2月に渡航し気付けば9ヶ月が経ち、シーズンを無事に終えることができました。
あっという間にも感じますが、思い返せば語り切れないほど多くの経験をさせていただきました。
サッカーはもちろん、違う文化に触れ、違う価値観に触れ、パーソナルトレーナーとしても活動し、充実した9ヶ月間でした。新しい事の連続で、時には落ち込んだり悩んだり投げ出したくなることもありましたが、皆様からのご支援があったからこそ踏ん張ることができました。
改めて、ご支援いただき本当にありがとうございました。
シーズン結果
昨年Division2からDivision1に昇格したばかりなので、チームとしても挑戦の年でした。
スウェーデンの女子サッカーはとても盛んで世界ランク2位、競技人口は97,000人で日本の2倍にもなります。スウェーデンの人口が1000万人なので、そこから考えてもかなり人気度が高いことが分かります。
その中で、Division1は地域ごとに6リーグに分かれており、各リーグの1位だけがプレーオフに進み、プレーオフで6チーム中3チームがエリテッタン(プロリーグ2部)に昇格できるという過酷な昇格条件でした。
そして来シーズンからリーグ編成が変わり現在6リーグに分かれているのが3リーグになるため、今年は7位以下(12チーム中)が降格というこれまた過酷な残留条件でした。
私自身初めてのスウェーデンでの公式戦ということで、相手のレベルも全く分からず、自分の力がどれだけ通用するかもわからない未知の世界への挑戦だったので不安もありました。
そんな時に助けてくれたのはいつも私に自信を持たせてくれる言葉を掛けてくれたチームメイトやスタッフです。
デカくて強くて速いスウェーデン人(女性の平均身長166㎝)に対してどうやって戦うのか常に考えていました。ポジショニングやタイミング、予測やテクニックなど日本人だからこそ持っているものを最大限に使い、相手を上回ることができた時は心から楽しかったです!
結果的に優勝はできませんでしたが、リーグ数試合を残した時点で残留を決めることができました!
毎試合前にロッカールームで踊ったり歌ったり、試合後も勝った時は全力で喜ばないと怒られたり、負けた時はいつもの明るさが嘘みたいにすごく落ち込んでいたり、ミーティングは監督の一方的な話ではなく選手も意見をしっかりと伝えていたり、時には喧嘩したり。
日本とは違う面がおもしろくて、こういう部分は日本の方が私は好きだなぁと思う部分もあれば、ここはスウェーデンを見習いたいなぁと思う部分もありました。
どちらが良いというよりも、お互いの良い部分を見習い尊重し、悪い部分は受け入れる心が大切だと思います。
いつもは可愛くて無邪気なチームメイトも試合になると心強く頼もしい存在です。
そんなチームメイトを心から信頼していたし大好きになりました!
後期が始まる前に問題があり監督が解雇になる事件がありました。
そんな時も選手だけでミーティングし、後期も変わらず目標に向かって進み続けるために今自分たちが何をするべきか話し合いました。
こういうチームとして大きな事件があった時にどう進んでいくかは自分たち次第です。
悪い方向に進んでもおかしくないですが、私たちは違いました。更に結束力を高め新たな気持ちで前に進むことができたのは大きかったと思います。
スウェーデン人の女性は自立していると言われていますが、その部分をすごく肌で感じた瞬間でした!
基本みんなスウェーデン語ですが、英語も第2言語なのでペラペラ話せます。
なので私に話しかける時はいつも英語で話しかけてくれていました。
とはいえ私は英語がペラペラ話せるわけではないので苦労しました。
やはりコミュニケーションは大事です。
ノリや雰囲気で乗り切れることもありますが、細かいサッカーの話や深い話をチームメイトやスタッフとしたいなと思ってもなかなか伝えられないことはもどかしく気付かないうちにストレスになっていたと思います。
それでも言葉でうまく伝えられない分、行動や態度、プレーで示すしかないと思いそこだけは怠らないことを常に考えていました。
結果それがチームへの信頼に繋がり、1試合だけですがキャプテンを任せられることにも繋がったと思います。
シーズンを通して感じたことは、「待っているだけでは何も得られない」ということ。
周りが気を使って少し話し掛けてくれたり、プレーで示せばそれなりに信頼してくれたり、その程度のものなら得られるかもしれません。
でも海外という言葉は通じない、文化や価値観も違う環境だと尚更自分から何かを起こそうとしないと大きなものは得られません。
私はこう見えて人に無関心なタイプで(笑)、努力しないと自分から関わることができませんでした。慣れない人と話すことは疲れるし、毎回踊ったり歌ったりするのも疲れるし(本音)、英語が通じるか分からない不安もあり、関わらなくていいなら関わらない方が正直楽です。
それでも皆と仲良くなりたい、心を開きたいし開いて欲しい、一緒に目標に向かいたい、そんな思いで力を振り絞って毎回コミュニケーションをとっていました。
その結果得たものはたくさんあります。
「あなたが来年いないなら私もプレーしない」と言ってくれる選手がいたり(もちろん本気じゃないですが)、別れ際に泣いてくれる子がいたり、もうサッカーやめますと言ったら必死で止めてくれるコーチがいたり、来年のビザのために必死でクラブが動いてくれたり。
あぁ、私が無理してでも頑張ってきたことは無駄じゃなかったんだなと報われた気持ちになりました。
大事なのは覚悟を決める前に決断してしまうことだと思います。
覚悟が決まるのを待っていればいつまで経ってもやりたいことに挑戦できないと私は思います。
決断することでそれに対して応援してくれたり協力してくれる人がいます。
挑戦してみて初めて色んな壁にぶつかって嫌でも覚悟を決めて何かを起こさないと何も得られません。
そう改めて感じた挑戦でした。
パーソナルトレーナーとして
パーソナルトレーナーとしても色んな活動ができました。
スウェーデンに住む日本人の方にマンツーマン指導やグループレッスンをさせていただきました。
自分から積極的に呼びかけてみると、やってみたいという方が意外とたくさんいたことに驚きました。そしてそこから色んな繋がりができてまた新たな挑戦ができそうで今色々と考えているところです。
指導させていただいた方々や知り合いの方が試合を見に来てくれたのも嬉しかったです!
自分がどんな場所にいても変わらないことは、応援してくれている人のために頑張りたいという思いです。その思いが私の原動力になります。
チームが勝った時は一緒に喜んだり負けた時は一緒に悔しがったり、その過程が、瞬間が、私にとってかけがえのないものになります。
遠く離れても応援してくれる人、結果をいつも気にしてくれる人、言葉はなくても思いを届けてくれる人、そんな方々のために私はこれからも新しい事に挑戦し続けます。
長くなりましたが最後まで読んでいただきありがとうございます!
いつかゴットランドに遊びにきてください!
その時は喜んで素敵な街をご案内します☆
Hikari