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安野モヨコ『バッファロー5人娘』オールカラー豪華本を限定制作!

現在の支援総額

1,832,000

183%

目標金額は1,000,000円

支援者数

131

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2013/01/16に募集を開始し、 131人の支援により 1,832,000円の資金を集め、 2013/02/20に募集を終了しました

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安野モヨコ『バッファロー5人娘』オールカラー豪華本を限定制作!

現在の支援総額

1,832,000

183%達成

終了

目標金額1,000,000

支援者数131

このプロジェクトは、2013/01/16に募集を開始し、 131人の支援により 1,832,000円の資金を集め、 2013/02/20に募集を終了しました

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『カラー化で広がるモノクロ漫画の作品世界』 取材:コルク編集部 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 前回、第1回ではモノクロ漫画の洗練された技術やそこに詰まった世界観、カラー化する際に感じる恐れ、心に留めている部分について色彩デザイナーにうかがった。 第2回ではバッファロー5人娘の実際のシーンを例に、より具体的な作業工程、そこにあるこだわりについて迫る。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 【第2回】−カラー化とは、すべてを具体化していく作業− ーカラー化ではどのような点に気をつけているのでしょうか? 「一番神経を注ぐのは作品の世界観の解釈と、場面の状況設定です。この作業は、カラー化の出来すべてを決めてしまうといっても過言ではないほど重要なため、スタッフでしっかり時間をかけ話し合いを重ねます。」 ー具体的にはどういったことを話し合うのですか? 「まず意識するのは、『時間』です。カラー化における時間的演出は制作の中で肝となる部分です。それぞれの場面を見ていき、ページごとコマごとに細かく時間設定をすることは絶対に欠かせません。たとえばモノクロ漫画だと、昼間の青空が白一色になっていることが多いのですが、カラー化する場合、その場面が12時なのか15時なのかで空の色味はぜんぜん変わってくる。12時で太陽が真上ならば、足元にできる影も濃くならないとおかしいし、当然それに合わせて周辺の色味も変わってきます。」 ーなるほど奥が深いですね。しかし、作家さんはモノクロ漫画を描く時、カラー化を想定して描いているわけではありませんよね。 「確かに作家さん自身もそこまで細かい時間設定をしていないこともあります。ですが、作品中の時間を細かく設定する作業を欠いて、単純にやってしまうと本当にチープな出来になってしまいます。」 ー『時間』が支配する部分は非常に大きいのでしょうか? 「時間が決まると、それに合わせて温度も変わりますよね?」 ー温度までもですか? 「はい。バッファロー5人娘のワンシーンを例に見ていきたいと思います。」 「バッファロー5人娘のイメージはアメリカ西部と聞いてますので、安野先生はこの場面はアメリカの荒野をイメージされていると思うんですね。アメリカの乾燥した荒野の青空の抜け方は、日本の青空の抜け方とはまったく違う。そこに夜が来たりすると、すごく冷え込むと思うんです。なので、夜空の冷やし方ひとつにしても地域、気候、温度など様々な条件に合わせて細かく変えていきます。冷え込んだ夜でも、この絵のようにたき火を焚いている夜とそうでない夜では色合いをガラッと変えます。なのでやはり、『時間』が支配する部分は非常に大きいですね。」 −−−−−−−−−−− 【第3回】−背景もすべてキャラクターと捉える− 第2回では徹底したこだわりについて伺った。次回はいよいよ「塗り」の作業にも注目。


『カラー化で広がるモノクロ漫画の作品世界』 取材:コルク編集部 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 安野モヨコ『バッファロー5人娘』の発売に合わせ、電子書籍ではオールカラー版を製作・発売。今回のプロジェクトではオールカラー豪華本を限定製作する。モノクロ漫画をオールカラー化する過程には読者の想像を超えたクリエイティブな世界が広がっていた。オールカラー化を担当した色彩デザイナーへのインタビューを通して『バッファロー5人娘』の実際のシーンを例に、モノクロへの尊敬、カラー化に対する不安、徹底したこだわりと作品理解に迫る。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 【第1回】−モノクロ漫画と徹底的に向き合う− —今回『バッファロー5人娘』のオールカラー化をしていただき、ありがとうございました。カラー作品は完成した状態をみることはありますが、なかなかその過程を知る機会はありません。カラー化の作業とはどのようなものなのでしょうか? 「そもそも、モノクロとカラーの違いはどこにあると思いますか?」 ー一番の違いは『情報量』ですよね? 「確かに一般的にはモノクロは情報量が少なく、カラーは情報量が多いと思われがちです。ですが、カラー化に携わっていると、これまで日本が築き上げてきたモノクロ漫画の技術は凄まじいものだと実感します。白と黒だけで表現された紙面に、私たち読者は想像力を掻き立てられる。モノクロ漫画は、いい意味での曖昧さを包括した最高峰の技術であり、それが日本独自のカルチャーとしてここまで大きく育った要因だと思います。」 ーたしかに漫画はモノクロでも、読者には「色」が見え「世界観」が頭の中に広がります。 「そうなんですよね。それこそが読者の心をつかんで離さなかったモノクロ漫画の魅力です。だからこそ、私たちはモノクロ漫画の魅力を心から理解した上で、カラー化の意義を常に問い続けています。カラー化は時としてそれまで読者に委ねられてきた世界観の解釈を、決めつけることになりかねません。」 ー好きな漫画がアニメ化されるときにも、色味に違和感を抱くことはありますよね。 「まったく同じことがモノクロ漫画をカラー化するときにも起こりえます。カラー化に取り組む際、モノクロが持っていた雰囲気を損なってしまっては、意味がないんですよね。大前提として、モノクロがカラー化されることで、より作品の世界観が広がらなければいけない。」 ーなるほど。 「わたしたちの仕事は、一歩間違えると、モノクロ漫画の魅力を根本的に損ね、作家さんの大切な作品を『改悪』しかねない危険性も持ち合わせている。そこをしっかりと心に留め、仕事をしています。」 −−−−−−−−−−− 【第2回】−カラー化とは、すべてを具体化していく作業− 第1回で語られたモノクロ漫画の魅力。その魅力を損ねずカラー化を進める具体的な作業の流れ、徹底したこだわりについて。 (第2回は1月30日更新予定)