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施行業者による火の不始末で工場が全焼、風前の灯の“革漉き加工場”を再建させたい!

革の街浅草で創業85年を迎える皮革素材材料問屋の伊藤登商店です。「革漉き」という革の厚みを変えることの出来る工場を4年前に引き継ぎましたその工場がリフォームを依頼していた施工業者の火の不始末により全焼致しました。革製品制作に必要不可欠な革漉工場再建に向けて皆様のご支援よろしくお願い致します。

CAMPFIREクラウドファンディングアワード

現在の支援総額

5,188,192

172%

目標金額は3,000,000円

支援者数

683

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2023/03/01に募集を開始し、 683人の支援により 5,188,192円の資金を集め、 2023/04/20に募集を終了しました

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現在の支援総額

5,188,192

172%達成

終了

目標金額3,000,000

支援者数683

このプロジェクトは、2023/03/01に募集を開始し、 683人の支援により 5,188,192円の資金を集め、 2023/04/20に募集を終了しました

革の街浅草で創業85年を迎える皮革素材材料問屋の伊藤登商店です。「革漉き」という革の厚みを変えることの出来る工場を4年前に引き継ぎましたその工場がリフォームを依頼していた施工業者の火の不始末により全焼致しました。革製品制作に必要不可欠な革漉工場再建に向けて皆様のご支援よろしくお願い致します。

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4月20日で今回のプロジェクトが終了致しました。最終で支援者数683名 達成率172% 金額5,188,192円になりました。本当に多くの方からのご支援、応援コメントを頂き、改めまして感謝申し上げます!!現在リターン品の集計を行っており、発送に向けて動いております。発送が完了次第順次ご連絡致しますので、今しばらくお待ちください。株式会社 伊藤登商店 伊藤勢一郎


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革漉工場再建に向け仮図案が完成しました。 細かい修正をお願いしながら、着工に向けて施工業者の選定や各所への申請を行っています。 場所柄地盤が緩く改良が必要な点や全面道路が狭く工事車両か入りずらいので、まだまだクリアすることが沢山ありますが、少しずつ再建に向けて進んでいます。


火災の原因は施工業者がベランダの鉄柵を切断する際、防火シートや水かけなどをしないで、グラインダーから出る火花を木造建築に当て続けた結果、火花が建物内に入り込んだことでした。火災翌日警察や消防、科学捜査研究所 (科捜研)による現場検証か終わり、私は火災の原因を聞きました。内容を聞き当然私は直ぐに相手方に損害賠償請求が可能だと思っていましたしかし、施工業者の加入している保険会社側からは「私からの話ではなく、消防の火災原因報告書という書類がないと過失の判断が出来ません」と言われました。それを聞き私は消防に連絡をし、火災原因報告書が欲しいと伝えました、すると、「その火災原因報告書は今回の火災のに関するすべての調査書の一部であり、それが完成しないと渡すことは出来ないので、2が月程お待ちください」と言われました。私は言われた通り2か月待ち、連絡すると「まだ書類が出来ていないので、今しばらくお待ちください‥‥」、再度時間を空けて連絡すると「まだ書類が出来ていないので、もう少々お待ちください‥‥」、その書類が無いと保険会社との話が進まない旨を伝えても「延焼範囲が広く、書類作成に時間が掛かっているので、しばらくお待ちください」しか言われず、具体的にいつ書類が出来るか一切言われることなく、あっという間半年が過ぎた8月,いつものように期待せず連絡すると「ちょうど作成が終わり、連絡しようとした」と言われ私は直ぐに書類を貰える手続きがしたいと伝え、日程を決めるために改めて連絡を貰えることになりました。やっと、話が進むと思った矢先言われたのが「この書類自体が公文書であるので、一般人の伊藤さんにはその場でお渡しは出来ません、書類申請することは可能ですが、数カ月かかり個人情報の観点から全て黒塗りされている書類になります」と突然言われました。そのことを消防は分かっていたはずなのに全く伝えてもらえませんでした。流石に文句をいうと「それが規則です…」や「個人情報の観点から…」の一点張りでした。どうすれば良いか確認すると、弁護士に依頼して「弁護士会照会」という質問状を提出してくれれば、時間はかかりますがその内容にはお答えします‥‥直ぐに、弁護士を探し依頼をしてもらいこちらにその回答書が届くまでにも2か月間掛かりました。回答書を貰い、相手側の保険会社に提出してから1か月ほどで、やっと相手側が過失を認め、少し話が進むことになります。


押上革漉に関して
2023/03/24 11:05
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弊社が運営をしていた革漉工場の名前は「押上革漉」と言います。先代から事業を引継いだ時に、職人も愛着のあるこの名前を引き継ぎました。再度の説明になりますが、、、革漉とは、不揃いな革の厚みを指定された一定の厚みに割る(スライスする)作業のことです。実は私が引継ぐ前からこの押上革漉は漉き加工の技術の高さには定評がありましたし、私自身もそれを実感している一人でした。先に話をしておくと、漉き加工をする上である程度の厚みの誤差は必ず出てしまいます。それは人間が作業しているというのはもちろんですが、革の作られた工程の違い、厚み、硬さ、牛革や山羊革、羊革など種類の違い等、天然素材である革は不確定要素が多すぎるんです。それを職人たちは積み重ねた経験値で作業をします。失敗が許されない中で、毎回一か八かみたいな作業を神経をすり減らしています。例えば1.0mm指定で加工を依頼した場合、どの漉き加工場でもどうしても誤差±0.3㎜でてしまいます、革によってはそれ以上出ることもあります、押上革漉はその誤差が少ない工場でした。先ほどの1.0mm指定の話だと、±0.1㎜で仕上げることが出来ていたのが「押上革漉の技術力の高さ」だと思っております。職人はただ漉き加工をするだけではなく誤差が過分に出てしまうと製品作りに影響が出てしまう事やその後の型押などの二次加工がしづらくなったりということをよく理解してくれていました、なので自分の経験値を最大限発揮して誤差を少なくすることに注力していました。もちろん人為的なミスや機械の不具合、革の質などで不揃いになってしまった事も多くありますが…特に1.0mm以下の漉き加工が押上革漉の得意とするところでした。これは革素材をカット売りしているお客様とのやり取りですが、押上革漉がなくなってから0.6mm漉きが安定しなくなり、工場が再建するまでに0.6mmの販売を控えることも考えているという話を聞きました。ここ最近は革製品も軽量化が進み厚みを薄くすることの要望が多くなりました、その中で今回の火災で押上革漉の技術が再度認識してもらうきっかけになったと思っております。そういった要望を聞くと改めて再建に向け頑張っていきたいと思う原動力になります。


今回は革漉工場を引き継いだ経緯をお話ししたいと思います。5年前の2018年8月朝の8時頃でした。当時外注先であった革漉工場の社長から「俺ももう年だから引退しようと思ってるんだよね‥‥それで伊藤登商店で革漉工場を引き継いでくれないか??」との電話がありました。あまりにも唐突な話でしたし、まさか自分が革漉工場を引き継ぐことも考えてもいませんでした、なので「うちではなく、他社さんへ声をかけてみてはどうですか?」といったところ「もう話はしたけど金銭面の負担や工場を構える不安、その社長の代わりに工場に常駐する人がいない等、様々な理由で断られた」と言っていました。私も工場を運営する自信がなかったですし、革屋さんが漉き加工場を持つことは前例がない為、丁重に断りをしたら「じゃあ、残念だけど今年で廃業するしかないね」となり、私は外注先がなくなるのはマズイ‥‥と思い、まずは話を聞いて廃業を思い留まらせようと、その足で工場へ向かいました。会って話をしてみると、当時の社長は引退したいものの、働いている職人はまだまだ現役で続けたい意向がありました。ただその社長も数少ない漉き加工場をこのまま廃業してしまうのはもったいない、けれど自分には引っ張っていく気力がない…と思っていたそうです。悩んだ末によく漉き加工を利用していて、さらに漉き加工の現状を知っていて、働いている職人たちと良くコミュニケーションを取っている会社一軒ずつ連絡したそうです。私も当時から漉き加工場の少なさ等十分に理解していたので、いったん考えさせてくれと言い、その会社を後にしました。後日談ですが、この頃にはその社長はうちが引き継いでくれそうだと職人に話をしていたそうです‥‥もちろん、金銭面の負担や伊藤登商店と漉き加工場の2社を経営すること、職人たちがついてきてくれるか等々、不安要素を考えたらキリがありませんでした。しかし時間が経つにつれ、私の中にはまず「断る」ということよりも、「どうしたら続けていくことが出来るか?」を一番に考えている事に気付きました。やはり自分の中にはこの「漉き加工業を絶やしてはいけない」という強い思いがあることが分かり、引き継ぐことを決めました。