はじめに・ご挨拶
「月桃の花」歌舞団は、映画「GAMA-月桃の花」に込められた「命どぅ宝(命こそ宝)」の心を全国に広げようと、沖縄の音楽家・海勢頭豊さんのプロデュースのもと1997年に結成されました。エイサーや三線、合唱、劇、バンドなどで構成しています。
このプロジェクトで実現したいこと
2022年4月24日・日曜日に行われる、フクシマ・オキナワとつながる希望のミュージカルコメディ「ガマ人間あらわる」郡山公演を300人のお客さんに観ていただくことです。場所は開成山野外音楽堂(開場14:30、開演15:00)。入場無料です。
「ガマ人間あらわる」は3年にわたる現地取材と交流から生み出されました。フクシマ・オキナワとつながり命の使い捨て社会を笑い飛ばす希望のミュージカルです。苦しい「今」を生きるすべての人にこの作品を贈ります。
本作はこれまで全国35カ所で上演し4500人をこえる方々に観ていただきました。福島県内での上演は5回目となり、今回は初めて郡山市在住の歌舞団員が主役を務めます。
会場は感染リスクの低い屋外です。桜の花もきれいな頃でころでしょう。椅子席は約500席。それ以外に芝生の斜面でご覧になることもできます。舞台は演者と観客が一緒につくるもの。多くの方々に観ていただいて「命どぅ宝(命こそ宝)」の心を伝えたいと考えています。
プロジェクトをやろうと思った理由
2016年10月8日、県内2回目の公演が福島市音楽堂で行われました。この公演をご覧になった郡山市在住の方から「わたしの町でも」とお声がけいただき、翌2017年7月1日に郡山公演(郡山市中央公民館 )が実現しました。
その時スタッフとして手伝ってくれたメンバーの一人が歌舞団に入団し、その後千葉や茨城の公演に参加。2020年10月、2021年7月の神奈川公演には自らの体験を重ね合わせながら、原発事故当時「北のシマ」で小さな子どもを育てていた若いお母さん、沙織役を演じました。
……震災当時の葛藤を沙織役にぶつけて
2020年10 月 25 日に神奈川県の中原平和公園で行われた「ガマ人間あらわる」神奈川公演は、初の野外公演に加えて、私にとって「沙 織役」の初主演でした。8月に行われたプレ公演では、あまりにもひどい自分の不出来さに言葉を失い、同時に怒りと悔しさがこみあげてきました。「足を運んでくれた観客にたいして失礼極まりない。こんなに仲間ががんばっているのに 何をしているんだ」という思いから自分なりの練習方で毎日まいにち練習にはげみました。
震災当時、私は「福島は安心安全と、国がそう言ってるんだから、なんで逃げなくちゃいけないの」と、真実か ら目をそむけることを選びました。強がり、自分に嘘をつくことで自分を守っていたのかもしれません。本当は避難した人がうらやましかったのだと思います… 。
私が演じた役は、震災後すぐに避難することを決めたのにも関わらず、家族に反対され、葛藤のなか妹を「南のシマ」に避難させ、自分は「北のシマ」に残るという姉の役でした。だから「本当は大切な子供達を連れて安全なところに逃げたかった」という思い、そして「子供達を守ることができなかった罪悪 感」が強く演技に影響したのだと思います。
演技するうえで、これをリンクさせたことが良いのか悪いのか今も葛藤するところではありますが、公演後のたくさんの拍手に包まれた瞬間、達成感 と安堵でいっぱいでした。これからも切磋琢磨しながら、もっともっとたくさんの人に観ていただきたい、そう思わずにはいられません。(花ごころ58号・2020年12月より)……………………
今回の公演では、彼女をはじめ4人の主な登場人物のうち3人が郡山市民です(団員2人、客演1人)。 また、沙織の妹のぞみの派遣先の上司の役と沖縄戦での日本兵役とを、やはり前回の郡山公演のスタッフだった郡山市在住の仲間が演じます。
「3.11から10年」という副題にもありますように、今回の郡山公演は2020年に関東、関西、福島の団員が互いに交流しながら各地の公演を行うことを目指していました。しかし、コロナ禍のため会場の手配、団員の往来も困難な事態となり2021年11月に一旦延期したところ、第5波のため再延期となった経過があります。文字通り「コロナ禍で迎える3.11から10年」となりました。
3.11以降、避難区域に指定された地域とされなかった地域、被災地となった自治体とならなかった自治体、避難した人と避難しなかった人等々、様々な分断がわたしたちのまわりにもたらされました。昨年から続くコロナ禍によりそれは一層深く、多様で身近になっているように思えます。
「コロナ禍で迎える3.11から10年」の 今、”痛み”、”苦しみ”を語り合い、互いに耳を傾けることができる空間、時間を創り出すことがわたしたちが目指す「命どぅ宝(命こそ宝)」の心を伝えることだと思っています。
これまでの活動
1987年から毎年開催されてきた「海勢頭豊コンサート」実行委員会を母体に、1997年に「月桃の花」歌舞団は結成されました。沖縄の音楽家海勢頭豊さんの指導を受けながら毎年関東関西でオリジナル脚本によるミュージカル公演を行ってきました。
2007年4月にフィリピンのマニラ国際平和大会でミュージカルを上演、同年5月には韓国・プサンで日韓共演平和ミュージカル釜山公演「二つの視線―1964記憶と目撃、2003希望の歌」を行いました。2008年10月には韓国ソウルで行われた第2回世界NGO歴史平和大会で「アジアオペレッタ~NO!ハプサ」を上演しました。
2011年3月、わたしたちは「ワーキングプア希望宣言 フリーダム」の巡回公演を関東関西各地で行っていました。 派遣切りにあった若者とイラク戦争に従軍しPTSDを負ったイラク帰還兵の物語でした。東日本大震災とそれに続く東京電力福島第一原発の事故の後も「フリーダム」の巡回公演を続け、2012年7月に初めての東北公演として、宮城県仙台市泉区と名取市美田園仮設住宅で「フリーダム」上演とエイサーまつりを同時開催し被災地の現実に触れました。
2013年2月17日「フリーダム」最終公演となった沖縄公演後、わたしたちは次回作に向けて福島、沖縄の現地取材と交流を重ねました。
沖縄では沖縄戦の際に防空壕や日本軍の司令部として使われたガマ(洞窟)の中に入り、その闇を体験しました。
また震災当時、東京電力福島第一原子力発電所の敷地内で仕事をしていて、危うく津波にのみこまれるところだったという南相馬市出身の元作業員の方と出会いました。「あの時、俺ここにいました」と事故当時の東京電力福島第一原子力発電所の写真を指差しながら、お話をしてくださいました。
福島では「何を食べたらいいのか「洗濯物を外に干していいのか」など、何でも話し合える場を作ろうと活動を始めたお母さんたちと交流し、学校の様子などを息子さんから聞きました。
このような交流をもとに関東関西各地で写真展を開催し自分たちが見てきたことを伝え、被災地から関東関西に避難してきた方々と交流しました。
一例として東京都練馬区で開催した写真展の模様を紹介します。 この写真展に向けてわたしたちは東京東部地域で 放射線量測定するフィールドワークを企画しました。その結果都立公園で0.75μSv/h、JR亀有駅前「こち亀」の両津巡査像の足元で0.60μSv/hの線量を計測し、首都圏でも「被曝の日常化」 が起きていることを知りました。この事実を福島、沖縄での取材結果と合わせてを伝え、福島市や双葉町から東京に避難してきた方のお話を伺いました。
こうした取り組みから生みだされたのが「ガマ人間あらわる」です。
資金の使い道
皆様から頂いた支援金はCAMPFIRE手数料と公演製作費。運営費に充てられます。
私たち「月桃の花」歌舞団は特定のスポンサーをもたない市民劇団です。団員は会社員、公務員、教師、病院職員、アルバイト、学生、年金生活者などです。これまで公演経費はチケット収入と賛同金で賄ってきました。
今回は会場使用料の関係(入場料と取ると非常に高くなる)と、できるだけ多くの方に観ていただくために、初めての試みとして入場無料とし、より多くの方にご協力をお願いする次第です。
リターンについて
・1000円 「月桃の花」歌舞団全国新聞「花ごころ」郡山公演報告号を提供します。
・3000円 郡山公演の主役4人が今回の公演に向けて思いを語り合った座談会の模様を掲載した「花ごころ」62号と「花ごころ」郡山公演報告号を提供します。
・5000円 「花ごころ」を62号と合わせて1年間 (年4回発行)を提供します。
・10000円 上記に加えてオリジナルCD「ポロロッカ~僕らは生きている」を提供します。
・10000円 上記に加えて 勢頭豊と『月桃の花』歌舞団~希望の歌」を提供します。
・30000円 上記に加えてオリジナルCD
「ポロロッカ~僕らは生きている」と書籍
「海勢頭豊と『月桃の花』歌舞団~希望の
歌」 を提供します。
実施スケジュール
2022年1月30日(日)「ガマ人間あらわる」郡山公演第一回実行委員会・午後2時郡山市ミューカルがくと館和室
2月20日(日)「ガマ人間あらわる」郡山公演第一回実行委員(郡山市にて予定)
3月19日(土)歌舞団Cafe(郡山市にて予定)
3月20日(日)リハーサル(公開)午前10時~午後5時、開成山公園野外音楽堂
4月3日(日)リハーサル(公開)午前10時~午後5時、 郡山市中央公民館金透分室
4月10日(日)リハーサル(公開)午前10時~午後5時、 郡山市中央公民館金透分室
最後に
4人の主役の思いをご紹介します
沙織(郡山市在住・社会人)、のぞみ(郡山市在住・大学生)
剛(郡山市在住・社会人) 、素直(東京在住・社会人)
<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
最新の活動報告
もっと見る「ガマ人間あらわる」郡山公演、無事終了しました。たくさんのご支援、ありがとうございました!
2022/05/16 23:524月24日、「ガマ人間あらわる」郡山公演を無事終えることができました。当日の郡山市のお天気は薄曇り。暑くもなく寒くもなく、日差しも強くなく、開成山野外音楽堂に120人のお客様にご来場いただき、ご覧いただくことができました。いくつか感想をご紹介します。♪重い課題を身近に感じさせ、問いかけているような内容でした。魂の叫びが響いてきました。♪主役のYさんの最初の歌から心を鷲掴みされた感じで見入ってしまいました。姉妹の絆に感動、どの役者さんも一生懸命に演じているのが伝わってきた。♪公園で子供と遊んでいたところ太鼓の音に魅せられて入場した。初めてみるエイサーに感動した。細い体の男性がとてもかっこよかったです。♪沖縄の太鼓を初めてみて感動した。♪ハウリングと音声がマイクを拾っていないのか、聞きづらかった。練習不足ではないかと感じた。内容が盛りだくさんすぎる、もう少し焦点を絞った内容にしないと展開についていけない。しかし、魂の叫びを感じた。今も思い出すと涙が溢れてくる。主役の妹さんの声が一番とおっていた。♪全員が生き生きと演技しているのを観て、自分にはない別世界を見せてもらった。でも内容が盛りだくさんすぎて分かりにくかった。5月8日 歌舞団かふぇ@開成山を開催し、交流しました公演2週間後の5月8日に同じ会場で「歌舞団かふぇ」を開催し、公演を観てくださった方々とエイサーや、三線、歌を交えながら公演の感想や日ごろ感じていることを語り合いました。交流の一部をご紹介します。♪とにかく感動した。私は震災当時埼玉にいたから正直、福島で被害にあった人がこんなに辛い思いをしていることを知らなかった。公演をみて、自分たちが出来ることを考えたいと強く感じた。♪今は戦争していて大変な時期。ウクライナの子どもたちのことを思う。前回の郡山公演も観たが、脚本が整理されてよくなっていた。♪「ガマ人間」は実際にあったことを演じていた。自分のことのように感動した。♪素晴らしかった。脚本が素晴らしい。福島で福島のことを取り上げる、福島のことを話すのは難しいこと。その中で。ミュージカルという形でやるのは素晴らしい。出会いをつながりに取材のために初めて福島を訪ねてから10年、コロナウィルス感染症の拡大、公演1か月前リハーサルを予定していた日に起きた地震などいろいろなことがありましたが、福島歌舞団のなかまと一緒に 「311から10年」の約束を何と果たすことができました。本当にありがとうございました。今回の公演で生まれたあらたな出会いを、つながりに変えて「命どぅ宝」の心をまた広げていきます。これからも応援よろしくお願いします。 もっと見る
予想以上に反響があった「Fukushimaの記憶展2021」(第二回公演実行委員会報告)
2022/03/06 16:312月20日(日)「ガマ人間あらわる」郡山公演第二回 実行委員会をリモート開催しました。歌舞団員以外に郡山市、飯館村、伊達市から参加がありました。歌舞団から「郡山市内を宣伝して回って見えてきた『コロナ禍で迎える3.11から10年』の今」について報告、福島市内の子ども食堂に宣伝に行った福島歌舞団・関さんのレポートを紹介した後交流しました。予想以上に反響があった「Fukushimaの記憶展2021」昨秋、福島市で「Fukushimaの記憶展2021」を開催した伊達市の野澤健一さんから「5日間で1100人の来場者があった。予想以上に反響があった」「311を題材にした作品は売れない、発表の機会は少ない。福島にそういった思いを持った方々が集まって発表することに意味がある」と報告を受けました。「Fukushimaの記憶2021展」絵画、写真、インスタレーションなどなど多様な作品から、出品された皆さんの伝えたい気持ちを強く感じた展覧会でした。2021年9月室生撮影伊達市でギャラリーを運営されている野澤さんは「自分は表現者ではないけれど、震災を体験したものは表現すべきだと思う。次世代に伝える使命を負わされてしまったと思っている」「震災を体験して、原発が爆発して、避難者、被災者…。水俣と同じ。何の責任もないのに災害を被って、生活を壊されて、日常を奪われる。水俣と同じ。」ともおっしゃいました。…そして言えなくなったこの日の参加者の中に「ガマ人間」鹿児島公演(2019年8月薩摩川内市)を観てくださった方がいらっしゃいました。その後福島に転居されたそうで「ミュージカルを見たのは人生で1、2回。そのうちの1回が『ガマ人間』。カエル顔、ガマがインパクトあった!」「社会的な問題をわかりやすく楽しく伝えていた」と感想をいただきました。また、「辛い感情を閉じ込めていた。伝えようとしていたが周りから『他の人だってつらいんだよ』と言われ続け…そして言えなくなった」と自らの経験を語ってくれました。2月23日郡山市公民館回り今後の宣伝方法として、郡山市と郡山市教育委員会の後援がきまったことをうけ「市内のすべての公民館にチラシ配ろう」と郡山市の公民館の一覧表を見ながら討議。2月23日に福島歌舞団、関東歌舞団、郡山市のサポーターの方で手分けして回ることにしました。 もっと見る
後援、郡山市・郡山市教育委員会。高校生もゲスト出演。
2022/02/28 01:00郡山市と郡山市教育委員会の後援をいただきました。あさか開成高校よさこい部「開成舞彩」の皆さんもゲスト出演されます。 もっと見る
コメント
もっと見る