早いものでプロジェクトの残り期間も5日を切りました。
キックオフの翌日から近所の美術館で始まった「信州池田クラフト展」へ参加し
出られる土日は全て顔を出させていただいており、11月20日には
地元紙 信濃毎日新聞の折り込みである「MGプレス」に掲載していただいたこともあり
非常に忙しくさせていただいております。
メッセージへの返信もままならず、大変心苦しく思っておりますが
kigokoro.の2周年記念日である12月12日のイベント出店を最後に
今年の残りは全力で製作にあたらせていただきます!
さて、前回の活動報告で
「50%を突破したら矢絣柄について書きたい」
とお話ししました。
今、どうです?
63%...うん、やっちゃった。
40%台から、朝起きたら59%だったんです...
というわけで矢絣のお話し。
「矢絣」(やがすり)は矢羽絣(やばねがすり)とも呼ばれ、矢尻の羽根の部分を象った
伝統的な和柄です。
大正ロマンな学徒さんがこの矢絣の着物に袴とブーツを合わせた姿がイメージしやすい方が
多いのではないかと思います。
「はいからさんが通る」のアレですね。
現代ではあまり見なくなってしまいましたが、大学の卒業式や成人式でも定番の柄でした。
その理由は柄に込められた意味にあります。
「飛んでいった矢は戻って来ない」
出戻らない事から、こういった成長を祝う節目の柄として特に女性に贈られた柄だそうです。
対して男性はどうでしょう。
男性が戻って来ないとはどういうパターンだと思いますか?
ややセンシティブな話題ですので控えめに言うと、「戦争」です。
よって男性がこの柄を身に付けるのは縁起が悪いと言われておりました。
しかしですよ。時は令和。日本は「平和主義」を掲げる国家となりました。
そんな時代に敢えて男性がこの矢絣柄を身に付けると言うのもアンチテーゼが効いていて
非常に面白いと思います!
さて、kigokoro.にはリターンにも出している2色の矢絣があります。
■絢-aya- 矢絣【真朱】
□絢-aya- 矢絣【紫苑】
です。
厳密にはもう一つ絢-aya- 矢絣【菱】ってのもあるんですがそれはこことは別のお話で。
この2色はまぁ、言ってしまえば矢絣柄の定番の配色ですが、kigokoro.の最高位グレード
絢-aya-の指輪には和柄の持つ本来の意味の他に、僕自身が込めた願いのようなものが
存在します。
絢-aya- 矢絣【真朱】
「真朱」(まそほ)とは、「混じり気のない、純度が高く自然のままの朱」を表す日本の伝統色の名称です。
画像の赤い部分ですね。
人工的な顔料を加えて発色を発色を良くした物を「銀朱」(ぎんしゅ)と呼び、区別していたことから特別なものであったことが窺えます。
矢絣と真朱 この2つの意味を重ねてkigokoro.では
「自然体のままで、自分の信じる道を真っ直ぐに歩いていって欲しい」
という願いを込めました。
天真爛漫で感情豊かなイメージですね。
絢-aya- 矢絣【紫苑】
「紫苑」(しおん)は秋に可憐な花を咲かせ、古くから愛されてきたキク科の花の名前に
由来する日本の伝統色の名称です。
画像の紫色の部分です。
また、紫は古来より最も高貴な色とされ、憧れや敬意の対象として扱われてきました。
矢絣と紫苑 この2つの意味を重ねてkigokoro.では
「自分の道を可憐に、優雅に歩いていって欲しい」
という願いを込めました。
思慮深く、聡明で気高いイメージです。
ちなみにそれぞれの赤くない部分、紫でない部分に使用している木材は
kigokoro.では「灰桜」(はいざくら)という日本の伝統色の名称で呼んでいます。
実際の伝統色の色味はもっとピンク色なんですが、光を受けてキラキラと斑点が輝く様が
散っていく桜の花びらのように見えたことから採用した名称です。
ただ白いだけの木材ではなくてこちらを選んだことで
■木材らしさ
□立体的な美しさ
が加味された大人気のデザインとなりました。
いかがでしたでしょうか。
日本の柄にはまだまだ様々な種類があり、それぞれにきちんとした由来・意味が
込められています。
今回のプロジェクトで作成するウェブサイトはブログを主軸にしたデザインですので
こういったお話をどんどんしていきたいと考えています。
あとこの指輪の作り方とかね。(真似して出来る保証はしませんが)
興味がありましたらもう一押し、最後の欲を満たしてください!!
製作・梱包でへろへろになりながらも(楽しいですよ?)頑張って書いたので
この記事もシェアして貰えたら泣いて喜びます!