スマナサーラ長老から、私の方法はものすごく回り道でくどいよと、やんわりと示唆していただいた
私は人から習うのが上手ではないのですが、何もないところで実践はできませんので、勉強しながら、その都度いろんな人に教えていただき。あと、本をいろいろ読んで、そこに書いてあることに基づきながらやってきました。
マインドフルネスやヴィパッサナーに関しては、スマナサーラ長老の『自分を変える気づきの瞑想法』、今は第4版まで出ていますが、これの最初に出た本を買って、その本に基づいて私はヴィパッサナー瞑想を覚えました。そしてそれを実践して今に至っている、まぁそんなつもりだったんですね。なので心の中では、スマナサーラ長老に教えていただいて、私のマインドフルネスは始まったし今も実践しているんだと思っていたわけです。
一度、ゴータミー精舎という幡ヶ谷にあるお寺に行って、一度だけですけど何人かの人たちと直接スマナサーラ長老のお話をお伺いしたことがありました。
本書に収録した対談の時は公開のワークショップだったので、私もマインドフルネスの実践指導をして、10分くらいやっていただいたんです。それが会の前半でした。後半でスマナサーラ長老のお話と対談でした。
休憩に入るときにスマナサーラ長老から言われたのは、「熊野先生、私は熊野先生のおっしゃったことを全部否定しなくちゃいけないですね」と。私も「わかりました、ありがとうございます。私もまた、勉強させていただきます」と後半に参加させていただいたのですが、心中穏やかじゃないです。何を言われるんだろうと(笑)
もちろん、私が行なったことを否定するような形でお話になったわけではありません。そんな意地悪な方ではないですから。ただ、私がやったのとは全く違うやり方で教えられました。
その中で仰っていたのは、「私は気が短いんですよ」と。だから最短距離で進んでいく。そういう質なんだと。前半で私が皆さんにお伝えしたことは、ものすごく回り道でくどいよということを、やんわりとおっしゃったわけなんですね。
そこから私が学べたことはものすごく大きかったですね。私のやっていることはものすごくくどいんだ、最短距離はこうなんだということを感じましたた。実際それがどういうことだったかというのは本に書きましたので読んでください。
一言で言うと、誰が瞑想するのか、誰がヴィパッサナーするのか。私が瞑想するわけですよね。自分が瞑想する。俺が幸せになりたくて、俺が苦しみから抜け出したくて、瞑想するわけです。「それじゃ瞑想にならないでしょ」ということなんです。「俺」を手放す、「俺」から離れるのが、ある意味瞑想の目標なんです。自分で作り上げた「俺」ですよね。
「これは譲れない、これは好き、これは嫌い」、そういう自己イメージや自己概念から自由になるために瞑想するのに、そこから出発してどうするの? そういう話なんですね。
それが、私がスマナサーラ長老から教えていただいたことじゃないかなと思います。
私はその教えを胸にしまいながら、その後の対談を続けていったということになります。
おそらく、その宿題のかなりの部分には答えられるところまで来たかな、とは思います。まだ完全にってところではないですが。その後の4人の先生方の対談で、答えがどのように進んでいったか、皆さん楽しみに読んでいただければと思います。
(熊野宏昭)
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