こんにちは。pedia事務局の渡邉と申します。 15歳プロジェクトにたくさんのご支援ありがとうございました。 お待たせいたしました。中学生の参加方法が決まりましたのでご案内させていただきます! 中学生の皆さんのご参加お待ちしております。また、お問い合わせのあった高校生につきましては学割の500円とさせていただきます。 (詳細とご応募はこちらから)https://goo.gl/forms/8vmCqSS1tOu6mhBE3 (2018年3月28日締切) また、ご質問等あればメッセージいただければと思います。ご応募お待ちしております!
ご支援ありがとうございました。 pediaスタッフです。 取り急ぎ増員し、pediaサロン2期の募集を開始いたしました。 よろしければご参加くださいませ。 引き続き何卒よろしくお願い致します。 ↓参加はこちら pedia venture program(ペディアベンチャープログラム)
pediaのオンライン中学生参加の4月開講に先立ち、サロンページスタートいたしました。 pedia venture program オンラインサロン こちらの方で連続起業家になるためにはどうしたらいいか、などを有志の方々で先に詰めていければと思います。 ご興味のある方はよろしければご覧いただき、 よろしければ参加、後支援のほど引き続き宜しくお願い致します! 今後もこちらでも更新、進捗のご報告させていただきます。 順次リターンのご連絡が届いていくかと思いますので、ご確認いただけましたら。 引き続き、何卒宜しくお願い致します!
pediaスタッフです。 今回で公開も最終回、そして最終日になります。 何卒、引き続きよろしくお願い致します。 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ●起業は「強くてニューゲーム」でプレイしろ 若い人なら「強くてニューゲーム」という言葉を知っているだろう。 「クロノ・トリガー」を代表とするロールプレイングゲームでは、いったんゲームをクリアしたら、クリア時点でのレベルやアイテムを引き継いで新しいゲームで遊ぶことができる。この仕組みを「強くてニューゲーム」という。 通常なら、レベルも一番下の、アイテムもロクに持っていないまっさらな状態からゲームをスタートしなければならないが、「強くてニューゲーム」はそうではない。強い状態を維持したまま、新しいゲームを始められるのだ。強いレベルで、ステージを容易にクリアすることができるため、ゲームが格段にやりやすくなり、もっと高いレベルのステージに挑戦しやすくなる。 会社経営もこれと同じだ。 2度目の起業ともなれば、付き合いが長く、能力も気心も知れた人材でチームをつくることが最初のときよりも容易だ。1度目の起業の際に付き合いのあった会社の人がジョインしてくれる可能性だってある。信頼関係もそこそこできあがっているため、相手の腹を探る必要もないし、安心して仕事を任せることができる。 僕が現在経営している会社は、2017年11月現在、新体制となって10カ月めだ。僕の会社の役員は、ほとんどが2017年3月に就任している。ところが、出会って間もない人ばかりかというと、そんなことは全然ない。ほとんどのメンバーは僕と5~10年近く付き合いのある人間だ。 以前、僕が経営していた会社にいて、その後、回り回ってまた入ってくれた人もいる。何が得意かも知っているから、仕事がしやすい。以前の取引先の人もいれば、仕事には発展しなかったものの、やり取りだけは続けていた人もいる。相手も僕がどんな人間か、僕の経営する会社で求められるものは何なのか、をわかって入ってきている。「こんなはずじゃなかった」とすぐに辞められて、またメンバーを探すという時間の無駄もない。 これはお互いにとってとてもハッピーな関係だ。 ●会社を売っても「関係性」は残る 人材だけでなく、取引先や外注にしても同じことがいえる。 以前経営していた会社の時代から付き合いのある取引先なら、そのときに構築した関係性は消えずに残る。 自分の会社は、M&Aで売ってしまえばハードもソフトも買い手側に行ってしまうが、関係性はそうではない。 取引先も「この人は前の会社を経営している間、毎月きちんと延滞することなく支払いをしてくれた」と覚えている。そのため、再度起業しても、信頼関係が残っているからさほど警戒することなく、新たに取引を始めてくれるだろう。こうした信頼関係を一から構築するのと、ある程度構築されたところから始めるのとでは、事業立ち上げのスピード感が全く違ってくる。とくに取引先の場合、ある程度こちらの会社の認知度が上がらないと、取引の入口にさえ立たせてもらえない。 それほどビジネスにおける信頼関係は大事なのだ。 外注先も同じだ。会社のホームページを作るウェブの制作会社、会社案内を作る印刷会社も、一から探すととんでもない時間がかかる。「ここがいい仕事をしてくれた」とわかっていれば、業者探しから始めるロスタイムもなくなる。 税理士や会計士、弁護士などの士業についても同じことがいえる。彼らとはとくにM&Aを経て関係性が急速に密接になることが多い。要は、たとえ事業内容は変わっても、経営者当人に対する情報や関係性は蓄積され、残っていくということだ。とくに信頼関係は、会社を売っても消えるものではない。自分の経験値もどんどん上がっていく。この点を最大限に活用できるのが連続起業家の強みだ。 ●会社売却で「目立つ色の付箋」が貼られる会社を売却すると、急に「フォロワー」のような人が増えることになる。 僕は相手のことを知らないのに、「正田さんのこと、聞いていますよ」「こういうエグジットを経験されましたよね」などと言われる。仕事の打ち合わせでも過去の経験や経緯をいちいち説明する必要がなくなり、話がスムーズに進む場面が増えた。 著名な起業家を見ても、売却経験のある人に対しては社会が大きな期待を寄せていることがよくわかる。 まだ何もしていないのに、「次はこういうことをやろうと思います」と表明するだけで取材が来たり、情報が拡散されたり、ベンチャーキャピタル(VC)が出資を申し出てきたりする。自然と人が寄ってくるのだ。 このように自分の認知度が上がることは、ベンチャー企業にとっては得がたい、大きなアドバンテージになる。 情報過多の現代では、ベンチャー企業がプレスリリースを出してもすぐに他の情報に埋もれてしまうし、ツイッターやフェイスブックで情報発信しても、あっという間にかき消されてしまう。 しかし、M&Aエグジット経験があると、膨大な紙の束の中に一つ、「目立つ色の付箋」が貼りつけられたような状態になる。つまり、人目につきやすくなるのだ。最初に立ち上げた会社に固執せず、一度売るという体験をしてみよう。会社は結婚とは違う。一度立ち上げた会社と一生を添い遂げなければならないわけではないのだ。起業と売却を繰り返せば経験値は上がり、社会的評価も上がる。ちょっと情報発信するだけで周りが気にしてくれるようになる。シリアルアントレプレナーは得なことばかりである。 再度起業するにしても就職するにしても、会社を売却した経験は、あなたの経歴を彩る実績になるはずだ。 ●会社経営の「おいしい部分」を何度も味わう起業と売却を何回か繰り返すと、会社経営の「おいしい部分」を何度も味わえる。 会社も人の一生と同じで、誕生(創業)から成長、衰退までのライフサイクルがある。会社を売却するときは、成長期のどこかで売ることになる。成長曲線に入っているタイミングで売ったほうが大きな利益を見込めるからだ。 日々の会社経営は、案外地味な業務が多い。ところが会社を売却するとなると、弁護士、税理士の協力も得ながら会社全体で準備に追われ、一種の「狂騒状態」が生まれる。ふだんの地味な毎日と比べれば、まるで「お祭り騒ぎ」である。 そんなお祭り騒ぎの結果、ついに会社が売却される。大金が手に入る。そのお金を使ってしばらく休み、またおもしろいビジネスを立ち上げる。うまくいけば、また売却することができるかもしれない。 このように連続起業をすると、会社を立ち上げて新規事業を伸ばし、価値を最大化したところで売るという、会社経営という仕事のもっともおいしい、エキサイティングな部分を何度も体験できるのだ。 10年間で1つの会社しか経営しなかった人と、3つの会社を立ち上げて3回売却した人、どちらのほうがより人生の経験値が高まるだろうか? 僕は、間違いなく後者であると断言する。 例えば、飲食店を20年経営し続けた人がいたとする。1つの店を立ち上げて20年存続させるのは、並大抵の努力でできるものではない。 ただし、一店舗で学べることは限られると思う。初めての起業なら、最初の3年で得る学びは相当大きいはずだ。5年目までも、何かしら学ぶことがあると思う。しかし、最初の5年間とその後の15年間を比べると、後の15年間における全く新しい学びはどうしても少なくなってくるのは仕方のないことだ。 ある程度事業を成長させられたら、どこかのタイミングで売って、少し違った領域で、あるいは全く別の業種で会社を始めてみよう。すると、また違った人生を送ることができるはずだ。 ●会社を売却すると寿命が延びる? 会社を売ることは、ファイナンス的に説明すると、5年後、10年後にしか手に入らないはずの利益を、今、まとめてもらえることでもある。 会社の値段は、詳しいことは第5章で後述するが、会社が将来稼ぎ出すキャッシュフローで決まる。 厳密に言えば、現在その会社がどれくらいの利益を生み出しているのかを算出し、それを基に、将来どの程度の利益を生み出すかを予測する。 その上で、それを現在価値に換算するやり方だ。細かい話は拙著『ビジネスの世界で戦うのならファイナンスから始めなさい。』と『ファイナンスこそが最強の意思決定術である』(いずれもCCCメディアハウス刊)を読んでいただきたい。 会社の値段はDCF(ディスカウントキャッシュフロー)法という計算の仕方で求めるのが一般的だが、ここら辺を解説している本は数多く存在するので、もちろん僕の本で勉強していただければうれしいが、この話だけなら世の中のたいていの本で事足りるから読んでみてほしい。 簡単に言うと、タイムマシンに乗って、未来の利益をもらってくるイメージを思い描いてもらえればいい。 つまり、会社を売却すると、未来の利益も含めて会社の価値を算出し、買い取ってもらえることになるのだ。将来生み出されるはずの利益を先に手に入れるのは、時間を先取りすることと同義だと言えるのではないだろうか。 将来の利益を数年分先取りするということは、会社を売れば寿命が数年延びるということと同義である。これが、僕が会社売却を進める最大の理由だ。会社売却は未来の利益を先取りするため、お金も時間も一度に手に入れることができるのだ。 僕は、自分の会社を売却するたびに、こうした経営のもっともエキサイティングな部分を味わい、時間を先取りしてきたことになる。 今、僕は31歳だが、まるで人生を何度も生き直しているような気がしている。人生の密度は、同じ会社に勤め続けている同年代の人よりずっと濃いと思っている。 どうせ起業するのなら、1回といわず、2回、3回と会社を作って売っていくほうがずっと楽しい。 売却する回数、起業の回数が増えるにつれて、自分のやりたいことが実現しやすくなり、実現の精度も規模も上がる。 信頼して任せられるメンバーには事欠かない。取引先もある。間違いのない仕事をしてくれる外注先も知っている。そうなると、事業を伸ばす本質的な部分にリソースを集中投下できるようになる。いろいろな意味で「楽ができる」のだ。 この「楽ができる」感覚は、口で説明してもなかなかわかるものではないかもしれない。しかし、会社を何度も売却してきた僕は、この点を身にしみて感じている。会社経営は「強くてニューゲーム」に限る。
1月31日発売の正田圭著「サクッと起業してサクッと売却する」無料一部公開第三回です。 残すところあと三日となりました。 このプロジェクトを支援されてくださっている方、そしてご興味ある方の判断材料になれば幸いです。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ●「お金」か「時間」か?お金と時間について、多くの人たちが勘違いしているようだ。すぐにお金と時間を交換したがる。先ほども話した通り、「雇われ」体験に酔って、時間を売って金にするという「洗脳」をされてしまうからだ。そのため、「お金よりも時間の方が大切」とか「自分の時間は無料」とか、そんな話をしたがる。お金と時間は交換できるものではあるが、交換だけしていても何も産み出さない。お金も時間も、両方作り出すものなのだ。お金が大事か、時間が大事かという質問は、そもそも質問の設定が間違っている。ごみ箱に何を入れてもごみになってしまうように、質問が間違っているとどんなに考え抜いても正しい答えは手に入らない。あなたが設定しなければいけない問いは、「お金も時間も両方手に入れるにはどうしたらよいだろうか」だ。実は、この話をしたいのは学生だけではない。むしろ、バイトやインターンをこなしながら大人になっていった、すべての世代の皆さんにも言いたい。あなたたちも、時間の切り売りをしてしまっていませんか?サラリーマンとして会社から給料をもらっているからダメだとか、自営業者だから大丈夫だとか、そういう話をしているのではない。自分の時間をお金に換えるということをしてしまってはいないかということだ。実は、これは学生やサラリーマンだけでなく、自営業者にも言えることだ。実際、ほとんどの自営業者は時間の切り売りをしてしまっている。本書は、ある意味で働き方改革の本だ。就職しているとか、自営業者だとか、学生とか、そんなことは関係なく、自分の時間をお金に換えるとか、お金を時間に換えるとか、あっちを立てればこっちが立たないみたいな発想から脱却するための、根本的な働き方改革をしようという提案だ。お金も時間も確保する。そのための指標として、29歳までに1億円という目標を立ててみた。実際のところ、あなたが30代だろうが40代だろうが50代だろうが、そんなことはどうでもよく、お金も時間も両方手に入れるための戦略をきちんと考えようということである。そして、その戦略は、連続起業家という生き方にある。●起業家などという職業はないところで、僕は「起業家」という言葉に少し違和感を持っている。便宜上、自分も起業家という言葉を使っているし、本書でも起業家という言葉は使わせていただくが、「起業家」という職業は厳密に言えば存在しない。そもそも、起業家という「肩書き」が流行り始めたのも、割と近年のことだと思う。 例えば、耳鼻科医と内科医がいたとして、どこかでばったり会って「あ、同業ですね」と言っているのは想像がつくが、飲食店の社長とIT起業の社長を同じ起業家という職業でひとくくりにしてしまうのは、いささか乱暴な気がしてしまう。豆腐屋のおやじとソフトバンクの孫さんが「同じく1丁(兆)2丁(兆)と数える起業家同士ですね」なんてしゃべっていたらもはやギャグだ。一昔前の、いわゆる昭和の時代は、日本人のほとんどが自営業者であった。そのため、起業したところで「ふーん」くらいの感じだった(はずだ)。となりの鈴木さん家が八百屋を始めようが、豆腐屋をやっていようが、何もすごい話ではないだろう(当時のことはよくわからないが、教師になったとかのほうが、「すげぇ!」ってなったんじゃないだろうか)。しかし、今はサラリーマンが増えた。三世代サラリーマンなんてのは、まさに今どきではなかろうか。しかも、今は奥さんも共働きなんて家も増えているため、三世代のうち5人がサラリーマンやOLなんて家も珍しくもなんともない。 こんな時代だからこそ、「起業家」なんて言葉が使われるようになったのであろう。起業する人が相対的に少なくなってきたから、珍しくてスゴイって感じになってきたのだ。八百屋とか、電機屋とか、洋服屋は存在するが、起業家というのはちょっと違う。「起業家」という言葉がピンとこないとするならば、何ならピンとくるのか?「起業は手段である」ということだ。もう一度言う。起業とは「手段」なのだ。それを「起業家」という枠組みに当てはめようとするから、「起業家」はこうあるべきだというフレームワークができてしまい、手段としての起業を見失ってしまう。起業とは、自己実現のための手段である。そのため、起業するときはこうあるべきだとか、どうあるべきだとか、そんなことは本来考える必要のないものである。僕自身、最初の起業の理由は、単純にお金が欲しかったからだ。これを言うと批判を浴びることもあるが、「お金が欲しくて起業して何が悪い」って今でも僕は思っている。他に誰もやる人がいないから、自分で業を起こすのが起業だ。世の中に使いたいサービスがまだ存在しないから、自分でサービスを作り上げるのも起業。誰も雇ってくれないから、自分で働く場を作るために業を起こすことだって起業。誰も自分を金持ちにしてくれないから、自分で自分を金持ちにすることだって起業。仲間内でわいわいしながら仕事したいからという理由で、みんなで仕事をする場を作るためだって起業は起業だ。要は「意識高い系の起業」である必要なんてないということだ。「意識低い系の起業」、上等である。僕の知り合いに、自分の子供が障害を患っている人がいた。この方は、残念なことに昨年癌でお亡くなりになってしまった。その人は、障害を患っていて就職することができない息子のために、当時働いていた会社を辞め、一緒に仕事をするために起業した。これは、いわゆる「意識高い系の起業」ではない。サービスの革新や、テクノロジードリブンな要素は存在しない。しかし、「美しい起業」であると僕は感じた。本来あるべき起業とは、このようなことを言うのではないかと思う。そこに崇高な理念はいらない。自分とその周辺が幸せになるための起業でじゅうぶんだ。何度も言うが、自分のやりたいことを実現するための手段が起業なのであって、起業というものを難しく、あるいは神聖なものとして捉える必要はない。起業とは、自分が思い描く世界と現実の世界との間に橋を架ける作業のことを言う。それ以上でも以下でもない。なんかやりたいことがあって、それが今ある社会のインフラを使って解決できなかったり、面倒な手順を踏むなぁと思ったりしたら、それだけで起業したらよいのだ。それが低俗なモノであろうと、自己中心的なモノであろうと、何でもよい。人に迷惑がかかるようなものだったり、意味がないと思われたりするものであったならば、自分が辞めなくとも、儲けることができず、世間が無理やりにでも辞めさせてくれる。起業とは、もっと自分勝手であるべきなのだ。 ●崇高な理念は後からついてくる起業について僕がもっと言いたいのが、崇高な理念は後からついてくるということだ。初めて起業して「この業界の非合理性を解消したい」とか「世の中を変革したい」といった青くさい起業家の発言をネット記事などでよく見かけるが、僕はそういう発言を一切信用していない。「初めて起業したのにその業界の何がわかるんだ?」「世の中を変革したいって、そもそもあなたは世の中をわかっているのか?」……なんてひねくれたことを思ってしまう。例えば、子どもがおもちゃを欲しがるとする。欲しい欲しいと駄々をこねる。そして、そのおもちゃを買ってもらうものの、数日たつとそのおもちゃに飽きてしまい、次のおもちゃを欲しがっている。もちろん、その子どもは本当にそのおもちゃが欲しかったのだろう。その場では心の底からそう思っているから駄々をこね、泣き叫んで自己主張したのだ。おもちゃを欲しいという気持ちには嘘偽りはないのだが、一生そのおもちゃを大事にするかというと、そんなことはない。初めて起業する起業家の理念も、そんなもんだと思う。そもそも社会に出たことがないのに、社会に対して問題提起ができるわけもなければ、課題を発見できるわけもない。崇高な経営理念を思いついたから起業するなんて話は、薄っぺらい。経営理念やミッションは、起業して、幾度もの経営の危機を乗り越えながら作り上げ、練り上げることによって出来上がっていくものだ。僕自身、「意識低い系の起業」の極みだった。僕のことを知らない人のために説明しておくと、僕は15歳で起業した。僕の家はごく平凡なサラリーマン家庭である。父親は会社勤め、母親は専業主婦で、とくに裕福だったわけではない。僕は親の希望で、経営者や医者の子息が通う名古屋の中高一貫校に通っていた。そこで友人たちとの「経済格差」に愕然としたのが起業のきっかけだ。 洋服一つ買うにしても、どこかへ遊びに行くにしても、友人たちと僕とではお金の使い方がまるで違った。なかには親からクレジットカードを持たされている友人までいた。 持ち物も違った。ふだんの服装は制服だが、シャツやベルトはみんな好きなものを身につけていた。僕の友人たちはグッチのベルトをしていたり、バーバリーのシャツを着ていたりした。通学用のカバンがエルメスやプラダというのも珍しくはなかった。もちろん、僕はユニクロ一直線だ。 彼らの持ち物は高級ブランド品ばかりだったため、そんな環境に囲まれて、僕もおのずと高級ブランドに興味を持ち始めた。「僕もお金持ちになりたい」 その一心で起業した。 なので、当時、僕に明確な経営理念やミッションがあったわけではない。経営者を親に持つ友人を見て、「お金持ちになるなら、会社を経営しなきゃ」と感じたから、会社を作った。小遣いを増やしたい同級生のなかにはパチンコやスロットをする人もいたが、僕は会社経営をすることを選んだというだけの話だ。 その後は、作った会社をなんとか回していこうとがむしゃらに働いた。損失を出したこともあるし、詐欺師にだまされたこともある。失敗を数え上げたらキリがない。 会社のことに一生懸命で、学校の勉強はおろそかになっていた。 ただし、起業はおもしろかった。 うまくいかないこともあったが、知恵を絞ればその分、成果がお金となって返ってくることだってあった。月に数千万円単位の売上をコンスタントに上げられるようにもなった。だから、大学進学よりも働くことを優先した。 こんな風に進んでいったのが僕の起業人生だ。ここには、世界を変革するような崇高な理念はないかもしれないが、「生き残るのだ!」という強い情熱だけはしっかりと存在した。起業するのに崇高な理念はいらない。それよりも、自分が起業によって何を得て、何を実現させたいのか、そういう自分の気持ちや欲望としっかり向き合うことの方が大事だ。その気持ちや欲望は、「お金を儲けたいから」「起業家って格好いいと思うから」「この事業をやってみたいから」といったことでよい。プロ野球選手になりたいという子どもに「なぜサッカーでもボクシングでもなく、野球なのか」と問い詰める人はいないではないか。「イチローが格好いいから」。それでいいのだ。 お金というと、拝金主義的な思想を感じ、嫌悪感を抱く人は多い。しかし、お金はあなたの人生の選択肢を広げてくれる、便利な手段なのだ。人はもっとお金のために起業してもよい。起業の理由を問い詰めるような空気が薄れれば、起業して会社を売る文化も広がるかもしれない。●「連続起業家」という存在ここまでの話をまとめると、お金と時間の両方を手に入れるには、起業して会社を売却するという戦略が最も近道であるということだ。起業して会社を売却するというスキルを身につけることができれば、もっともっと自由に生きることが可能になる。そして、このような人のことを「連続起業家」(シリアルアントレプレナー)と呼ぶ。仮にあなたが起業して、その会社を売って29歳で1億円を手に入れ、旅に出たとする。その旅から帰ってきて、再び起業をする人は意外に多い。僕の知り合いは、引退するといって60歳で会社を売却した翌月、再び起業していた。起業は自転車に乗るのに似ている。一度乗れるようになったら、乗り方は忘れない。起業して売却するという手段を一度覚えたら、繰り返しやろうとする人は多い。僕はたいして著名な連続起業家ではないが、著名な連続起業家だと、メルカリの山田進太郎さんやキャンプファイヤーの家入一真さん、nanapiの「けんすう」さんがいる。3人とも、会社を売却した後、また新しい会社を立ち上げている。そして、2度目に立ち上げた会社の方が、最初に立ち上げた会社よりも大きくなっている。彼ら以外にも、実はたくさんの連続起業家が存在している。僕自身、この連続起業家という存在をもっともっと世に広めていき、連続起業家を増やしたいと考えているため、本書の執筆に合わせて知り合いの連続起業家たち30人に協力を仰ぎ、ウェブ上で「連続起業家対談」を公開している。これはウェブ上で見ていただけるが、いろんなウェブサイトを回るのが面倒だという方は、申し込んでいただければ販売する。巻末にURLが貼ってあるので、そこからダウンロードしてほしい(2017年12月に行ったキャンプファイヤーさんのクラウドファンディングで販売していたものなので、無料でお渡しするわけにはいきません。繰り返しになりますが、ウェブで検索しまくれば全て無料で見られるので、お金を払うのが嫌な人は検索がんばってください)。連続起業家たちは、自己実現の手段として、起業が最もシンプルかつ有効な方法だということを理解し、体感もしているため再起業するわけだが、他にも知られざる理由がある。実は、起業は「数を重ねるごとに有利になっていくゲーム」なのだ。若い人でも、一度会社経営に成功した人は、再起業する。初めて起業するときよりも、2回目の起業のほうが、ダントツで有利に進められる。