからずもそんな年に、今回の「水尾 守・破・離」シリーズの様に従来の酒造りの型を外して造る酒があるのも、何かの縁かもしれません。ここ4年~5年の大杜氏からの引継ぎの中で、杜氏・副杜氏にとっては卒業論文のような取り組みになっているのではないかと思います。 大杜氏は弊社の酒造りが基本を少しでもはずし気味に傾くと、非常に厳しく指導をします。それはおそらく「水尾 守・破・離」シリーズのラベルにもある、「規矩(きく)作法 守り尽くして破るとも 離るるとても本を忘るな」の意味が長い酒造りを通して身に染みて分かっているからだと思います。そんな大杜氏が「水尾 守・破・離」シリーズに関しては、その出来をしっかり褒めてくれているのが印象的です。 最後の「水尾 離」は仕上げに相応しい、香り・甘辛酸・旨味の調和したナチュラルで飲み飽きしない、そしてやさしいアルコールの酒に仕上がったかと思います。今回のコンセプトに最も近い酒になったのではないでしょうか。これから後の「水尾」の未来を想像しながら、楽しんでいただければうれしく思います。株式会社 田中屋酒造店代表取締役 田中 隆太 もっと見る

  • 全国的な大雪となりました。関東にも明日雪の予報が出ております。十分お気をつけてお過ごしください。蔵ではついに中庭と2階がつながってしまいました。飯山でもここまで降るのは10年ぶりのこととなるそうです。さて、後からリターンに追加いたしました、「パティスリーヒラノ 守破離チョコ」セットを昨日2/8(火)に発送いたしました。大変急な発送となり申し訳ございません。チョコレートについてご紹介させていただきます。(パティスリーヒラノInstagramより)https://www.instagram.com/p/CZjjcPDlsen/?hl=ja【水尾・守 破 離のチョコレート】去年の秋、すぐご近所の田中屋酒造店さんがクラウドファンディングを行いました。詳しく書くと長くなってしまうので大まかにしますね。数年前の台風19号…そしてコロナによる影響で仕込みに使うお米が山積みになってしまったそうです。そのお米を使って出来上がった3種のお酒に「守 破 離」と名づけたそうです。出来上がったお酒を預かってそれぞれのチョコレートを作りました。飾りはどうしようか…田中屋さんの想いを平野社長が感じた「結び」で表現しました。支援してくれる方、地域の方、美味しいお米を作って下さる農家さん、田中屋さんスタッフ、ご家族。関わっている方との絆を小さな箱に表現いたしました。素晴らしいデザインに、お酒ごとの個性がでているとてもおいしいチョコレートです!こちらはパティスリーヒラノ様でも販売しております。 もっと見る

  • 度重なるコロナウイルスの感染拡大はオミクロン株が猛威をふるっておりますが、寒造りまっただ中、蔵では美味しいお酒が次々と搾られる時期となっております。今年はたいへん雪が多く、雪に覆われた中で酒造りを行っています。自然は力強く、雪が頻繁に降ることによって空気は洗われ、酒造りにも、人にも良い環境がもたらされています。さて、守破離シリーズの最後となる「離」の出荷日が決まりました。生酒のみ:1/28(金) 出荷火入のみ・両方 :1/29(土)~31(月) 出荷「水尾 守」、「水尾 破」で確認した技術をしっかり使い、ナチュラルで優しく飲める、最もコンセプトに近いお酒になったかと思っております。 もっと見る

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