クラウドファンディングでご支援くださいました皆さま、ありがとうございます。心から感謝しています。
これまでいくつか質問が寄せられましたので、本日は、私たちの想いについてお伝えしたいと思います。
なぜ自費出版ではないの?
そうです、障害者の手記って、いくつか出版されています。中には自費出版のものも少なくありません。でも、今回の出版の目的は「一人の高次脳機能障害者が、出版を通じて社会とつながる」です。だから、本も、当事者と編集者だけでなく、多くの人と一緒に作り上げたかったのです。本については、リターンのひとつ【スタッフになって本に名前を載せる権利】で名乗りを上げた5名のクラウドファンディング支援者と、Reジョブ大阪の松嶋で、出版プロジェクトチームが立ち上がり、今は文字の入力作業を分担するところから関わってもらっています。そして、下川さんには「こういう内容が知りたいみたいよ!書いてみて!」と、執筆の依頼が西村から連絡がいき、それを受けて下川さんには「わかりました。がんばります」と、一文字ずつLINEにコメントを入れ、そして原稿用紙に向かっています。
出版のきっかけとなった本人によると「渾身の作」であった「高次脳機能克服記」のノートの何倍も書いているのです。初め、あのノートにあったのは、ひたすら自分一人と向き合った内容でした。でも、今は、Reジョブに対してだけでなく、支援してくださった多くの人に向けて書いています。
なぜクラウドファンディングで資金を募るの?
資金調達にクラウドファンディングを利用したのは、出版のもう一つの目的が「高次脳機能障害という見えない障害があるということを、一人でも多くの人に知ってもらう」だからです。この障害は、医療現場で見落とされることもあり、いまだに診断さえ付いていない人も多くいます。当事者が全国に何人にいるのかはっきりとしたデータすらありません。そして「見えない障害」といわれるように、見た目ではわかりにくいものです。ある日を境に「なんかどんくさくなった」「忘れっぽくなった」「怒りっぽくなった」という症状が出て、職場や学校でうまくやっていけない、でも理由がわからない、でも周囲はだんだん冷たくなる……そして結果、孤立して鬱状態になる人も少なくありません。これを2次障害といいます。
こうした人たちを救うのは、隣にいるあなたが「ん?もしかして……。この前、この人、入院してたから、高次脳機能障害かもしれないな」と気が付いてあげることなのです。そして、そのキーワードで検索した時に、私たちReジョブ大阪が発信したことや、他団体や研究機関が書いたものにヒットするはずです。他に、相談窓口などにもつながるでしょう。
高次脳機能障害者は「問題解決が苦手になる」「客観視するのが苦手になる」という症状もあり、もし、あなたが「高次脳機能障害」という言葉を知らなければ、「そういう人」として思われてしまう人がいるということです。それが「見えない障害」なのです。どうか、少しでも多くの人がこの障害を知って欲しいと願っています。
クラウドファンディングでは、本だけでなく、セミナー参加権、主催権もあります! そこでは、私が直接きちんと説明します。ぜひぜひ、ポチッとしてくださいね。
目標金額100万の目標金額の使い方は?
今回、出版はゴールでなくスタートと考えています。オンデマンド出版などを利用すれば文章執筆や校正などの依頼料を合わせても、もっと安くできるでしょう。でも、今回の資金は、今後の活動にも活かしたいのです。当初考えていた下川さん自らが宣伝する活動費としてだけでなく、今回、既に数名の脳損傷者とつながっており。彼らの活動にも繋げることができたらなと考えています。
みなさんのご支援が集まれば集まるほど輪が広がります。啓蒙活動にも力を入れていきたいと考えています。
どうか、この活動のことを、一人でも多くの方にお伝えください。ちょっとだけ「おせっかい」をしてみてください。例えば「ねえ、こんな障害があるみたいよ。うちの職場でも、脳卒中のあとに復職する人がいるもんね、配慮いるかもね」と仲間に伝えたり、「そういえば、親戚のおばちゃんが、旦那さんが退院後、怒りっぽくなって困ってたわ。もしかして……」と気にかけてみたりしてください。そして、もちろん、この投稿をシェアしてくれるだけでも、本当にありがたいのです!