昨日、3月30日をもって、ラオスのこどものクラウドファンディング 【「もっと本を読みたい!」 ラオスの子どもたちに、やべみつのりさんの絵本と紙芝居を】 終了しました。残念ながら、目標金額を達成することは出来ませんでしたが、合計40万円ものご支援をいただき、本当にありがとうございます。ご寄付をいただいた方はもちろん、日本各地のたくさんの皆様から応援の声も寄せられており、心から感謝しております。このクラウドファンディング以外にも、やべさんの絵本と紙芝居の出版を支援したいと、当会に直接ご寄付をくださる方もいて、大変ありがたく思っております。不足する資金を集め、 計画していた環境絵本『ぼくはどこへいくの』と紙芝居『これはジャックのたてたいえ』の出版は、必ず実行いたします。今後、現地とスケジュール等を調整し、進捗状況は随時ご報告してまいりますので、引き続き、活動を見守っていただけると幸いです。これまでご紹介していますように、紙芝居や本との出会いが、文字を覚えたり、表現する手段を得たり、将来の夢を持ったりと、ラオスの子どもたちの未来を少しずつひらいています。時間のかかる活動ですが、子どもの「生きる力を伸ばす」ために、これからも活動に取り組んでまいります。この度、ご支援をいただいた皆さまには、重ねてお礼を申しあげます。本当にありがとうございました。特定非営利活動法人ラオスのこども代表 チャンタソン インタヴォン
ラオス語 の付いた活動報告
モン族の村の小学校でのお話のつづき(前編はコチラ)子どもたちが本に夢中になり、だんだんとラオス語が出来るようになってくるのをみて、学校の先生たちは、もっと図書室の活動に力をいれるようになったそうです。先生が「紙芝居をやるよ~」と言ったら、子どもたちがワ~っと集まり、並んで座りました。すると、何人かの子どもたちが手に同じ紙芝居を持っていました。不思議に思い見ていると、先生が動かすタイミングに合わせて、自分の手元の紙芝居を一緒に動かしていました。後列の子どもたちの手元に注目「自分でも演じたくて、ああやって練習しているのよ」と先生が耳打ちしてくれました。自分で演じることも、紙芝居の醍醐味のひとつです。あれ!! 場面がズレているよ!そう、先生が演じる紙芝居に夢中になって、うっかり自分の手を動かすのを忘れてしまいました。子どもたちの目は先生の紙芝居に釘付け何回も観た作品でも、楽しいものは楽しいよね!みんな紙芝居に夢中です。その後、子どもたちも紙芝居を披露してくれました。「ドキドキしたけど、うまく出来たよ」ラオス語で紙芝居を演じる子どもたちは、とても堂々としていて、自信を持っている様子です。人前で演じるのは「自己表現」のひとつ。そして、自己表現が出来るようになることは、生きるうえでの大切なスキルのひとつです。ラオスの学校では、ラオス語で授業することが義務付けられており、母語の違う少数民族の子ども達の学習には大きなハードルがあり、退学率の高さも大きな課題となっています。そんな子どもたちを、紙芝居や絵本が手助けしてくれるのです。先月、北部のホアパン県で、図書室開設支援をした時のこと。(この学校も、児童の大半は少数民族です。)『これはジャックのたてたいえ』の紙芝居を、スタッフが太鼓でリズムをとりながらやってみせたところ、途中からは子ども達も声を合わせて、大合唱となったそうです。一緒に居た先生方は、大きな声でラオス語を発声する子どもたちの姿を初めて見て驚いていたとのこと。右のスタッフが持つのは、ミニサイズの紙芝居です。通常サイズの紙芝居がない為、小さなもので代用しました。大きな紙芝居なら、もっとたくさんの子どもたちが一緒に楽しむことが出来るでしょう。 1部でも多くの紙芝居が子どもたちの元に届けられるように、引き続き、ご支援をよろしくお願いします。【ラオスのこども事務局スタッフ赤井】
ウイルスや戦争、さまざまな脅威と立ち向かわなくてならない現代。どんなところで暮らしていようと、情報を得て、自ら考え、行動する力が必要となっています。その“力”は、生きる上で欠かせない「ライフスキル」です。そして、その力=識字力を得るための一歩となるのが“絵本”ではないでしょうか。ラオスは50もの民族が暮らす多民族・多言語国家です。家庭ではそれぞれの民族の言葉を使いますが、学校では、公用語であるラオス語(ラオ語)で授業がおこなわれます。母語とは異なる言語の教科書を使って、学ばなくてはならず、厳しい状況ですが、ラオス語を習得しなければ、進学することもできません。好むと好まざるとに関わらず、ラオス語を習得することが、ラオス社会で生きていく力となるのです。(休み時間に教室の前で遊ぶ子どもたち)ラオスに暮らす少数民族のひとつ、モン族の村の小学校を訪問した時のこと。この学校の児童は全員モン族の子どもたちで、教員も半数以上がモン族出身でした。私たちが最初にこの学校を訪問した際、図書室の建物と本棚はあるものの、本が雑然と置いてあるだけで、あまり使われていない様子でした。(図書室の外観)子どもたちに質問すると、もじもじとしていて、返事がなかなか返ってきません。インタビューに付き添ってくれた先生は、「この子は、まだラオス語で上手く答えられないの」と教えてくれました。この時は、図書室や図書のさまざまな使い方を先生達に伝えて訪問を終えました。その後、約1年後に同じ学校を訪れたところ、驚く変化がありました。最初の訪問時、子ども達は図書室に入っても、多くは絵を見ながら頁をパラパラとめくっているだけでした。 本を読んでいる子も、指で一つひとつ文字をたどり、声を出しながら読んでいるような状態でした。子どもが文字を覚えたての頃や、大人でも外国語を勉強し始めの頃など、このような読み方をしていませんか?ところが次の訪問では、指は使わず、すらすらと読んでいて、黙読している子どもも増えていました。絵を見るだけだったり、文字をたどっていた子どもたちが、本のおはなしを楽しんでいる様子に変わっていました。インタビューでも、好きな本を尋ねてみたら、タイトルが次々に出てきます。インタビューを受けているときにリラックスして堂々とラオス語で答えている様子に驚きました。「本を読むうちに、子どもたちがだんたんとラオス語が出来るようになって、授業もよく理解できるようになったのよ」と、先生達も嬉しそうに話してくれました。たった1年での大きな変化に驚きましたが、変化はこれだけではありませんでした。【次回へつづく】