こんばんは!伊勢角屋麦酒ヘッドブルワーの出口善一です。
本日、品川駅北口改札近くの「エキュートエディション新橋」に、伊勢角屋ブランドの東京3号店がオープンいたしました!
伊勢角屋麦酒の樽生10タップ、伊勢角屋の味噌・醤油、三重県の食材を楽しめるクラフトビール居酒屋となっております。ぜひ、皆様お立ち寄りくださいませ。
さて、本日はDIGNITY挑戦のきっかけとなった、とある出来事についてお話しさせてください。
それは、10年ほど前のこと。スタウトを熟成させていた時のことです。
残り少なくなったスタウトを出荷するためにテイスティングしようとした時、「やけに量が少ないな…」と思ったのですが、その残った液を試飲してびっくり!
とても濃く、凝縮されており、まるでインペリアルスタウトのようになっていたんです!
その時はなにが起こったのかわからず、ただただその旨味に震えるばかりでした。
今でも忘れない、頭が真っ白になるような衝撃
いつも通り仕込んだスタウトのテイスティングのつもりで出会った、予想外の味わい。ほんの少量を口に含んだだけで頭が真っ白になるような衝撃を受けたのを、今でも覚えています。
「なにがどうしてこうなったのか皆目検討もつかないが、とにかく美味しい。」
そして清掃の為、タンクのマンホールを開けて何が起こったのかが明らかになりました。機械が故障し、過度に保管温度が下がったことで、タンク内のビールが凍結していたのです!
そう、10年前のあの時、機械の故障という偶然から、アイスボックを造ってしまっていたのです。頭が真っ白になるような衝撃は、ビールが凍結する「アイスボック」によるものだったのです。
機械を導入し、満を持しての挑戦こそが「DIGNITY」
10年前、偶然に造ってしまったアイスボック。あの衝撃を、いつか伊勢角屋麦酒からみなさんに届けたいという思いを、長年胸に秘めていました。そして、それは代表・鈴木も同じでした。15年以上、「美味しい」と言われながらも幻の存在となっていたアイスボックを造りたい。
いや、アイズボックを飲んだことがある人ですが衝撃を受けて震えるようなものを造りたい。
その思いから始まったのが、今回のアイスボック×バレルエイジング「DIGNITY」なのです。
テスト的に木樽に数日寝かせた、「DIGNITY」を飲んでみました。
ほんの少しを口に含んだだけで、とろっと舌にまとわりつきます。
後味は、プリンのカラメル部分だけをちょっと舐めたように、ほろ苦く、甘い。
そこにウイスキー樽で寝かせたことで表にでてきたまろやかさも顔を出してきて…
うまいっ!!
10年前に受けた衝撃を、はるかに超える美味しさです。
偶然の産物ではなく。
資金と時間をかけて、設備を整え、データを管理し辿り着けた味わいだという思いもあり、一層心にじーんと響きます。
私たちがしっかりと管理をし、熟成を重ねていく「DIGNITY」。
ぜひ、ご賞味ください!
応援のほど、宜しくお願い致します。