大変お世話になっております。クラウドファンディング「海のシンバル書籍化プロジェクト」の久々原仁介です。10月になり、寒暖差が激しい季節となって参りました。皆様はいかがお過ごしでしょうか。9月には文学フリマ大阪にてたくさんの方とお会いすることができました!足を運んでいただいた皆様、誠にありがとうございます……!大阪の雰囲気というか、どこにいてもみんなが温かく迎え入れてくれる感じが本当にいいなぁと思います。活気があるけど殺伐としていないというか。なんば駅周辺はまじで「なんでこんな設計にしたの???」って感じで迷路でしたが……。とにもかくにも、素晴らしい時間を過ごせたことを本当に嬉しく思います。それではプロジェクトの進捗報告をしていきたいと思います!! 合計金額→2,004,000円とうとう!!!!200万円の大台まで到達いたしました!!!!!わーーーーー!!!やったーーーーー!!!最初はリターンの経費やクラファンの広告費で諸々差っ引かれてしまって泣きそうでしたが、ようやくここまできました……。そしてこれらのほとんどが「海のシンバル」の売上によって積み上がっていると思うとほんとに感無量といいますか……お手にとって頂いた皆様……本当に、ありがとうございます……。実は「海のシンバル」の同人版について、先日も在庫が切れてしまったため発注しました。海のシンバルはカラーカバー付きの印刷のため、ちょっとお高め……。冊数をそれなりに印刷すると余裕で8万円くらいは飛んじゃうため、調整が難しい……。そのせいで合計金額がなかなか伸びない部分もあるため、何か対策を練らないと……。と、苦心しております。これは余談になってしまいますが……。「海のシンバル」同人版を書いてからどれくらいの冊数の同人誌を印刷所さんに頼んだかなと思って調べたところ、発行部数は今回の発注でちょうど1000冊を超えていました……。同人誌で1000冊売れる小説って、きっと素晴らしいことなんだろうなと思います。このプロジェクトの目的が、海のシンバルという作品を「あの日を忘れないための一つの部品にする」ことであるとするなら、その階段を一つ一つのぼっている最中なのかもしれません。叶うならひとりでも多くの人に届きますように。 今後ともよろしくお願いいたします。
震災 の付いた活動報告
大変お世話になっております。クラウドファンディング「海のシンバル書籍化プロジェクト」の久々原仁介です。段々と、春の温もりや生えわたる緑が気持ちい季節になって参りましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。4月が終わり、新年度の慌ただしさもようやく落ち着いてきたことで、ようやく進捗報告を投稿することができ、自分自身もほっとしています。本日は以下についてご報告いたします。①プロジェクト合計金額②「文学フリマ東京38」出店のお知らせ③Booth開設のお知らせ④「海のシンバル」の現状について以上の4点になります。①プロジェクト合計金額 合計金額→1,80,100円 引き続き、資金調達に励んでおります。200万円までの大台も見えてきたことで、 自分自身もより一層身が引き締まる思いです。 皆様からご支援頂いた機会を損失しないよう、定期的な進捗報告を行っていきたいと思います。②「文学フリマ東京38」出店のお知らせ 5月19日に開催予定の文学フリマ東京38にサークル出店いたします!会場では返礼品となっていた「海のシンバル」「Fのキャンバス」だけではなく、短編集である「夜心」「青色の指を見ている」も頒布予定です!それだけではなく!最新刊の「万華鏡を砕く音が聴こえる」も30部限定で頒布予定ですので、お見逃しなく!皆様のご来店を心よりお待ちしております!5/19(日) 12:00〜17:00 開催! (最終入場16:55)東京流通センター 第一展示場 D-09 サークル:リアス式海岸イベント情報→https://bunfree.net/event/tokyo38/ ③Boothでの販売について 以前からお伝えしておりました。Boothでのネット販売について目処が立ちましたのでお知らせです!「海のシンバル」を含めた他の短編集「万華鏡を砕く音が聞こえる」「夜心」「青色の指を見ている」のネット販売を開始していく予定です。海のシンバルの前日譚である「Fのキャンバス」については残り部数が少なく文学フリマ東京で残った場合に販売いたします!こちらの売上については、プロジェクトへ合計金額に加算していきますので何卒宜しくお願い致します。※5月末にBooth開始予定です④「海のシンバル」の現状について 出版に向けて金銭的な部分だけではなく、編集者の方と話し合いながら書籍化に向けて修正をしております。正直なところ、初めての作業や慣れない部分が多くあり、こちらの方が僕にとってはすごく大変です。多方面にご迷惑をおかけしながら、海のシンバルを加筆修正をしております。 そんななかで自分が強く思ったのは、作品と商品は違うということです。 これは善悪の話ではなく、ましてや出版社側への主張でもありません。ただ、僕自身がいかに書き手として未熟かを思い知りました。 海のシンバルという作品は東日本大震災をテーマに書かれております。それだけではなく、はっきりとした地名も記されております。僕自身、それがこの作品の特徴であると考えておりました。ですが、書店という誰の目にも触れてもおかしくない場所で、行き過ぎたリアリティは今そこで生きている方々を傷つけるのではないかという問題と自分自身の葛藤がありました。それについて僕は一つの答えを探さないといけないと思います。 見えるナイフを書店に置くのか? という問いに対して自問自答しながら、今も海のシンバルを書いております。 最も、美しいカタチで皆様にお届けできる様に、これからも全力で頑張ります。 何卒宜しくお願いします。
大切な皆様へ 春の息吹も感じられる今日この頃、ご支援者の皆様はいかがお過ごしでしょうか。 大変お世話になっております。〈3.11を忘れない。震災の記憶をつなぐ小説『海のシンバル』を多くの人に届けたい〉のプロジェクトリーダーの久々原仁介です。 クラウドファンディングの返礼品も到着している頃合いなのではないかと思います。想定を超える多くの支援者への配送にお時間がかかったことで、皆様をお待たせしてしてしまい誠に申し訳ございません。そういったなかで「届いたよ!」「書いてくれてありがとう!」というたくさんの応援の言葉を頂きましたこと、本当に嬉しく思います。もしもお送りいたしました返礼品に不備がありました際は、ご連絡いただけましたら幸いです。 昨年のクラウドファンディングでは、ご支援者の皆様からたくさんの応援のお言葉を頂きました。初めてのクラファン、初めての交流。僕にとっては激動の3カ月が、もう半年間も前のことという事実に私自身も驚いております。 今日で、東日本大震災から12年が経ちました。 多くの記憶が呼び起こされる日に、僕もまたこれを綴っております。 思いやりや、優しい言葉だけでは、この気持ちを書き起こせないかもしれません。それは僕がいま、小説家としてではなく、ひとりの人間として机に向かっているからです。そんな僕を、どうか今日という時間だけはお許しいただけましたら幸いです。 この12年間は僕にとって、後ろ向きに歩いてきたような人生でした。3.11からずっと伸びる鎖を、首に巻いて歩いてきました。それは長く、重たい鎖でした。 テレビを眺めるだけの僕が、初めて子どもであることを知りました。家族を置いて被災地に行けない子どもであることを知りました。僕の命が、ひどく薄弱で、誰の助けにもなれないことを知りました。次の日には学校に行きました。一分間の黙禱で、まるですべてを忘れて普段通りの振る舞いを強いられるのが嫌でした。予定されていた番組やドラマが延期されることを愚痴るクラスメイトが嫌でした。そこには無責任な頑張れを言えない、僕だけがいました。 あの日、助からない命があって、助かった命があって。その境界線はグラデーションではなくて、はっきりと線引きされていて。どうして自分の命が助かった側にいるのかの意味を分からないまま生きてきました。 海のシンバルは、その意味を探し歩くなかで拾った多くの感情によってできた作品でした。 関わり続けたい、忘れてほしくないというエゴを包み隠さず書いた「海のシンバル」は、幸い多くの反響を得ました。この小説を読んだことによって、東日本大震災を考える一つのきっかけになってくれればという思いもありました。 しかし非被災者が書く3.11は、どれだけ綿密な取材を重ねて、多くの配慮を行ったとしても、冒涜的な一面をもったフィクションに過ぎません。 震災を利用していると言われることも、少なくありません。でもそうして僕を責める人を誰が咎めることができるでしょうか。 あの日、テレビの前で立ち尽くすだけだった僕が今さらのように書いた小説を、責める彼らが間違ってるなどと、言える人などどこにもいないと、僕は思います。 先日、僕の元に一通のDMが届きました。そこには海のシンバルを読んだこと。当時、最愛の両親を津波によって奪われたことをその方は教えてくれました。この物語を読んで初めて、自身の喪失に整理が付いたことについて触れ、最後に僕へこう問いかけました。 非被災者である貴方が、どうしてそこまでするんですか。 その方は僕が、多くの誹謗中傷に晒されていることを知ったうえで、心から慮ってくださり、どうして自分の傷をかえりみないのかという言葉をもらいました。 正直、その答えを僕ははっきりと文字に起こすことは今もできません。 しかし僕の心の中にある街並みは当時のままです。僕の心は瓦礫の街に囚われていて、それは街を覆う瓦礫を一つでも多く取り払いたい気持ちと似ているのかもしれません。この瓦礫の下に大切なものがあるのではないかと思うほどに、一文字でも多く書かなければいけないと思ってしまう。もしかするとその先で届く誰かがいるかもしれないと思うほど、言葉は指先からボロボロと零れてしょうがなくなります。 それが今の僕が考える、この作品を世に出したいと考える理由なのかもしれません。 拙い文章で恐縮ですが、ここまで読んで頂き誠にありがとうございます。 この作品を必ず世に出すという決意を、応援頂きましたことに、重ねて深く御礼申し上げます。様々な想いによって紡がれた「海のシンバル」の行く先をどうかこれからも見守って頂けますと幸いです。 歩みは未だ始まったばかりではございますが、皆様からのご支援に恥じぬように一歩一歩を踏みしめて、ひたすらに前に進もうと思います。 今日という日に、いつか優しさが残るように心から願っております。 久々原仁介