九州のほぼ中央、熊本県の最北端にある小国町は、約80%が森林の雄大な自然に囲まれた町です。また忘れてはいけないのは、 豊富な地熱・温泉資源にも恵まれた場所だということです。
今回のハンガー用部材の乾燥はこの「地熱」を利用した、小国町森林組合の地熱乾燥施設で行っています。電気や化石燃料等を使わないため、「CO2排出ゼロ、地球に優しい地熱を利用した木材乾燥施設」を打ち出しており、自然環境に負荷をかけない非常にエコな乾燥方法です。
周辺は道路や民家のいたるところから蒸気が噴出し、大地の熱が体感できる場所です。昔から生活に熱利用を取り入れてきたのですね。
逆にいえばこのような場所だからこそ木材の地熱乾燥が可能といえますが、地熱だけあっても、丸太がたくさん出てきて、製材も盛んな地域でないと導入できません。小国町のように3拍子揃った地域がなかなかないため、この地熱乾燥施設は全国的み見ても非常に珍しい施設となっております。
この地熱乾燥は化石燃料を用い時間を短縮できる高温乾燥と違い、低温から中温の室内で時間をかけて乾燥させます。このことからも天然乾燥に近いことが想像されるのですが、実際木材から発するかおり成分の多さから天然乾燥に近いと言え、また、抗菌・耐久性と関連する成分であるジテルペン(Ferruginol, Sandaracopimarinal)が多く、耐腐朽性に優れる可能性がある という報告もあるそうです。
http://ogunisugi.com/products/traders/chinetsukanso
化石燃料を用いた高温乾燥は色味や艶が失われてしましますが、この地熱乾燥は高温乾燥に比べ木への負担が抑えられ、木材本来の色・艶、が保たれます。 ハンガーにするにはうってつけの乾燥方法ですね!