制作状況の報告を、と思いながらもなかなか文字に書き起こすことができず、
気づけばあっという間に9月も後半に入ってしまいました。
支援してくださった皆さんにご報告が遅れましたことをお詫びいたします。
おかげさまで、レコーディングの方は全曲ほぼ終わりました。今はすでに録り終わったものをもう一度さらいながら、微調整を進めているところです。
今回、計9曲のマントラをはじめとする祈りの曲を収録しました。
このアルバムは私が長女を4年前に出産した直後、ふと立て続けにメロディが浮かんで、メモとして残しておいたものがほぼベースになっています。
その時にメモとして残したマントラのメロディの中に、
若くして天に召された知人の好きだったマントラがあります。
彼女の亡くなった後、友人からそのマントラを教えてもらった私は、
すぐに意味を調べました。
OM
Namah Shivaya Gurave
Saccidananda Murtaye
Nisprapancaya Shantaya
Niralambaya Tejase
OM
自分の中に、自分を導く光が存在している、
そのことを思い出して謙虚になり
それに対して尊敬の気持ちを表します
「自分の中の光を見出す」
いつでも自分の心の中に自分を導くものがある。
亡くなった知人とは深い関係ではなかったのですが、
何か大切なメッセージを受け取ったように思っています。
祈りは、何か自分の外にある大いなるものへ向かうイメージがあると思いますが、
きっとどこかのタイミングで、その「大いなるもの」は、実は私たちの内側にもあり、
私たちはそれぞれが神聖で、それぞれが大切な存在である、
ということを私たちに気づかせてくれるように思います。
このマントラを歌うとき、私は自分の中に、確かに自分を導くものがある、
ということを強く感じられる気がしています。
私はこのアルバムを作っている時、彼女をはじめ、
今はいない大切な人たちのことを何度も何度も思い出しました。
それは怖い意味ではなくて、私には本当に彼らがそれを聴いてくれている気がしたし、
私も彼らにそれを届くと信じて、だからこそ諦めずに制作を続けてこれました。
彼らの存在をふと心のどこかで感じた時、
私自身の中にあった「生」と「死」という概念もまた、切り離されたものではなくなったように思います。
この作品で描こうとしたものは、
ちっぽけな私の人生の経験からは到底完全に描き切ることのできないテーマです。
それでも私の人生の中で「祈り」にまつわる経験を通して、
大きな根源に触れる一筋の細い細い光を感じた経験を頼りに、
それを手繰り寄せ、イメージを膨らませて作品を作ってきました。
あまりにも自分の心のど真ん中に抱き続けてきたテーマだったので、
ここでつまづいたり、ここで失敗したら、
次にどんな一歩を踏み出していいのかわからなくなりそうで、正直怖くもありました。
けれど、そんな恐れもまるごと受け止めて、また歩み出す、
何か懐の大きな優しさや強さのようなものが、
この制作を通して私の中に芽生えた気がしています。
製作中にお世話になったミュージシャンの方に「等身大であることがすごく大事だと思う」と掛けられた何気ない一言に今立ち返りながら、今の私を隠さず全て詰め込んで、みなさんにお届けする準備を進めています。
曲順もほぼ決まり、この楽曲はアルバムの最初に収録しようと思っています。
それが出来上がったら「マスタリング」という作業を経て、
いよいよCDに音を乗せていきます。
とりあえずレコーディングが全部終了したら、
今回作品に携わってくれた方達の紹介などもしていこうと思います。
引き続き、温かい目で見守っていただけますと幸いです。
いつも温かいご支援、応援、本当にありがとうございます。
みなさま自身とそしてみなさまの大切な人たち、
そして、
世界中の全ての生命が幸せでありますように。
Harmonic Records
山口春奈