10月から、本の取材が始まりました。
10月7日。秋晴れの空の下、撮影も順調に進みました。
最初の取材は、次男の大造くんが担当する畑とヤギ。
大造くんにとってはおじいさんの4代目政成さんが立ち上げた
政成自然農園を任されています。
自社農園となる畑では、醤油の原料となる茶大豆と小麦の二種類の作物を入れ替わりで栽培。
6月の梅雨入り前に小麦、11月下旬に茶大豆を収穫しています。
明治屋醤油の敷地では、親子のヤギが3頭飼育されていて、
2年前に子供を産んだ母ヤギと一男一女の三人家族。
ご近所さんや子供たちの人気者。今は、敷地に生える草を食べるのがお仕事です。
その後、長男の将平くんと社長の一宏さんと奥様の房枝さんに
明治屋醤油の今のお話を伺いました。
一宏さんは、明治屋醤油の要である醤油造り。
将平くんは醤油造りを受け継ぎながら、工場見学や醤油絞り体験など新しい取り組みを。
大造くんは原料を作る畑の管理と配達&営業。
房枝さんは、経理とお店を担当しながら、家族の間の橋渡し役。
醤油屋という家業を支えるために、家族四人の絶妙なチームワークで
会社を切り盛りしています。
明治屋醤油のいいところは、老舗企業にありがちな社長のワンマン経営ではなく
家族が横並びのチームであるところ。
個人の得意分野は違うけど、それぞれに能力を発揮できているところが
素晴らしいと思います。
当人たちは「成り行き上、そうなった」と言いますが、その中で家族がお互いを尊重して
関係を作ってきたからこそ、今があるのだと思います。
私がお邪魔すると時々工場の裏にある本宅から孫らが遊びにきています。
彼らは楽しそうに走り回ったりして、少々のいたずらを誰も咎める人はいません。
明治屋醤油は「人が人を想う」それを大切にしてきた場所だから、
温かな空気が漂う魅力ある場所になったのだと感じます。
古いものが残っていることに価値があるのではなく、そこにある思いやりの気持ちを
大切にしたいし、残していきたいと思います。