幼稚園の頃、毎晩私が一冊選び、必ず母に読み聞かせをしてもらってから寝るのが習慣だったのですが、なかでもお気に入りで、今でも定期的に本棚から引っ張り出してきて開く絵本があります。
作:ピーター・スピア、訳:渡辺茂男の、その名も「ばしん!ばん!どかん!」。この本は物語ではなく、私たちの生活の中にあるたくさんの「音」を絵とひらがな文字にして紹介したものです。例えば、
パンケーキを裏返す音は「ひょいぺたん」
お水を注ぐ音は「とっくとっく」
チェーンソーの音は「がるるるあるるあ」
トランペットの音は「とてちてたあ!!」
馬が走る音は「かっぽかっぽ」
と表現されています。「普段何気なく聞いている私たちのまわりの音は、文字に起こすとこうなるんだ!」という驚きや、思っていた表現とは違った場合の違和感、そして同じ文字でも、読む人によって声の大きさや抑揚が違い異なった音に聞こえることなど、人によって音の捉え方が違うことの面白さに気付かせてくれます。また、この本は日本語ですが、「他の国ではどう表現するのだろう」と幼いながら私はすごく興味を惹かれました。
カンボジアの子供達も、夢や可能性を広げると同時に、普段の生活に溢れる何気ない音や言葉の面白さに気付くことができるような、また他の国の文化に興味を持つきっかけとなるような、そして大きくなってからも、また見返したくなるような、そんなお気に入りの本に出会えますように。
そしてここまで読んで下さった皆さんの中で「ばしん!ばん!どかん!」、少しでも気になった方、ぜひ読んでみて下さい。
私は今ではこの本のクメール語(カンボジアの公用語)バージョンを作ってみたいなあなんて思っています。そしてカンボジアの子供達に読んで欲しい、、、!