想いをつなぎみんなでアフターケアを
僕はこれまで弁護士としてソーシャルワーカーとして少年司法、未成年後見人、こどもシェルター等様々な立場からこども・若者の支援に携わってきました。出会うこども・若者のニーズにあわせて様々な支援の仕組を模索してきましたが、その度にひとりの支援者やひとつの団体・機関だけで支え続けることの限界を痛感してきました。
こうした支援の実情を目の当たりにする中で、困難を抱えるこども・若者の支援のその後を支えるアフターケアがより大事であると考えるようになりました。どんなにスペシャルな支援を生み出したとしても、そのこども・若者の抱える困難のすべてを解消することはできません。
こども・若者の抱える困難の多くは、そのこども・若者自身の力で時間をかけながら向き合い乗り越えていくものです。こども期に「育つ権利」が十分に保障されてこなかったこども・若者の「育ち直し・学び直し」のためのアフターケアが必要です。
人生のメインステージを駆け抜ける若者たちのニーズは多種多様であり一言では言い尽くせません。その歩みの中で、更なる傷つきや挫折、別れを経験することもあるでしょう。また、こうした若者達を支えようとする中で支援者自身が傷ついたり、ときには支援者同士で対立したりするようなこともあるでしょう。
だからこそアフターケアはどこか特定の支援者や団体だけで担うのではなくそれぞれがそれぞれの強みを活かしながらみんなで行っていく必要があります。支援のあり方、やり方は様々であって良いと思います。ただ、すべてのこども・若者の幸せを目指すその想いは通じ合っていてほしいです。
このハンドブックを通じて全国各地のさまざまな支援者、支援団体の想いをつなぎ、そうしてできたつながりからまた新たな支援の循環が生まれていくことを願います。
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安井飛鳥さんよりメッセージをいただきました。ありがとうございます!
安井飛鳥
アフターケア事業全国ネットワークえんじゅ 監事/ハンドブック 監修/ちば子ども若者ネットワーク 発起人/子どもの声から始めよう 監事/千葉県フリースクール等ネットワーク 監事/弁護士とソーシャルワーカーの協働を考える会 発起人/社会福祉士・精神保健福祉士・弁護士・DJ