クラウドファンディング開始より12日を迎えることができまして、多くの方々より私たちの活動に関心をお寄せいただきましてありがとうございます。
昨日11/18(土)には、Well-Bメンバー二人で早稲田大学で催されたブータン・サロンに参加させていただきました。「ブータンの伝統建築改修工事とそれに関わる人々」のテーマのもと、ブータン内務文化省文化局文化財保護部元職員の石田香澄さんによるルンツェ・ゾン改修工事、それを取り巻く石工さんや左官屋さん、僧侶、村人などの活躍ぶり、また、窓などの建築様式や事細かな現地で活躍された方ならではの体験談をまじまじと伺えました。公演に参加した一参加者としての感想として、今回は述べられればと思います。
個人的には、石田さんが仰っていたブータン人の”心の持ちよう”として、日本人より振れ幅のある余裕を持ち合わせているという考えが気になりました。確かに日本人は、目的に向かって忙しくしている姿が印象的であったり、昔からの制度を保守的に保とうとする点を部分的に取り上げれば、それは石田さんの体験したブータン人がその場ごとに対応を改めて妥協を取れる余裕は、現代社会の日本人には少ない観点かもしれません。
また、GNHの一つの柱である「文化的、精神的な遺産の保存、促進」について、その資金の9割9分をインド政府に負担していることには一種ブータン人の観念が気になるところでした。石田さん曰く、「ブータン人は自分たちのことをすごい貧しいと思うことから、資金を与えてくれる相手には遠慮なくもらう姿勢である」。これは、第4代国王ジグミ・シンゲ・ウォンチュック陛下の謳う「...国や国民の為に経済的独立...を実現し国をまとめること」とは相いれないことから、ブータン政府が思う経済的な面から生じる物質的発展と精神的発展の相補性をどのように捉えているか一層興味を引き立てられる一例でした。
加えて、文化財保護法導入が試みられていることや、ルンツェ・ゾンに裁判所が設置されていたとお聞きし、ブータンにおける法体系やその実践性に関心が湧きました。石田さんのお話を聞く限り、100年を越す建築物を文化財保護法の対象にしようと試みられる中で、現地の方々は申請を出さずその建物の構造を変えてしまうこともあるということから、政府とは反対の下の人々からの文化財保護への理解や、法に基づく義務意識は十分ではないという印象を受けました。実際に、ブータンの方々が世界遺産登録などを除き、西洋的な構造改革にどれほど積極的かは疑問ですが、もし必要とある部分がブータンにあるのであれば、日本は法の整備ではその先進性を生かす機会もあるのではないかと感じられました。
以上、簡単な感想となりましたが、講演に伺うことでブータン調査に向けてより広げられる観点や理解を深められることができました。また、日本ブータン友好協会の理事を務めていらっしゃる弓削康史さん、並びに日本ブータン研究所代表の平山雄大さんを含む方々より私たちの調査法に関する大変ありがたい参考意見をいただくことができました。いただきました意見をもとに、いよいよ近づいているブータン渡航に向けて調査法の具体的な大詰めをしていきたいと思います。
少しでもより良い発見を届けられますよう、少しでもご支援をいただければ幸いです。
どうぞ応援のほどよろしくお願い致します。
Well-B一同
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