西平直先生のこと――熊野宏昭先生のコメント⑥熊野宏昭先生対談集クラファン開催中!
熊野宏昭先生の各対談者の方々の感想をご紹介する活動報告。今回は本書の第4章でご対談の京都大学大学院教授の西平直先生についてです。
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西平直先生との対談について
西平先生のお話を最初にお伺いしたのは日本マインドフルネス学会でした。本書のために対談させていただいた1~2年前だったと思います。その学会のときのお話を聞いて「同じようなことを考えておられるんだな」と思って、一度きちんとお話ししてみたいなと思ったのがきっかけです。西平先生との対談は先生のご著書の『世阿弥の稽古哲学』を参照しながらお話させていただきました。先に対談した鎌田東二先生も世阿弥の研究者です。そういう繋がりもあって、鎌田先生が提出されている「完全受動態」というところを掘り下げていけるのではないかと。
日本文化というのは、自分というものを非常に最小化しているというか、「自分というのが消えたところから日本文化は生まれている」というところがあるんだと思うんですね。だから「おれが」「おれが」というのが残っていると、たぶん能の舞も舞えない。自分というものを虚しくしていったら何もなくなって、能なんて舞えないじゃないか、というふうに考えてしまいますが、そこで「あ、そうか。無心に舞うんだ」と。ここで、無心というものの働きがあるんだということになります。鈴木大拙先生も無心の本(『無心ということ』)を書いておられますが、西平先生の本を読んだところ、そのあたりが非常に具体的に書かれていたので、これはお話をお聞きしたいなと。
それからもう一つ、西平先生のご本の中に井筒俊彦先生の有名な『意識と本質』(岩波文庫)が出てきて、私も読んでみたんですね。そうしたら、これがまた驚くべき本でですね、ここに書いてあるようなことも考えておられた方なら、私が聞きしたいことをいろいろと知っているに違いないと。西平先生との対談は、私が聞きたいことを聞きまくるという、そういう役得みたいな対談だったのかと思います。
その結果、非常に面白い話がいろいろ聞けました。そして西平先生にもまだおわかりにならないところがあるというところも率直にお聞きできて、ここまでの一連の対談の流れをまとめるものとして、ヒントをいただいいたなというふうに思いました。
(熊野宏昭)
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