私たちにいはま森のようちえんでは、ワクワクを見つけ、「楽しい」に没頭できる幼児期を過ごしてもらいたいと考えています。
「濡れちゃうよ」
「寒いよ」
「汚いよ」
「危ないよ」
そんな大人の声かけが、子どもたちの体験の機会を奪ってしまいます。
「順番にね」
「早くして」
「他の子がいるでしょ」
そんな大人の声かけが、子どもたちが五感を使うことを妨げてしまいます。
「きれいだね」
「どんな音がする?」
「あれ見てごらん?」
「なんだと思う?」
そんな大人の声かけが、子どもたちが自由に感じる幅を狭めて、体験の意味を一つに決めてしまいます。
「すごいね」
「じょうずだね」
「よくできたね」
そんな大人の声かけが、子どもたちの世界に評価や効率、大人にとっての「意味あるもの」を押し付けてしまいます。
たとえば、
冬の海にやってきた1歳。
この子は今、「寒い冬の海はどんなものか」に出会っている瞬間かもしれない。
ひいては寄せる波を見つめているのかもしれない。
子どもたちが棒を拾い、水の中をかき混ぜる。
水の音に耳をすます子、
棒にあたる水の触り心地を楽しむ子、
水の中で葉っぱの揺らめくさまを見つめる子、
棒のしなりを楽しむ子、
魚の姿を探す子、
同じことをしているように見えても、それぞれがそれぞれの世界を過ごしています。
カレーうどんのために野菜を切る子も、どこから切るか、どんな大きさに切るか、どうやったら固い野菜が切りやすいのか、
子どもたちの頭の中でいろんなことを考えています。
潮が満ちてきて、岩場で水しぶきが上がる。波のひくタイミングを見て、奥まで走る。そして叫ぶ。
毎日一緒にいても、毎日違う。
子どもたちには子どもたちの世界があります。
大人の思考では理解しきれないほど、五感を使って、その瞬間を楽しんでいます。
子どもが何をやりたいと思うのか、そこでどんなことを感じているのか、そばで見ているのはとってもおもしろいです。
言葉や表情で、彼らの感じてることが伝わってきたとき、彼らのみている世界に感動します。
大人のちょっとの介入で、子どもの世界を狭めてしまわないよう、スタッフは日々、子どもへの声のかけ方、タイミング、距離感、いろんなことを考えながら、現場に立っています。
与えないからこそ生まれる自由な世界を意識して過ごしています。
好奇心や探究心、学ぶ心、感受性、表現力、知性、
すべてにつながる、今しかできない貴重な体験の積み重ねだと考えています。