今回のお酒・お米のラベルの猫、名前は、あち君といいます。
丸本酒造の丸本さん宅でのんびり暮らしている、ハチワレの男の子です。
でも、丸本さんの家族になるまでには、色々なドラマがありました。
■けいい1 さいしょのかぞく
あち君は、生後6か月くらいの野良だったところを元の飼い主さんに保護されて、一緒に暮らすようになりました。
いつも走り回っている活発ないたずらっ子でしたが、枕元に蝉やトカゲをプレゼントしてくれる優しい一面もあり(笑)、元の飼い主さんの家族の一員として、楽しく、仲良く、幸せに暮らしていました。
当時の写真を見せてもらいましたが、飼い主さんにとても愛され、あちくんもまた飼い主さんが大好きなことは一目瞭然でした。
……でも、止むを得ない事情で、お別れする日がきてしまいました。
元の飼い主さんのご病気をきっかけに、あちくんのお世話をずっと続けていくことが難しくなってしまったのです。
■けいい2 にばんめのすみか
……悩みに悩んだ末、元の飼い主さんは、あちくんをティアハイム小学校に入学させることを決心しました。
何度も何度も振り返り、名残惜しそうに涙を拭きながら帰っていく元の飼い主さんと、
「なんで僕を置いてくの?」ときょとんとしている、あちくん。
私たちスタッフは、その光景を忘れることができません。
ティアハイム小学校でのあちくんは、以前のような、いたずら好きの活発な子、ではありませんでした。
大人しく、いつもちょっとビクビクしていて、ご飯もあまり食べず、「ここは僕の家じゃない」と言わんばかりに無愛想でした。
撫でられることに抵抗はありませんが、嬉しくは無さそうでした。
私たちには、その理由は分かっています。
でもいつか、少しずつ元気になってくれることを信じて、お世話を続けました。
その甲斐もあって、控え目にゴロゴロ、スリスリをしてくれるようになってきました。
そんな折です。あち君が卒業することになったのは。
■けいい3 ぼくのうち
丸本さんは既にティアハイム小学校から猫2匹を迎えてくれていましたが、その後も、ちょこちょこ学校へ遊びに来てくれていました。
そしてあち君の経緯を知って、ぜひ引き取りたいと申し出てくれたのです。
私たちスタッフも、丸本さんなら安心して任せられます。
あち君の元の飼い主さんは、以前から「大切な子です。良い方に見初められて卒業して愛されて欲しいです」と仰っていて、あち君の様子を気にしてよく連絡をくださっていたのですが、自信をもって「とても大切にしてくれる方のご家族になりました!」とご報告することができました。
あち君は現在、丸本さんのおうちで、二匹の猫(ハク君、ユキちゃん)とのんびり暮らしています。みんなとても愛されていて、元気で、健康で、幸せそうです。
ある日、丸本さんが「元の飼い主さんにお渡しください」と、あち君のたくさんの写真を大判に引き伸ばして渡してくださいました。そこには、元の飼い主さんにいただいた写真のように、元気で、お茶目で、心地よさそうなあち君がいっぱい写っていました。それは私たちスタッフも感涙するものでしたから、元の飼い主さんもそれはもう大変に喜んでいただけて、よかったね、あち、と涙ながらに仰ってくれました。
みんなを幸せにしてくれるあち君、ずっとのおうちで、いつまでも幸せにね!
ティアハイム小学校は、やむを得ない事情で飼えなくなった猫を民家なら保護して、次のご家族様に譲渡する施設です。
おちょこの絵のロイ君は、飼い主のおじいさんが亡くなられて、ご家族様に引き取り手がおらず、ティア小に入学した猫です。いまは卒業して、とてもちやほやされながら幸せに暮らしています。
そして、今回ご紹介したあち君。
そんなティア小の活動を代表する猫、あち君とロイ君が今回共演していることは、私たちスタッフにとっても、すっごく感慨深い出来事です。
ティアハイム小学校は、猫を幸せにする活動を、これからもずっと続けて参ります。
皆さんも、ラベルやおちょこ、バッグを見たら、皆さんのご支援が猫を幸せにしていることを、ぜひ思い出してくださいね!