はじめに ~私の想いとストーリー~
はじめまして。日本に住む外国ルーツの若者が社会において自分たちが持つ可能性を大きく発揮できるように、将来について考えるきっかけの場を提供する「みらいチャレンジプログラム」の企画者の、李澍(りしゅ)と言います。
私は両親ともに中国人で、12歳の時に両親が働く東京に来ました。ひらがなも読めないまま公立中学校に編入し、親には相談できず、学校の先生には理解してもらえずで高校入試、大学入試を経て、今大学院の修士1年生です。
そう、私自身もみらいチャレンジプログラムが対象としている外国ルーツの若者のひとりでした。
12歳の夏休み、はじめての日本、はじめて住んだ東京で、「日本の学校に行かない?」という父の質問に、「うん」という選択を出しました。その一つの「うん」から、たくさんの壁にぶつかりながら、いくつもの大きな選択を自分でしてきました。
日本語の壁、進路選択の壁、メンタルの壁、、、それでもいつも、周りの人に助けられていました。日本歴が長い母の知人のHさん、NPOの日本人ボランティアのKさん、高校の進路指導のA先生、課外コミュニティの社会人。まだ日本社会において外国ルーツ青少年の存在が注目されない12年前から、ほんとに恵まれた状況の中で、たくさんの善意を受けました。
一方で日本に住み始めて12年経って、訪日外国人・在日外国人共に増え続けているこの間も、外国ルーツの若者に向けた支援はそれほど増えませんでした。
このように外国ルーツ青少年の社会課題について考えるようになったのは、大学に入ってからでした。色々な人に会って自己紹介をすることが増えて、そのたびに外国ルーツであることを説明する必要があったからです。たくさんの外国ルーツの若者が日本を第二の故郷として育っていること、そしてこれからも日本で生きて行くことが、どれだけ知られていないかがわかりました。でもそれと同時に、やさしい応援をたくさんいただきました。
まだ壁を乗り越えなければいけない、日本でこれからも生きて行く外国ルーツ青少年の後輩たちにとって、もっと生きやすい社会になって行ってほしいなと思います。
社会を変えるのがまだむずかしいなら、せめて彼/彼女らが日本社会に生きて行くことをよりポジティブに捉えられるように、その上自信を持って進路を選択できるようにサポートしたいです。
私自身、まだ自立もできていない大学院生ですが、ただ、経験者として、外国ルーツを持ちながらこれからも日本社会の中で生きて行く一人として、後輩たちに「なんとかなりそう。私も出来そう。」と、少しでもポジティブな気持ちを伝えられればと思います。
glolabとの出合い
そんなことを思い始めた大学4年生の冬に、glolab(グロラボ)のことを知りました。私が来日したばかりの時に日本語勉強でお世話になったNPOの職員が立ち上げた、特に高校生以降の外国ルーツ青少年を支援するための団体です。「私にも何かできませんか?」と声をかけて、「なにか企画してみたら?」と言ってもらったのがみらいチャレンジプログラムのはじまりでした。
glolabは、外国にルーツを持つ若者が社会的、経済的に自立できることを目指し、キャリア教育とコミュニティ創出事業を行っている特定非営利法人です。glolabという名前は、“global” + “lab”(グローバルな人になるための実験室)からきています。逆境を成長機会にして、自発的にチャレンジし学んでいくことで成長(grow)してほしい、という想いが込められています。外国ルーツ青少年の支援経験から関わるようになった人もいれば、私みたいな「元」外国ルーツ青少年のスタッフもいます。進路選択をサポートする!という目標からアイデアがうまれ、支援者と当事者両方の視点を合わせてできたのが、このプログラムの特徴でもあります。
このプログラムで伝えたいこと
人生における、「いい選択」って何でしょうか。私は今までいい選択をしてきたといえるのでしょうか。そしてこれからも、いい選択をしていけるのでしょうか。それはわかりません。でも、大事なのはいい選択をすることよりも、“しっかり悩んで選択する”ことだと私は思います。
多くの外国ルーツの子どもたちは、親世代の選択で「日本」という環境に暮らしています。そして、言語、教育システムや社会環境などの様々な壁によって選択肢が狭められたり、見えなくなっていたりしています。人生の大きな分岐点である高校以降の進路選択もそうです。
このプログラムを通して進路選択を控える外国ルーツの高校生たちに、壁の向こうにある多様な選択肢の可能性と、壁にぶつかりながらも自分で選択肢を作りだしてきた人たちの姿を伝えたいです。そして一人で抱え込まずに、自分と似た境遇や悩みを持った仲間がいること、たくさんの人が外国ルーツの若者の課題を知っていて、応援してくれていることを実際に感じてもらいたいです。彼/彼女らが自分たちに立ちはだかる壁としっかり向き合い、自分なりの選択ができるように応援したい、そんな想いでみらいチャレンジプログラムをつくりました。
みらいチャレンジプログラムとは
それらを実現するために、みらいチャレンジプログラムでは、こんなことを大切にしています。
1.地域社会を知ること
都会より分業化が進んでいない地域社会を観察し社会を構成している仕事を探求します。また、地域社会に住む人々と日常的な交流を通して、日本とのつながりを強め、日本での将来をより想像しやすくできる事が期待できます。
2.多様な大人や仲間と出会うこと
地域の大人や高校生、プログラムに関わるスタッフと社会人ボランティアの出会いを創出することにより、社会に対する視野を広げ、さまざまな可能性を知ることができます。また、似たようなバックグラウンドを持った仲間とともに将来について考え、外国ルーツの先輩たちや支援経験のある大人に話を聞いたり相談できたりする場を提供します。
3.実践から自主性を高めること
実際に「体験」と「交流」を通して得た情報をもとに、参加者が自主性を持って取り組めるようなグループワークを設計し、自分の考えをまとめ発表する機会を提供します。期間をあけて複数回の事後学習の場を設けることによって、確実な一歩につなげます。
開催地、浦幌町について
開催地を決める時、いや、プログラムを考える時から私の中で、「浦幌町でやるべき」という想いが大きく、具体的にイメージできていました。
浦幌町は北海道十勝の右下、釧路に近いまちです。うらほろスタイルと呼ばれる、未来を担う子どもたちを対象にした取り組みを中心にしたまちづくりが知られていて、私が学部時代に研究活動でたくさんお世話になった町です。
そのうらほろスタイルの事業のひとつに若者のしごと創造事業があります。浦幌町の子どもたちから出た「まちの花はまなすを使ってこの町を活性化したい」というアイディアが元になって生まれたスキンケアブランドrosa rugosaや、浦幌町の中と旅人の間を取り持つ場所としてオープンしたハハハホステル…新しい「仕事の場」がどんどん作られていきます。また、うらほろスタイルのユニークさや町全体の前向きな流れに惹かれて、町外から様々な形で浦幌町に関わる大人たちが増え続けています。それを支え、広げるような形で一般社団法人十勝うらほろ樂舎もできました。
この二つの点から、浦幌町は仕事の成り立ちや働き方の多様性を理解するのに最適したフィールドであると言えます。
そして浦幌町には、10年以上続くうらほろスタイルの様々な活動を通して、地域の未来を担う子どもたちを見守ってきた「地域のお父さん、お母さん」がたくさんいます。都会の子どもに比べての情報格差や機会へのアクセスがしにくいなどの課題にもフォーカスして取り組まれたうらほろスタイルを経験している大人たちは、外国ルーツ青少年の課題に理解を示したり、共感してくれると思いました。
浦幌町でなら、みらいチャレンジプログラムが大事にしていることが実現できそう!そう思ってすぐに樂舎の方に連絡を取り、プログラムづくりに取り掛かりました。
浦幌町の方々のアドバイスを取り入れながら、浦幌町現地での体験学習や交流をおこなう夏合宿に加え、事前学習と事後学習を丁寧に行うことに決めました。
事業初年度となる2021年は、準備含め募集期間も短い中、中学2年生から高校3年生までの9人の参加者を迎えることができました。コロナの状況に翻弄され、夏合宿はフルオンライン、事前学習と事後学習も多くの参加者と対面で参加出来ずの開催となる中、参加者が一生懸命ついていこうとするその姿を、ほんとに誇らしく思いました。
(※2021年6月事前合宿)
6月の事前学習から夏の合宿を経て、事後学習の時の参加者たちの成長は、目に見えるほどおおきかったです。本来なら12月の事後学習で今年度のプログラムは終了しますが、一年間一緒に頑張ってきた仲間と一度も対面で交流することが出来ず、浦幌町をフィールドに行われている取り組みや頑張っているユニークな大人たちを断片断片でしか知れずのままでは、わたしたちがプログラムを通して提供したかったモノが達成できないともやもやしました。
参加者同士やglolabとの継続的なつながりを築き、彼/彼女らにとって安心できるコミュニティを作るためには、リアルな関係作りが必要です。「コロナが落ち着く春休み頃に、浦幌町に連れて行きたい!」そう思って、春休みの3月に、今年度だけの特別合宿を企画しました。
この3月合宿はつながりを深める上で、参加者に①地域社会の温かさを感じてもらうこと、②実際に見て、体験して、考えるを実践してもらうことを目的にして設定しました。
特に②の部分は、実際に事後学習で参加者がグループワークを通して、自分たちがやりたいことを具体的な内容に加え背景と目的をも考えてもらって、提案したモノがベースになっています。
外国にルーツを持つ子どもの支援は、社会的にも注目されてきたとはいえ、まだまだ高校受験までの支援がほとんどで、特に高校生以降の外国にルーツを持つ若者のキャリア・進路に関しての活動はあまりおこなわれてきませんでした。今回のクラウドファンディングは、今年のプログラム参加者のためだけでなく、この課題を多くの人に知っていただく機会になると思っています。そして、課題だけではなく、外国にルーツを持つ若者が持つ可能性についても理解を広め、外国にルーツを持つ子ども・若者の未来を応援するサポーターを増やしたいと考えています。
みなさんからいただいたご支援は、3月の浦幌町合宿のために、以下のように大切につかわせていただきます。
(*万が一中止となった場合、予定通り2022年3月に東京で開催し、オンラインで浦幌町との交流を実施した上で、資金については、次期2022年度のプログラム(8月実施予定の浦幌町合宿)に使用致します。)
※glolabは非営利法人ですが、このクラウドファンディングを支援することで、支援者が税制優遇を受けることはありません。
実施スケジュール
2022年 1月末 クラウドファンディング 終了
2022年 3月末 浦幌合宿実施
2022年 4月末 リターン発送開始 (お礼メッセージ、報告書、動画送付)
2022年 5月末 報告会、交流会実施
最後に
みらいチャレンジプログラムの実施をきっかけに、色々な方に外国にルーツを持つ若者の課題について理解を得ることができました。そして、参加者たちの成長を一番近くで見守ることができました。だからこそ、私はこのプログラムが持っている力を信じています。
もっともっと、たくさんの方に外国にルーツを持つ若者の課題を伝えたい。
もっともっと、たくさんの外国にルーツを持つ若者にエールを送りたい。
みらいチャレンジプログラムは、来年度以降も継続したいと思います。そしてみらいチャレンジプログラムを卒業する、外国にルーツを持つ若者たちには、当事者として課題意識を持って周りに発信したり、後輩たちの力になったりしてもらえたらなと思います。
第一期生になる2021年度の参加者たちのラストラン、そして企画者の私たちが踏み出した、「みらいチャレンジプログラム」という第一歩の着地を、ぜひ一緒に見守っていただきませんか?どうぞ、よろしくお願いいたします!
応援メッセージ(住友商事サポートチームより)
住友商事の尾寅と申します。当社は、社会貢献活動「100SEED」で外国ルーツ青少年の教育課題に着目し、glolabとご一緒する機会を得ました。私自身プロボノメンバーの一人として、みらいチャレンジプログラムに関わらせて頂いています。夏合宿及び事後学習に参加する中で、日頃あまり接点のない外国ルーツの子供たちに触れ、回を得る毎に子供たちが自分の将来についてしっかりと考え、言葉にすることができるようになる姿を目の当たりにし、驚くとともにこのプログラムの素晴らしさを実感しています。来年3月に予定している浦幌町での合宿では、従前のWebベースでの活動に加え、実際に現地に赴き五感を通して感じることで、子供たちが更に大きく成長してくれることを期待してやみません。
最新の活動報告
もっと見るみらいチャレンジプログラム 夏合宿 報告
2022/11/03 17:00「みらいチャレンジプログラム」を応援していただいている皆さん、こんにちは。企画者の李澍です。すっかりお久しぶりになってしまいましたが、みなさんいかがお過ごしでしたか?わたしは紅葉が美しくなり、空気も凛とし始めて冬をすぐそこに感じる北海道から報告を書いています。例年よりも冬日が早く来ているそうですが、8月末にありました浦幌合宿の報告をもって、みなさんに「みらいチャレンジプログラム」の熱い夏を少しおそそ分けしたいと思います。夏合宿1日目町歩き参加者3人と大人1人の4人グループで駅周辺を歩きながら浦幌町を観察。周りをよく見つめていろんな仕事の存在に気付いたり、普段住んでいる町との違いをもいだしながらその原因について考えたり。3ルートにはそれぞれ浦幌町の「目玉施設」が入っている。道の駅にセイコマート、そして、乳業メーカー!ここで大発見!今すぐ書き留めておかなきゃ。まちあるきで集めてきた情報をもとに、そこからどんなことが分かったのかをグループでもう少し深掘り。3グループそれぞれ違った発見を共有してくれて、「へ~知らなかった!」「すごい!そんなことを発見できたの??」とほかのグループからのびっくりした感想が発表中に飛び交っていました。仕事体験の予習ワークショップ仕事体験で聞いてみたいことを、参加者の自由な発想でとにかくいろいろ出してもらいました。同じグループの人になぜその質問がしたいかを説明したり、一人のアイデアからまたほかの質問が生まれたりとクリエイティブシンキングな時間でした。アイデアがつまってしまった時は、大人からすこしヒントを出しました。それぞれのチームで、仕事内容や仕事環境、仕事体験を案内してくれる方のすべてに具体的な質問が出てとても面白かったです。高校生は、大人が思っているよりも、「仕事」に関するいろいろな面に興味を持っていました。2つのチームから出てきた質問アイデア1日目、たった4時間での出来事とは思えないほど充実した内容でみんないい笑顔で締めることができました夏合宿2日目元木農場の畑で野菜収穫とごはんづくりせっかくの北海道なのでみんなで歩いて農場まで。農場の裏にある山を通る砂利道は、緑に囲まれていて空気がおいしい!はじめてみる畑。はじめて知る野菜。「収穫」は、リスペクトをもって!事前学習では、「文化祭で演劇を出す際に自分がやりたい/できると思う役割」をテーマに、参加者たちと一緒に自分の「好きなこと」「できること」を見つめることをやりました。元木農場でのごはんづくりは、リアルな役割体験のような時間になりました!それも、誰かが指示することなく、薪割りや窯づくり、野菜の準備と調理、食器の用意など、それぞれが好きな部分を頑張ったり、人が足りないところに自ら手を挙げて行ったりと、予想以上にスムーズに進めることができました。はやくも参加者同士で打ち解けて、みんなで一つとなってプログラムに取り組んでいることがわかって、午後の仕事体験への期待がさらに高くなっていきます。 薪割り 窯づくり 料理上手なこが野菜切り みんなでつくった肉じゃがはおいしい!元木農場の元木さんの粋な計らいにより、みんなで緑肥のひまわりをもって写真!いい笑顔。 仕事体験北村工業さん浦幌町の中心地から車で約一時間かけてやっとたどり着いた山の奥の奥は、普段絶対入れない超レアな林業の現場。車を降りると自然と、山への敬意が体の奥底から上がってきます。静かにたたずむ木々が、とにかく尊い!伐採された木はきれいに積み上げされていて、空気中は木のいい匂いが充満しています。見るからにして強そうな作業機の横に、作業着を着た従業員のみなさんも、見るからに強そうです。現場を回りながら、木の伐採の瞬間を見て、異なる木材を触って、切り倒した木の枝の匂いを嗅いで、北村林業の社長北村さんからの説明を聞いてと、五感をフル稼働させる体験となりました。第一次産業というとどうしても遅れている、泥臭い、活気ないイメージを持つ人が多いですが、実際に見る現場は世界最先端の機械と従業員の腕の両方の技術をうまく組み合わせ、自然との共生共栄を図ることへの誇りを大事にしていることがわかりました。さらに、次世代とその次世代のまた次世代までに林業そして自然のバトンを渡していきたいと願い一生懸命取り組むランナーたちの姿がそこにありました。用意していた質問用紙では聞き足りないほどに、参加者たちは北村さんの仕事に対する信念に魅了されていました。北村さんの話を聞いた後に、奥の山に落ちていく陽を見て考えに耽る参加者の姿がなんとも印象的でした。山をバックに素敵な一枚。北村さん、 本当ににありがとうございました!ロサルゴサさんもう一つのチームは、浦幌町の中心地にある「まちなか農園」にあるハマナス畑を訪問しました。ハマナスは浦幌町の町の花。ロサルゴサは、町の花をつかったコスメティックブランドです。社長の森さんに畑を案内していただきました。事前学習と予習でその知識のあった高校生たちですが、実際にハマナスを見るのははじめてです。匂いを嗅いだり触ったり。少し畑の中に入ったりして、ハマナス畑をおもいっきり体感しました。ハマナス畑のあとは、蒸留所のある町のはずれのTOKOMURO LABへ。旧校舎にカフェや子どもの遊び場があったりと、高校生は興味しんしん。そのTOKOMORO LABに、ロサルゴサの蒸留所があります。ここから、高校生たちが事前に考えてきた質問をまじえて、森さんの創業ストーリーを聞くタイムです。ハマナスをコスメにするまでの製造プロセス、本州出身にもかかわらず、浦幌町でビジネスを起こしたこと、お金だけじゃない町の人たちの想いをビジネスにしたこと。高校生たちの好奇心を刺激するお話しばかりでした。私たちの嬉しい驚きは、森さんのお話を聞くだけではなく、高校生から次から次へと質問がでたこと。森さんのお話しがすすむにつれ、みんなあきらかに表情が変わり真剣にメモをとっていたのが印象的でした。最後は蒸留の機械の前で記念写真仕事体験のまとめ朝から休みのまもなく、畑でのごはんづくりと仕事体験を行って、途中疲れている様子も見られましたが(北村林業の参加者は行き帰りの車で爆睡!)、帰ってきてすぐ質問の紙を出して、聞いてきたことを早く書き残さないと!という参加者が何名もいました。成果発表のワークショップも、眠たい顔一つもせずによく頑張ってくれました。これだけでもほめてあげたいくらいなのに、前日の夜にやった質問を考えるワークショップのときにと比べて、発表の仕方が抜群にうまくなっていました!聞いてきたことの中でも自分たちが特に伝えたいポイントを押さえてしっかり伝えられているのはもちろんですが、両チームともに途中からチームとして発表することを意識して、メンバー一人ひとりに担当パートを決めて発表してくれました。メンバーそれぞれ日本語力と発表力に差はありましたが、チームとしての発表はとてもよかったです。この合宿でわたしが一番皆さんに自慢したい瞬間のひとつです!大人たちとの交流の時間イベントたくさんの2日目は特に雨に影響されるので、合宿の2週間前からもうヤフー天気の浦幌ページを何回も何回もチェックしていました。そんなことを見抜かれたかのようにお天気さんもいたずらで、雨マークと晴れマークが反復横跳び並みに変わっていました。朝霧雨の中でのスタートでしたが、畑ご飯は何とか降られずに終わり、昼過ぎから雨足強くなりましたが、仕事体験の時間には見事にやみ外での見学も叶いました。夕方には雨上がりの柔らかい色の夕焼けに包まれながらBBQもできました!BBQでは4つに分かれて座って、それぞれの小グループにスタッフの大人と浦幌の大人を仕込みました。2日間一緒に過ごしているとは言え、プログラムに取り組む時間がほとんどなので、ここでご飯を一緒にたべてフランクな会話をしつつ、参加者たちが安心して将来への考えを話してもらうのが狙いです。夜が深まっていくのと同時に各グループでの話し声も小さくなっていっきました。照れながら将来の夢を語ったり、進路について大人に質問したり。合宿最終日に向かう準備は、ばっちり!夏合宿3日目3日目は、社会人と先輩の体験談の話を聞きました。最初の登壇者は、高室印刷の高室さん。浦幌町で印刷会社を経営しながら、剣道の指導に祭りでのハンバーガー屋出店にフェスの開催。気になる「なぜ?」がたくさんで、話をしている横から質問の手が次々上がる!次は十勝うらほろ樂舎の宮寺さん。20年以上勤めていた前職での経験とその心境変化は、もちろん、そこから新しい世界に飛び込む勇気や新しいチャレンジを恐れない姿に、参加者たちは終始引き込まれていました。そして、最後は私、李澍が先輩の話をしました。年やルーツが近い分、リアルな悩みとその乗り越え方を伝えるのが一番私として話すべきことだと思って高校~大学の話を。参加者たちからの「元気もらいました」が聞けてほんとによかったです。社会人経験談と先輩経験談のあとは時間を取って、参加者のみんなにそれぞれ3日間を振り返って、感想を発表してもらいました。高室さんと宮寺さんもその場に残っていただき、2日目にお世話になった元木農場元木さんも会場に来てくれました。浦幌の大人たちやスタッフの大人たちに見守られながら、一人ひとりワークシートに向かって、真剣に3日間の振り返りを書き出していました。最後に 1,2日目でも発表する場がいくつもありましたが、具体的なひとつの質問に対する回答であったり、グループで話し合ったことをまとめたり、グループとしての発表の一部を担当するようなものでした。合宿の感想を発表してもらうことは自由度が高いもので、ただ参加者たちがどれくらい合宿の内容を理解できたかについて知りたいからではなく、人前で話をする練習をしてほしいからではなく、自分たちの伝えたいことと伝え方を自分で考えて組み立ててほしい狙いがあります。日本語力もまだすこし心配な参加者がいる中で、どうなるかとちょっと心配でしたが結果は、狙い以上にうまく行きました。企画側として特にうれしかったのは、発言が少なくついて来られているか心配だった参加者からも、プログラム内容ひとつひとつにとてもしっかりした感想が聞けたことです。参加者たちからは、プログラム内容を通しての学びとその先への好奇心が伝わる感想はもちろん、「〇〇さんみたいになりたい。」「〇〇さんの△△のところを見習いたい。」などと、関わってくれた大人たちの名前と具体的な内容を自分の課題と結び付けて紹介してくれたことも多くありました。また、周りによく気を遣っていて外交的に見えた参加者から、「実は日本語がうまくないことが恥ずかしくて自分から声かけることも苦手だったけど、みらいチャレンジでは自分から声かけることを頑張れた」という話が聞けました。ほかの参加者からも学校以外で外国にルーツを持つ同年代と交流できることを喜んでくれた声が上がって、そういう場を提供できたことが何よりよかったです。参加者からの感想を聞きながら、「なるほど。同じ合宿内容でも、ひとりひとりが違う受け取り方をしてくれて、それぞれ違った収穫を得てくれたんだな。」と思いました。これも、浦幌のバラエティ豊かな登壇者がいて、事前学習から見守ってくれた伴走者のおかげだと思います。去年のみらいチャレンジでも感じましたが、ほんとにいろんなところで参加者たちがプログラム内容を超える感性を見せてくれました。上記以外にも、大人たちがおっと驚く場面がたくさんありました。そういう場面に会うと、すごく誇らしい気分になると同時に、もっとその子の個性を伸ばせるのにどうしたらいいかうれしい悩みが起きます。そんなことを考えるためにも、みらいチャレンジプログラムは夏合宿がピークではなく、ここからが本番です。10月12月と2回の事後学習を実施し、みらいチャレンジが終わった後にも、参加者たちが自分の力で日々の経験から学び、考え、行動できるようになっていくための大事なステップを作っていきたいと思います。10月末に実施した1回目では、夏合宿から少し時間が経って今、参加者たちは夏合宿から得た視点と考え方をそれぞれ実践できているか、もしくは実践するためにさらに必要なものが何かを、参加者たちと一緒に振り返りしながら、近況共有をしながらじっくり考える時間にできました。皆さんには2回目の事後学習が終わるころにまた、参加者たちの様子をお伝えできればと思います。報告までまたしばらく空いてしまいますが、ぜひお楽しみに! 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【リマインド】「みらいチャレンジプログラム2021」活動報告会(5/22(日)14時~15時)
2022/05/19 17:44皆様先日、支援者の方々には個別メッセージを送付致しましたが、以下の通り活動報告会を実施しますので、奮ってご参加下さい。宜しくお願い致します。*************************************【お知らせ】感謝をこめて「みらいチャレンジプログラム2021」活動報告会を開催します!みなさまご無沙汰しています。特定非営利活動法人glolabの柴山です。新年度が始まりましたが、みなさまいかがお過ごしですか。私たちは「みらいチャレンジプログラム2022」にむけて、少しずつ準備を始めています。このプログラムをもっとひろめるために、4/24 に支援者向け活動報告会を実施し、プログラムの企画や想いをお伝えさせていただきました。「このような場は似た境遇の仲間はもちろん、地域のさまざまな大人に出会える素晴らしい機会だと思いました。」「子どもたちの進路選択の幅を広げるという点に着目しており、今日の社会で、外国にルーツを持つ子どもたちにとって非常に重要な活動であると思いました。 自分の知らない世界に触れることで、新たな自分を発見し、子どもたちが自分の個性を伸ばして羽ばたいていける助けになると感じました。」など、プログラムの趣旨や内容に共感していただけて、嬉しい気持ちでいっぱいです。さて、事前にご連絡しましたように「みらいチャレンジプログラム2021」を応援してくださった皆様向け報告会を以下に実施いたします。みらいチャレンジ2021の概要はもちろんのこと「鎌倉合宿」の様子のエピソード等をまじえてお話しできたらと思います!みらいチャレンジ2021 活動報告会日時 2022年5月22日 14:00-15:00場所 ZOOM ミーティングJoin Zoom Meetinghttps://us06web.zoom.us/j/85306448248?pwd=bDBHbG5qS1NMalpiL05EUHdpQXVPQT09Meeting ID: 853 0644 8248Passcode: 612508*活動報告、お礼のメッセージ等リターンは5月にお送りいたします。大変お手数ですが、出欠のご連絡をこのメッセージへの返信の形でお返事いただけましたら幸いです。なお、当日ご参加が難しい方には、当日の様子を動画録画し限定公開することも可能ですので、ご希望の方はその旨お知らせください。****************************お名前ご所属(任意)ご連絡先(メールアドレス)****************************オンラインではありますが、皆様にお会いできることを楽しみにしています! もっと見る
たくさんのご支援をありがとうございました!
2022/01/31 17:56こんにちは。「みらいチャレンジ」プログラムの企画者の李澍です。みらいチャレンジのクラウドファンディングは昨日1月30日で無事終了いたしました。目標金額の達成にはなりませんでしたが、60名もの方にみらいチャレンジのことに共感していただき、ご支援や温かいメッセージをいただきありがとうございました。ひとつひとつの声が、ほんとに励ましと力になっています。そして約一か月間の間、わたしたちのクラウドファンディングというチャレンジを最後まで見守っていただきありがとうございます。感謝、感謝です。日本語習得の困難さ、精神面・社会への適応の課題、進路選択の課題などと、いくつもの壁に立ち向かわなければならない、外国にルーツを持つ若者の「納得する進路選択」のために、先輩や支援者たちが考えられるサポート・提供してあげられるコンテンツが、この企画の原動力にありました。しかし、元当事者として、いろいろな面まで配慮をしたいい案ができた!と思っていざ募集説明会を開いてみても、「すごく素敵なプログラムだけど、外国にルーツを持つ若者はまだそこまで考えられる余裕がないのでは?」、「趣旨はいいけど、わざわざ北海道浦幌に行ってやる意味はあるんですか?」、「こんな何回かだけのプログラムでほんとに変わると思いますか?」と、実現可能性を信じてくれる関係者は全然いませんでした。くじけそうになったその時に力をくれたのは、あとで参加者になってくれたひとりの高校生の言葉でした。彼女は保護者向けの募集説明会に自ら「話を聞いてみたい!」と言ってきてくれていました。説明が終わって、また保護者からプログラムの信頼性について質問されているときに、彼女が急に手を挙げてくれました。「あの、わたし、いきます!浦幌に行きます。」からいきなりはじめて、説明会に出たほかの保護者たちに向かって、当事者の自分が感じたプログラムの魅力と参加したいと思う理由を堂々と発表してくれました。思わず泣きそうになりました。やっぱりこのプログラムを実現させたいと思いました。その子はその後プログラムの一人目の応募者になり、彼女の回答を聞いた質問した保護者の方は、子ども全員にみらいチャレンジに参加するように提案してくれました。コロナ禍の中で初開催となったみらいチャレンジプログラムは、実施することに当たって様々な壁にぶつかってきました。事前学習は対面とオンラインのハイブリッド、夏合宿はすべてオンライン、事後学習も対面開催できずじまいとなりました。それでもめげずに3月の浦幌合宿にチャレンジしようと思ったのは、参加者たちの成長をずっと見てきたからです。彼/彼女たちにもっと見せたい、知ってもらいたい、考えてほしいことが浦幌にあります。そして、そうできることを応援してくれている人がたくさん、たくさんいることを伝えたいです。そう思って始まった一か月のクラウドファンディングは私たちが想像していたよりも多くの人に届き、応援の寄付と言葉になって帰ってきました。よしっ!まだまだ頑張れる、頑張らなきゃ。と思わせる力になってくれています。オミクロン株の感染拡大により、開催形式を変更することを余儀なくされることが大きな懸念点ではありますが、参加者の皆さんに浦幌での体験を通して教えたいこと、感じてもらいたいことを最大限に伝えられるよう、東京近郊での対面開催/オンライン開催も一案として調整しながら、2月中旬をめどに開催形式を決断したいと思います。ご支援いただいたみなさんには、また改めて準備の進捗と活動報告をさせていただければと思います。運営メンバー一同、重ね重ね心よりお礼を申し上げます。まだまだ、がんばります!皆さんの思いを乗せて、参加者たちと一緒に浦幌に行けますように! もっと見る
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