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誰もがすごしやすい社会へ
OTAGAISAMA祭り
第4弾
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「バリアフリー字幕」という言葉を聞いたことがありますか?
実は、単純に台詞を起こした字幕だけでは、聞こえない聞こえづらい方にとっては十分に内容を楽しむことができないことから、映像作品の「音」の情報も含めて文字にしたものです。
そんな映画・映像のバリアフリー化をされているPalabra(パラブラ)株式会社の代表である山上 庄子さんを取材させていただきました。
主にバリアフリーガイドには、「バリアフリー字幕」と「音声ガイド」がありますが、今回は「バリアフリー字幕」に絞って説明させていただきます。
通常の字幕との違い
1:話者名の表記
音がない状態で映像を見ると、口元が映っていなければ誰が話しているのかわかりません。
声の主を失わないよう話者名を表記します。これはその役の正式名称を伝えることが目的ではなく、声色の違いを示すサインのような役割を担っています。
2:音情報・音楽情報の文字化
これは、見ただけではわからない「音」の情報や作品の中で重要な音を文字にします。
入れる情報量や内容も難しい部分がありますが、例えば、無音なシーン。
「無音」と字幕をつけるのではなく、音の変化によって感情が高ぶったり変化することを狙った演出を文字で表現します。
前後に大きな喧騒がある中で、パッと音がなくなったときに無音ができる。
前後の”喧騒”について説明してから、表情を見せるためにあえて、「無音」と字幕に書かなくても演出の意図を表現するケースがあったり、「無音」という文字が逆に邪魔になるケースもある。
といったようなものが一般の字幕との大きな違いです。
簡易な説明になりましたが、どんなものなのか、実際の作品を見てみましょう。
【音声ガイド・日本語字幕付き】『明日をへぐる』予告編
最後に
山上さんがおっしゃっていた言葉で印象的だったのが、
『「字幕こうだったね」っていう感想であったら失敗。』
という言葉でした。
そもそも映画の感想が先にくるのが当たり前なので、字幕の感想が先にきてしまったということは、字幕に何かしら気になる部分が出てしまっている場合が多いからという理由です。
この字幕のバリアフリーがいかに当たり前になり、誰もが楽しめるエンタメを届けていきたい。
この想いがとても伝わる取材でした。
映像のアクセシビリティもウェブのアクセシビリティもまだまだ認知度が低いという共通の課題があり、このプロジェクトを通じて、この記事をシェアしていただき、より多くの方に知っていただければ嬉しい限りです。
この他にも、映画におけるバリアフリーの観点で映像のアクセシビリティに関して取材させていただきました。
ウェルサーチでも後ほど、記事になりますので、楽しみにしていてください。
Palabra株式会社
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