sumihikoが出来るまで
sumihikoの制作風景です。sumihikoは4つの版で出来ています。そして、手で1枚1枚刷られています。1枚を刷るのに4人で息を合わせて刷ります。版も大きく、刷るには高い技術が必要です。そんな職人芸をご覧ください。
もの作りを知る
もの作りをアーティストに知ってもらう。また、もの作りの企業にもアーティストを知ってもらう。今こそお互いを知り、協力する時代だと思います。
関西に住むアーティストと関西の製造業を結びつけるプロジェクト第2弾を実施します。いろんなものに展開したいアーティストと新しい商品を求める製造業を結びつけ、お互いの思いを形にしていくプロジェクトです。
▼アートの力で元気になるプロジェクト
私はアートにはパワーがあると思っています。そのパワーを使って、アーティストももの作りの企業も、そして持つ人もみんなが元気になる、そんなプロジェクトをしてみたいです。
自分をいろんな形で表現するアーティスト、しかしそれはキャンバスや紙などの上だけの場合も多い。それだけではいろんな人には届かない。もっと広く、いろんな人に届けるにはどうしたらいいのか、
それはもっといろんな形にして届けることではないか。手に持って歩いたり、着てみたり、家に飾ってみたり、使ってみたり。それを手にした人たちがアートから力をもらって笑顔になり、元気になる。
これはそんなプロジェクトです。
▼イマタニタカコのプロフィール
墨アーティスト(奈良在住)
イラストレーターとして仕事をする傍ら、イタリアを旅行中
「日本人として表現活動すること」を考え
生まれ育った奈良の墨で創作しはじめる。
書の枠にとらわれず、墨と異素材を組み合わせたインスタレーション、
ライブパフォーマンス、舞台美術など、空間を使った表現から、
店舗装飾、ロゴ制作と幅広く活動している。
ブログ -銀練墨色-
http://sumihiko.hateblo.jp/
公式サイト
http://sumiart.wix.com/itta
フェイスブック
https://www.facebook.com/door.from/
イマタニタカコからのメッセージ
「奈良墨を染料として墨絵柄の布をつくる」
一点一点の本紙作品を描いていた私にとって、
それはワクワクする新しい挑戦でありました。
墨の色にこだわるあまり何度も刷り直していただき、
グレーと黒の布なのに
いくつもの版をつくっていただいたり、
と、数々の我儘を押し通して
出来上がったモノは
私が描いた原画と寸分たがわない色で仕上がりました。
染料には難しい墨を使って染めることへのご指導をいただいた、墨運堂様、
墨の色を驚くほど再現してくださった松尾捺染様、
高い技術の力と知識に、関西の伝統技術の懐の深さをただただ感じています。
日本人は他に比べ「黒、鼠色」を感じる色の感覚が鋭いと言われています。
黒髪、黒い瞳を持っている由縁であるということです。
日本の古代色の色名の中には黒だけでも「黒」「漆黒」「濡羽色」…
と数種類あり、鼠色のバリエーションに至ってはさまざまな色味をおびた鼠色があります。
墨もまた、淡墨の色を楽しめば無限です。
そのような黒のなかにある豊かな色の奥行を出せるのは墨ならではの特徴であると思います。
こうして出来上がった布を「Sumihiko(墨彦)」と名付けました。
どうか、墨の風合いの奥深さを手に取っていただければと思います。
▼創業200年の奈良墨製造企業「墨運堂」
奈良に墨づくりが伝えられたのは遥か1300年も前にさかのぼります。
大陸からの文化が伝わり、奈良の地が政治学問の中心であった頃の和紙に書かれた書物が正倉院の宝物の中にもあり、今もなお私たちの目を楽しませてくれます。
墨運堂はこの奈良の地で、文化2年(1805)から墨つくりを営んでおります。
古くからの工法でつくり続けることは難しいですが、それでも人の手でしか出来ない部分は残っています。伝統を守りながら、その時代、時代のニーズにこたえながら、今日に至るまで文化の継承、書画芸術発展の素材としての道を歩んでまいりました。
墨のかもしだす幽玄の美は、今では欧米においても高く評価されつつあります。
歴史があるからこそ、墨運堂にしか出来ない研究、開発に取り組んでいます。
伝統の墨つくりを守りながら、建築物の塗料や染料としての墨の可能性、また筆が持ちにくい人にも書を楽しんでもらえる「ゆび筆」の開発など、新しいことにも挑戦しています。
墨を染料にするのは難しいのですが、そんな製品に多くの人が手にふれれば、墨の魅力も伝わっていくのだろうと思います。
株式会社墨運堂 松井社長
株式会社墨運堂のサイトはこちらです。
▼創業90年の生地プリント加工企業「松尾捺染」
大正15年大阪船場は博労町(ばくろまち)の東横堀川を臨む地にて木版彫刻を生業として、松尾盛進堂を祖父が開業いたしました。創業当初よりハンカチーフ、タオルに木版で柄を印捺し、日本全国に出荷しておりました。
父の代になり、手捺染を始め、昭和40年代には機械化を推し進め、ヨーロッパやアメリカにも商品が輸出されるようになりました。今日、わたし三代目で工場のデジタル化を実現し、国内でのもの作りに特化し、衣料、服飾雑貨、ホームテキスタイルの分野に90年培った技術で製品を世に送り出しております。
▲いまも自ら現場で指示をする松尾社長。Sumihikoの試し刷りの一コマ。
▼奈良墨プリント-Sumihiko-について
Sumihikoは奈良在住のアーティストイマタニタカコの墨アートを
奈良墨を染料に、一枚一枚手でプリントしています。
墨の濃淡の再現にこだわってつくりました。
Sumihikoのてぬぐい
奈良墨を染料に、一枚一枚手刷りでつくった手ぬぐいです。
淡い墨色も美しくプリントされて、光に透けると美しいのです。
墨染の特徴で、少し生地がかたくなっておりますが、何回も洗ううち次第になじんでまいります。
最近ではてぬぐいをインテリアとして飾られる方も多いとお聞きします。
Sumihikoのてぬぐいのために奈良の木工作家【七木】さんにてぬぐいホルダーをつくっていただきました。
※天然木のため写真と同じ形のものではない可能性もあります。
天然木の自然のかたちを活かしたてぬぐいホルダーはひとつひとつ手作りで同じ形のものはありません。イチョウと山桜の二種類でつくっていただきました。
天然の木の色は使うごとに色を増して味わい深くなっていきます。
Sumihikoのふろしき、と、ふろしきバック
ふろしきのために、少し光沢のあるしっかりした生地に手刷りしました。
同じ奈良墨でも生地が変わると風合いがすこし変わります。
包み方で柄の流れが幾様にも変化する、それもふろしきならではの楽しみです。
そして、同じ布地で和装にあうバックを仕立てていただきました。
和装に合う大ぶりのカバンが欲しかったのです。
ふろしきでもいいのですけど、もうすこしカバンになってると嬉しいのです。
使わないときは両端のリボンでくるくるっと巻いて手のひらの中にはいるのも嬉しいのです。
Sumihikoと足袋メーカー「クルワ」さん
墨の筆の味わい、濃淡は和装にとても馴染みます。
足袋メーカーのクルワさんとの出会いがあり、素敵な足袋をつくっていただきました。
最近は、和の履物も洒落たものを多く見かけます。足の裏の色が白、黒の二色あるので、どちらかお選びいただき、お着物によって使い分けてください。
クルワさんのサイトはこちらです。
七木さんの出会いで生まれた、sumihiko座きのこ
奈良で木工作家として活動する七木さんの作品は素朴な木の風合いを生かした温かみがあって、使ううちに手になじみ、木肌の色も深みを増してまいります。
七木さんの「座きのこ」をSumihikoでつくっていただくことは、とても嬉しい共同作業となりました。
ちいさなきのこのスツールは、正座するお尻の下にちょこんと使ってみてください。
お茶席や法事など、正座がつらいときに、とても重宝するのです。
折り畳んでバックに入る工夫も嬉しいのです。
七木さんのサイトはこちらです。
Sumihikoの肩掛けトートバック
大き目の肩掛けトートはジーンズにも案外似合います。
男の人でも使っていただけるデザインをと思い、つくりました。
生地はふろしきと同じもので仕立てております。小さく畳んでバックの中にも入るトートです。
肩に負担がかかりにくいように肩掛けの幅を広めいたしました。
奈良の蚊帳生地でつくった、やわらかストール
奈良の蚊帳生地にプリントしたとてもとても軽い、やわらかなストールです。
Sumihikoの墨絵柄が透けて重なり合う風合いを楽しんでいただければ嬉しいです。
※この製品は奈良墨を染料にしておりません。
風が透る、四角ブラウス
ほんとうに四角いので四角ブラウスと名付けました。
頭からかぶって着ていただく、とても楽ちんなブラウスです。
身にまとうとやわらかなガーゼ生地が肌になじみ、体にそって美しいシルエットが出るのが不思議です。
ガーゼ生地の手ぬぐいに奈良墨で手刷りしたものをブラウスに仕立てております。
麻の風合いのブラウスとワンピース
夏らしい麻素材のワンピースと、ノースリーブのブラウスです。
どちらも頭からかぶっていただくデザインです。
上質な麻の質感が墨の筆のタッチをよく表現してくれています。
とても涼やかな印象になりました。
Sumihikoの描きおろしデザインを限定販売で
今回の企画のためにイマタニタカコが描きおろしたデザインの長袖ブラウスとシャツコートです。
3つのデザインの中からお好きなデザインを選んでいただいてあなたのためにオリジナルデザインで仕立てます。
生地はワンピースと同じ、麻に奈良墨でプリントしたものです。
直筆のデザイン画もおつけします。
▼最後に
最後まで読んでいただきありがとうございます。
今回はインクジェットプリントではなく、奈良墨にこだわりました。墨で描かれたアートはやはり墨で表現しないといけないような気がしました。
だけど、これは簡単なものではありませんでした。原材料の煤(すす)は元々、水にはなじまず、膠を混ぜることにより固めて墨にしていましたが、この膠の粘りがシルクスクリーンの版の目に詰まってしまうのです。しかし、諦めることなく、何度もやり直して、ようやくプリントすることに成功しました。
この商品は墨作りの知恵、プリントの知恵、日本の知恵の結晶だと思います。
是非、手に取って、墨のプリントをご確認ください。
最新の活動報告
もっと見る本日終了【のこり15時間】ご支援ありがとうございます!
2016/05/30 10:13本日深夜をもちまして、終了となります。4月中旬より始まったこのプロジェクト、皆さまの励ましをいただき、やり遂げることが出来ました。現在120%!本当にありがとうございます。期間中、ファブリックを使った製品へのお声もたくさんいただきました。メンズのシャツ、ジーンズ、草履の鼻緒、帯・・・数々のもので展開してほしいというお声はとても励みになります。メンズのシャツ、秋に展開したいと思います。そして、写真のパンツ。これは支援の製品にはないのですが、奈良のハンドメイド作家さんnannaさんのデザインの『カクカクシカジカパンツ』です。クラフト展でご一緒して一目惚れ。Sumihikoのポケットをつけてもらいました。活動中はこのSumihikoシカジカパンツは、四角ブラウスとともに私のユニフォームのように毎日着ておりました。 行く先々で「それ、可愛い!」の声をいただき、そして、nannnaさんとのコラボブランド『Sumihiko×nanna』(仮)が誕生することになりました。秋には皆さまにお見せできると思います!こちらが終了しました後、当面の活動報告や出展情報はこちらでさせていただくことになります。どうか、お気に入り登録(いいね!)をお願いいたします。SumihikoFB:https://www.facebook.com/nara.sumihiko/ もっと見る
残り3日となりました。現在108%達成です。ありがとうございます!
2016/05/28 11:21残り3日となりました。現在108%達成。ありがとうございます!昨日は「アートで元気になるプロジェクト」のスタート地点であるものサポでプレゼンをしてきました! すでにSNSで見てくれている方が多く、実際に手に取って観れてよかった!と喜んでいただけました。 写真はSumihikoの原画です。この絵に決まるまで何枚も描きました。最初は大柄を考えていましたが柄のリピートや製品をつくることを考慮し、この柄に決めました。微妙な濃淡がそのまま布に表現されているのがわかっていただきたくて、最後に原画をUPさせていただきました。残り3日、ひきつづき応援お願いいたします!こちらでの報告が終了いたしましたのちは下記でSumihikoのニュースを掲載してまいります。こちらもよろしくお願いいたします。Sumihikoの情報はこちら もっと見る
5.27 本日は天満橋Co-BoxでSumihiko説明会です
2016/05/27 10:36おはようございます。イマタニです。本日は最後のSumihiko説明会を「アート&手づくり起業家ビジネス交流会」で行います。このグループの工場見学ツアーがご縁ではじまったSumihiko。やはり、こちらで報告をしたいと思います。今回、Sumihikoの手捺染を手がけてくださった松尾捺染さんの工場を見学にいったのは去年のこと。ちょうど一年前になります。そして、去年、奈良で活動をしていた作品展を見て、「墨アートの柄でファブリックをつくってみないか」と結び付けていただいたのは、工場見学を主催している『ものサポ』の津村さん。勉強のためにと参加していたことが、ブランドつくりまでに発展し、こうして皆さんのご支援をいただいて達成することが出来ました。 もうひとつ。私の地元である奈良は墨の生産が全国一ではありますが、墨の需要は年々減少し、墨をつくるメーカーさんは日々努力されていると聞いています。墨をつかって作品をつくっている身として、今回染料に奈良の墨を使えたことはとても嬉しいことです。 今日の説明会ではそんなことも話せたら、と、考えています。 もっと見る
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